全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ最終戦の「第12回明治神宮外苑大学クリテリウム」が、東京都内の明治神宮外苑で開催され、アムステルダム大学の デルク・アベル・ベックリン(Derk Abel Beckringh) が優勝。明治大学の渡邉慶太が2位に入った。女子は鹿屋体育大学の橋本優弥が優勝した。



明治神宮外苑のイチョウ並木を折り返すグループ1の集団明治神宮外苑のイチョウ並木を折り返すグループ1の集団 Photo:Satoru Kato
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて建設が進む新国立競技場2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて建設が進む新国立競技場 Photo:Satoru Katoハンドサイクルのロードレースも行われた。ハンドサイクルのロードレースも行われた。 Photo:Satoru Kato

今年12回目の開催となる明治神宮外苑大学クリテリウム。会場となる明治神宮外苑では新しい国立競技場の建設が進んでおり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目が集まっている場所だ。

1周1.5kmのコースは、工事によりコーナーが変更になった箇所があるものの、聖徳記念絵画館前をスタートし、銀杏並木を折り返す基本部分は変わらない。

明治神宮外苑の聖徳記念絵画館の前を一列棒状で進む集団。写真奥は建設中の新国立競技場。明治神宮外苑の聖徳記念絵画館の前を一列棒状で進む集団。写真奥は建設中の新国立競技場。 Photo:Satoru Kato
オランダのアムステルダム大学のメンバーオランダのアムステルダム大学のメンバー Photo:Satoru Katoこの日は東日本大震災が起きた3月11日。開会式では黙祷が捧げられたこの日は東日本大震災が起きた3月11日。開会式では黙祷が捧げられた Photo:Satoru Kato

今年の海外大学からの招待選手は、オランダのアムステルダム大学からの3名。中でも、ダーフィット・ファン・イール(David van Eerd)は、ピストバイクのクリテリウムシリーズ「レッドフッククリテリウム」で、昨年シリーズ3位になる実力を持つ選手。他の2名も含め、その強さが注目された。

この日の東京都内は、雲が多めながらも晴れ。最高気温は4月上旬並みの16度まで上がった。しかし時折吹き抜ける風はまだ冷たく、観客のほとんどは冬服のままだ。



アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュ。明大・渡邉慶太が2位
グループ1スタートグループ1スタート Photo:Satoru Kato
アムステルダム大学の2人を先頭に逃げ続ける5人アムステルダム大学の2人を先頭に逃げ続ける5人 Photo:Satoru Katoロードレース・カップ・シリーズのリーダージャージを着る岡部祐太(日本体育大学)はメイン集団でレースを進めるロードレース・カップ・シリーズのリーダージャージを着る岡部祐太(日本体育大学)はメイン集団でレースを進める Photo:Satoru Kato

男子のグループ1は20周30km。スタート直後からアタックがかかり、集団は一列棒状で進行する。4周目、5人が抜け出し、集団との差を広げる。メンバーは、アムステルダム大学のイールと、デルク・アベル・ベックリン、村田瑞季(中央大学)、小野寛斗(早稲田大学)、渡邉慶太(明治大学)。5人は均等に先頭交代しながらペースを維持し、メイン集団との差を最大30秒まで広げる。

レース終盤になってもメイン集団の追走の足並みは揃わないレース終盤になってもメイン集団の追走の足並みは揃わない Photo:Satoru Kato最終周回に入る5人の逃げ集団最終周回に入る5人の逃げ集団 Photo:Satoru Kato

追うメイン集団では、逃げにメンバーを送りこめなかった大学が追走しようとするものの、なかなか足並みが揃わない。メイン集団に残ったアムステルダム大学のショルス・ハンフラーフが要所で追走の動きをチェックに入ることもあり、レース終盤に差しかかっても20秒以下まで差が縮まらず、一向に逃げが吸収される気配がない。

残り3周、メイン集団から石原悠希(順天堂大)が単独で飛び出して追走。逃げ集団との差を15秒まで詰めるが、追いつくには周回数が足りず。勝負は序盤から逃げ続けた5人に絞られた。

デルク・アベル・ベックリン(Derk Abel Beckringh)が優勝デルク・アベル・ベックリン(Derk Abel Beckringh)が優勝 Photo:Satoru Kato
2位争いは渡邉慶太(明治大学)2位争いは渡邉慶太(明治大学) Photo:Satoru Katoグループ1 表彰式グループ1 表彰式 Photo:Satoru Kato

残り100m、先頭で現れたのはベックリン。後続が離れているのを確認しつつ、スプリントを制して優勝。2位争いは僅差で渡邉が先着。3位にイールが入り、アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュを達成した。

優勝したベックリンは「凄く楽しかった、コースも観客も良かったし、そこで勝てて良かった。日本にはるばる来たかいがあったよ。落車があるだろうと思っていたので、前で展開する事が大切だと思っていたんだ。逃げに乗った後は5人で上手く協調して走れていた。一緒に逃げていたチームメイトはスプリントに強くて、そして僕にはスピードがあるので、手札は多かった」と、レースを振り返る。

「自分の持ち味はスピードがある事。風の強いレース以外はどんなレースにも対応できると思っている。特に短いサーキットコースでの、ハイスピードレースが好きなので、今回はピッタリハマったよ」と、自分の得意分野と神宮外苑のコースが一致したようだ。

グループ1 大学対抗表彰式グループ1 大学対抗表彰式 Photo:Satoru Katoロードレース・カップ・シリーズは岡部祐太(日本体育大学)が総合優勝ロードレース・カップ・シリーズは岡部祐太(日本体育大学)が総合優勝 Photo:Satoru Kato

