アップダウンに富むナミュールの城塞コースで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第6戦。本調子を取り戻したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が独走勝利を飾った。



ファンの詰めかけた登りを行くワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)ファンの詰めかけた登りを行くワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos
前日にアントウェルペンで開催されたDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーを走った選手たちは、レース終了直後に「ムーズ川の真珠」と讃えられるナミュールへ。100kmほど離れたUCIシクロクロスワールドカップ第6戦が開催される城塞、「シタデル・ド・ナミュール」が目的地だ。

2015年のツール・ド・フランスを筆頭に、数々のロードレースでも使用されているナミュールの城塞は、4級山岳に設定されるほどの高低差を持つことが特徴。丘の上に位置する城塞を縫うように走るコースは常に厳しいアップダウンを繰り返す。

登り石畳からのスタートダッシュ中に、隊列中盤では激しい集団落車が発生。過去野辺山で勝利しているジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、グエルチョッティ・セライタリア)やトム・メーウセン(ベルギー、ベオバンク・コレンドン)らが巻き込まれ、激しく石畳に叩きつけられたクラース・ファントルノート(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)は左腕を骨折する事態に。

苦戦を強いられたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)苦戦を強いられたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:CorVosランニングで激坂を登るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)	ランニングで激坂を登るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos

ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)は4位ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)は4位 photo:CorVosトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)が2位争いで先着トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)が2位争いで先着 photo:CorVos


スリッピーなコースではマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)が独走に持ち込もうとしたものの、すぐにワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が合流。名物のキャンバーセクションで追い抜き、堅実な走りを武器に独走態勢を築いていく。

前日にファンアールトとの一騎打ちを制したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)は、この日精彩を欠いていた。「風邪をひいてしまい身体が動かなかった」と言うヨーロッパ王者は、トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)と共に2位グループを形成。先頭を追うべく抜け出しを試みたものの、2度の落車によって勢いを削いでしまう。

一方、「今日はスタート直後から良いリズムを刻めた」という世界王者の勢いは圧倒的だった。途中スリップ落車を喫したものの、バイク交換をしながら安定したペースを刻んで独走。2位グループとの差を1分以上にまで広げ、文句なしの圧勝を遂げた。

UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第6戦表彰台UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第6戦表彰台 photo:CorVos
先々週に温暖なスペインでトレーニングキャンプを行っていたファンアールトは、「ここまで大差で勝てるとは思っていなかった。確かにマテューは精彩を欠いていたけれど、自分の走りに満足しているよ。ようやく本調子が戻ってきた気がする。前日も良く走れていたし、集中できていた。落車も軽い擦り傷だけで済んだので問題ないよ」と、来月に迫った世界選手権に向けても好感触を掴んだようだ。

アールツとファンデルポールの2位争いは最終周に加熱し、テクニカルな下りでラインを外したファンデルポールはコースネットに突っ込んでしまう。追走の末に合流したものの、粘ったアールツが2秒差で先着。「昨日の落車で指を怪我していたけれど、特に問題なかった。今日のようなコースでは確実に安全なラインを選ぶことが必要。マテューが本調子じゃないのが残念だけど、トップ2(ファンアールトとファンデルポール)との間でフィニッシュできて良かった」とアールツは語っている。


UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第6戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) 1h07’47”
2位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’04”
3位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +1’06”
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +1’58”
5位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +2’08”
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +2’24”
7位 マルセル・マイセン(ドイツ、ステイラーツ・ベットファースト) +2’37”
8位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +2’59”
9位 ダーン・ソエテ(ベルギー、テレネット・フィデア) +3’12”
10位 クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +3’21”

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