3月21日、UCI(国際自転車競技連盟)はテクノロジカルフラウド(技術的な不正)つまりメカニカルドーピングを検査する新技術を発表。UCIワールドツアーレースをはじめ、多くのレースで導入予定のX線バイク検査車両を公開した。


新たに発表されたX線検査装置新たに発表されたX線検査装置 photo:UCI

ダヴィ・ラパルティアンUCI会長ダヴィ・ラパルティアンUCI会長 photo:Kei Tsujiダヴィ・ラパルティアン氏がUCI会長に就任してからちょうど6ヶ月が経った3月21日、UCIが新たなメカニカルドーピングの検査方法を発表した。すでにレース現場で実施されているタブレット端末による磁気スキャンや赤外線カメラによる検査に加え、今後は移動式車両によるレース後のX線バイク検査を実施する。

検査はバイクをそのまま移動式の装置に入れて行われる。分解することなくフレームやホイールの内部を検査することが可能となり、検査自体は5分で完了する。UCIによると、X線検査はロードレースだけでなく全ての競技全てのカテゴリーを対象にしたもので、2018年は150レースで実施予定。グランツールを含めたUCIワールドツアーレースの50%をカバーするという。

また、新たな検査方法として磁気計を用いたトラッカーデバイスも開発中。レース中にバイク交換して違反発見を逃れることを防ぐため、フレームとホイールにRFIDタグを導入することも検討中だとしている。

今回の発表に際してラパルティアン会長は以下のようにコメントしている。「会長就任から6ヶ月が経った今日、UCIがテクノロジカルフラウドに対して強い姿勢で挑むというメッセージを自転車界に送りたい。現行の手法と開発中の手法を組み合わせることで、関係者やファン、メディアを裏切る違反行為を排除する。常々言っているように、プロスポーツ界にモーターが存在しないことを証明し、選手たちのパフォーマンスの価値を高めることが私の公約であり、その一環としてナショナルレベルやアマチュアレベルまで検査の範囲を広げるために各国の競技連盟をサポートしたい。今後は(ツール主催者)ASOと協力し、彼らのレースイベントで開発中のアプローチを含めて様々な手法を試す予定。我々のスポートの信頼性を向上させることが使命であり、今日の発表が重要な一歩になるだろう」。


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