一方、2位の渡邉は「明治大学としては自分が積極的に逃げに乗って、先輩達が集団で待機する作戦だったのですが、序盤の落車に先輩が巻き込まれてしまったので、最後まで残らないといけないと思って粘りました。思ったより集団との差が詰まらなかったので、残り2周でこのメンバーで勝負だと思い、気持ちを切り替えました。

残り600mでアムステルダムの選手が仕掛けて、一瞬お見合いになったので自分から追走したのですが、逃げ切られてしまいました。最後はもう1人のアムステルダムの選手が差にきたので、気力で踏み切りました」と話す。

今年の目標を聞くと、「タイムトライアルの全日本選手権と、インカレの学校対抗で貢献出来るようにしたい」と語った。
グループ1(30km)
大学対抗
1位Derk Abel Beckeringh(アムステルダム大学)42分55秒アムステルダム大学4p
2位渡邉慶太(明治大学)+ 0秒中央大学12p
3位David van Eerd(アムステルダム大学)明治大学16p
4位小野寛斗(早稲田大学)
5位村田瑞季(中央大学)+2秒
6位篠田幸希(日本体育大学)+22秒


女子 トラック世界選帰りの橋本優弥が優勝
女子 3周目 集団がバラバラになり、5人が先行する。女子 3周目 集団がバラバラになり、5人が先行する。 Photo:Satoru Kato女子 石上夢乃(横浜創学館高校)を先頭に行く先頭集団女子 石上夢乃(横浜創学館高校)を先頭に行く先頭集団 Photo:Satoru Kato

女子 橋本優弥(鹿屋体育大学)が5人のスプリント勝負を制する女子 橋本優弥(鹿屋体育大学)が5人のスプリント勝負を制する Photo:Satoru Kato
8周12kmで行われた女子は、3周目までに5人が先行し、後続はばらける。メンバーは、小泉夢菜(早稲田大学)、中村愛花(日本体育大学)、橋本優弥(鹿屋体育大学)、太郎田水桜(東京成徳大学高等学校)、石上夢乃(横浜創学館高校)。最後は5人によるスプリント勝負となり、橋本が優勝した。

6日にトラックの世界選手権から帰国したばかりの橋本は「本当は出る予定ではなかったのですが、神宮クリテは楽しいので出させてもらいました。勝てて良かったです」と、感想を話す。

トラックのナショナルチームは年初からオーストラリアで合宿し、マレーシアのアジア選手権、オランダの世界選手権と転戦してきたが、「アジア選手権の時に身体的にも気持ち的にもピークが来てしまって、世界選手権はギリギリでした」と言う。

女子 表彰式女子 表彰式 Photo:Satoru Kato「帰国してオフという意識もあり、このレースは楽しむつもりでした。でもナショナルチームの一員としての責任もあるので内心勝たないといけないと思っていたので、今はホッとしています。団体追抜きの練習がメインでもがき練習をしばらくやっていなかったので、スプリント勝負には持ち込みたくなかったのですが、逃げ切る足がありませんでした。そこは今日の課題です」と、反省を交えて話す橋本。次の目標は8月のアジア大会だ。

「ナショナルチームの一員として、アジア大会で優勝に貢献できるように気持ちを入れ直して頑張ります」と、抱負を語った。
女子(12km)
1位橋本優弥(鹿屋体育大学)19分36秒
2位小泉夢菜(早稲田大学)+0秒
3位中村愛花(日本体育大学)
4位太郎田水桜(東京聖徳大学高等学校)+2秒
5位石上夢乃(横浜創学館高校)+6秒


その他レース
グループ2A優勝 堀込統吾(法政大学)グループ2A優勝 堀込統吾(法政大学) Photo:Satoru Katoグループ2B優勝 石井駿平(鹿屋体育大学)グループ2B優勝 石井駿平(鹿屋体育大学) Photo:Satoru Kato

マスターズクリテリウム 小川恵佑(なるしまフレンドレーシングチーム)が優勝マスターズクリテリウム 小川恵佑(なるしまフレンドレーシングチーム)が優勝 Photo:Satoru Katoマスターズクリテリウム 表彰式マスターズクリテリウム 表彰式 Photo:Satoru Kato
グループ2
グループ2A(12km)グループ2B(12km)
1位堀米統吾(法政大学)17分33秒石井駿平(鹿屋体育大学)17分30秒
2位池西拓海(明治大学)+ 0秒相葉健太郎(法政大学)+ 0秒
3位勝又高陽(法政大学)尾形尚彦(中央大学)+1秒
グループ3
グループ3A(6km)グループ3B(6km)グループ3C(6km)
1位松浦 響(朝日大学)9分6秒手嶋 豊(関西大学)9分0秒小林弘幸(信州大学)9分11秒
2位田部功明(立教大学)+0秒鷲巣 怜(明星大学)+3秒長松大祐(鹿屋体育大学)+0秒
3位土橋勇斗(大阪産業大学)千葉将太(東京大学)+11秒金子征誉(立教大学)+1秒
マスターズ
マスターズクリテリウム(12km)マスターズタイムトライアル(1.5km)
1位小川恵佑(なるしまフレンドレーシングチーム)17分27秒山本健一(Roppong Express)1分32秒85
2位高岡亮寛(Roppongi Express)+1秒小畑 郁(なるしまフレンドレーシングチーム)1分34秒04
3位小畑 郁(なるしまフレンドレーシングチーム)藤田征樹(チーム・チェブロ)1分41秒12
ハンドサイクル
ロードレース(8km)タイムトライアル(1.5km)
1位奥村直彦22分6秒田中誠治1分54秒49
2位木村潤平+22秒木村潤平1分55秒68
3位島田一彦+48秒吉田竜太2分3秒87
4位末吉政巳+2分12秒末吉政巳2分10秒10
5位松本 亘−1LAP権丈泰巳3分19秒59
text&photo:Satoru Kato
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