ワディダイカダムに向かう勾配9%の登りスプリントでグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が勝利。リオ五輪金メダリストがツアー・オブ・オマーン第3ステージで総合首位に立った。
KOMが設定された幹線道路を進む photo:A.S.O.
最大5分までリードを広げた4名の逃げグループ photo:A.S.O.
敢闘賞ジャージのロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス)が逃げる photo:A.S.O.
マスカット近郊のジャーマンユニバーシティ・オブ・テクノロジーから内陸のワディダイカダムに向かう179.5kmで行われたツアー・オブ・オマーン第3ステージ。内陸に向かうコースは後半にかけて起伏に富んでおり、特に残り10km地点のKOMワディダイカ(全長1km/平均8%)から先はアップダウンが断続的に登場。残り1kmを切ってからは、ワディダイカダムのダムサイトに向かって勾配9%の登りが続く。
この日はロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス)、シャンドロ・ムーリセ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、ワウテル・ウィッパート(オランダ、ルームポット)、ニコラス・シュルツ(オーストラリア、カハルーラル)の4名がメイン集団に対して最大5分差をつけて逃げ、敢闘賞ジャージのシェトゥがKOMとスプリントポイントを連取する。カチューシャ・アルペシンの集団コントロールによってステージ後半のアップダウンが始まるとタイム差は縮小。先頭で粘ったムーリセとショルツの2名も残り20km地点で吸収された。
リーダーチームのカチューシャ・アルペシンに加えて、アスタナとBMCレーシングがメイン集団の先頭に立ってペースアップ。人数が50名に満たない状態まで絞られ、BMCレーシングを先頭にワディダイカダムの登りに突入する。アルベルト・ベッティオール(イタリア)らに発射される形で、ヴァンアーヴェルマートが登りで力強く加速した。
アスタナを先頭にステージ後半のアップダウンをこなす photo:A.S.O.
首都マスカットを離れ、内陸を目指すプロトン photo:A.S.O.
リーダーチームのカチューシャ・アルペシンがメイン集団をコントロール photo:A.S.O.
アスタナとカチューシャ・アルペシン、BMCレーシングがコントロールするメイン集団 photo:A.S.O.
スプリントのひと踏みごとに、食らいつくルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を引き離したヴァンアーヴェルマート。前日ステージ2位の悔しさを晴らすように、コスタとルツェンコに3秒差をつけてフィニッシュした。
「ルツェンコのためにアスタナがハードな展開に持ち込むことは想像していた。おかげでスプリンターが脱落したので自分には有利な展開だったよ。チームは忍耐強く仕掛けるタイミングを待ち、残り3km地点の下り区間で先頭に出たおかげで完璧なポジションで最後の上りに挑むことができた。2013年にこのフィニッシュで2位に入っているので、自分向きだと思っていたし、登りの勾配が増したタイミングで全開アタック。誰も付いてくるなと願いながら踏んでいくと、後ろには誰もいなかった」と今シーズン初勝利をつかんだヴァンアーヴェルマートは語る。
登りスプリントを制したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:A.S.O.
7秒遅れのステージ5位に入ったネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)からヴァンアーヴェルマートは赤いリーダージャージを奪うことに成功している。ヴァンアーヴェルマートは「クラシックシーズンを前に良い状態であることに満足している」としながらも、「リーダージャージ獲得は特典のようなもの。明日はジャージを守るために走るけど、完全にピュアクライマー向きのグリーンマウンテン山頂フィニッシュは現実的に厳しすぎるので、総合優勝できるとは思っていない」と打ち明けている。
ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)とともに9秒遅れでフィニッシュしたオドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール)がヤングライダー賞トップに。優勝候補の一角ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が17秒のタイムロスを被っている。
リーダージャージを手にしたグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:A.S.O.



マスカット近郊のジャーマンユニバーシティ・オブ・テクノロジーから内陸のワディダイカダムに向かう179.5kmで行われたツアー・オブ・オマーン第3ステージ。内陸に向かうコースは後半にかけて起伏に富んでおり、特に残り10km地点のKOMワディダイカ(全長1km/平均8%)から先はアップダウンが断続的に登場。残り1kmを切ってからは、ワディダイカダムのダムサイトに向かって勾配9%の登りが続く。
この日はロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス)、シャンドロ・ムーリセ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、ワウテル・ウィッパート(オランダ、ルームポット)、ニコラス・シュルツ(オーストラリア、カハルーラル)の4名がメイン集団に対して最大5分差をつけて逃げ、敢闘賞ジャージのシェトゥがKOMとスプリントポイントを連取する。カチューシャ・アルペシンの集団コントロールによってステージ後半のアップダウンが始まるとタイム差は縮小。先頭で粘ったムーリセとショルツの2名も残り20km地点で吸収された。
リーダーチームのカチューシャ・アルペシンに加えて、アスタナとBMCレーシングがメイン集団の先頭に立ってペースアップ。人数が50名に満たない状態まで絞られ、BMCレーシングを先頭にワディダイカダムの登りに突入する。アルベルト・ベッティオール(イタリア)らに発射される形で、ヴァンアーヴェルマートが登りで力強く加速した。




スプリントのひと踏みごとに、食らいつくルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を引き離したヴァンアーヴェルマート。前日ステージ2位の悔しさを晴らすように、コスタとルツェンコに3秒差をつけてフィニッシュした。
「ルツェンコのためにアスタナがハードな展開に持ち込むことは想像していた。おかげでスプリンターが脱落したので自分には有利な展開だったよ。チームは忍耐強く仕掛けるタイミングを待ち、残り3km地点の下り区間で先頭に出たおかげで完璧なポジションで最後の上りに挑むことができた。2013年にこのフィニッシュで2位に入っているので、自分向きだと思っていたし、登りの勾配が増したタイミングで全開アタック。誰も付いてくるなと願いながら踏んでいくと、後ろには誰もいなかった」と今シーズン初勝利をつかんだヴァンアーヴェルマートは語る。

7秒遅れのステージ5位に入ったネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)からヴァンアーヴェルマートは赤いリーダージャージを奪うことに成功している。ヴァンアーヴェルマートは「クラシックシーズンを前に良い状態であることに満足している」としながらも、「リーダージャージ獲得は特典のようなもの。明日はジャージを守るために走るけど、完全にピュアクライマー向きのグリーンマウンテン山頂フィニッシュは現実的に厳しすぎるので、総合優勝できるとは思っていない」と打ち明けている。
ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)とともに9秒遅れでフィニッシュしたオドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール)がヤングライダー賞トップに。優勝候補の一角ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が17秒のタイムロスを被っている。

ツアー・オブ・オマーン2018第3ステージ結果
1位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 4:36:04 |
2位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:00:03 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | |
4位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
5位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:07 |
6位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | |
7位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール) | 0:00:09 |
8位 | ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
10位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) |
個人総合成績
1位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 12:56:44 |
2位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:00:11 |
3位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:13 |
4位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:19 |
5位 | ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:25 |
6位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール) | |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
8位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
9位 | ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス) | |
10位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 0:00:33 |
ポイント賞
1位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 27pts |
2位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 21pts |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール) | 12:57:09 |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
3位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 0:00:08 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 38:51:57 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:00:18 |
3位 | コフィディス | 0:00:23 |
text:Kei Tsuji
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