フランスのプロチーム「アグリチュベル」が採用し、ツール・ド・フランスでも大活躍したレイノルズのカーボンホイール。今回はそのラインナップの中から、アグリチュベルの平坦ステージでの走りを支えたディープリムホイール「SDV66 C」をインプレした。

レイノルズ SDV66 Cレイノルズ SDV66 C
古くからの自転車ファンならば、「レイノルズ」の名前はとてもなじみ深いものだろう。そう、現在レイノルズのカーボンホイールやカーボンフォークを生産している「レイノルズ・コンポジット社」は、レイノルズ・531やレイノルズ・753などのスチールチューブで一世を風靡したレイノルズ社を前身としているのだ。

レイノルズ社の創立は1898年。まだ、現代的なチェーン駆動自転車がやっと完成した頃から自転車界に貢献してきた老舗中の老舗ブランドなのである。

リム高は66mmだリム高は66mmだ ニップルはリム内部に内蔵されるので、エアロ効果が高いニップルはリム内部に内蔵されるので、エアロ効果が高い


レイノルズのカーボンフォークは、1998年から生産を開始した。その高性能からライトスピード、スペシャライズド、サーべロといったバイクに標準装備され、ロット・アデコ、アクア・エ・サポーネ、CSCといったチームにより、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア、メジャークラシックレースで活躍したのも記憶に新しいところだ。

十分なノウハウを蓄積したレイノルズ社は2007年、満を持してカーボンホイールを発表。08年からはフランスのプロチーム「アグリチュベル」に供給され、ツール・ド・フランスでも活躍した。

スポークはDT Swissのエアロライトで、フロントはラジアル組されるスポークはDT Swissのエアロライトで、フロントはラジアル組される 軽さと回転性能を誇るDT Swiss製のハブ軽さと回転性能を誇るDT Swiss製のハブ リヤはフリー側が2クロス(4本組)、反フリー側がラジアル組だリヤはフリー側が2クロス(4本組)、反フリー側がラジアル組だ


今回インプレした「SDV66 C」はリム高66mmのカーボンディープリムホイールだ。末尾の「C」はクリンチャーを意味し、他にチューブラー版の「SDV66 T」もラインナップされる。

SDV66 Cのスポーク数はフロントが16本、リヤが20本。ハブには定評の高いDT Swissの製品を、スポークにもDT Swissの軽量エアロモデル「エアロライト」が採用される。

レイノルズ SDV66 Cレイノルズ SDV66 C インプレにはヴレッデシュタイン・FORTEZZA TriComp Slickを使用したインプレにはヴレッデシュタイン・FORTEZZA TriComp Slickを使用した


それでは、さっそく気になるインプレッションをお届けしよう!





― インプレッション


「平坦でのスピード維持がラクチン!」 仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)


「アップダウンが連続するコースにも最適だ」仲沢隆「アップダウンが連続するコースにも最適だ」仲沢隆 昨年頃から、リム高が極端に高いカーボンディープリムホイールが各社から色々とリリースされている。中にはリム高が100mmを超えるような製品もあり、エアロ効果の高さを全面に押し出すようになってきた。

ホイールのカーボン化によって、ディープリムでもそれほど重量が重たくならなくなったので、山岳ではリム高がやや低めのホイールを、平坦ではリム高が極端に高いホイールをという使い分けが進んでいるようだ。

今回インプレしたSDV66 Cは、レイノルズのラインナップの中で最もリム高の高いモデルである。その名前が示す通りリム高は66mm。他社にはこれよりもリム高が高い製品があるとはいえ、やはりリム高が66mmもあるとかなりの迫力だ。

ロゴスペースとしてもうってつけで、レイノルズの大きなロゴが存在感を主張している。この手のホイールが好きな人にとって、ルックスだけでもかなり魅力的だ。

踏み出しの軽さは、その外観から想像するよりずっと軽い。これだけのリムハイトがあるホイールとしては、驚異的な踏み出しの軽さだと言えるだろう。

90年代に活躍したアルミのディープリムホイールは、どれもものすごく重たい踏み出しだったから、それを考えるとホントに隔世の感がある。まさにディープリムホイールのためのカーボン、カーボンのためのディープリムホイールだ。

いったん走り出してしまうと、その挙動は実に軽快だ。低速から中速への伸びは気持ちよく、中速から高速への伸びも実に素晴らしい。スピードが上がれば上がるほど、その性能が発揮されるホイールだ。

「平坦でのスピード維持がラクチン!」仲沢隆「平坦でのスピード維持がラクチン!」仲沢隆 驚くべきは高速巡航性の高さだ。そのエアロ効果の高さ、外周部の軽さなどが相まって、実にスピード維持がラクチンなのである。私のようなレベルの人間でも40km/hくらいで巡航することが容易だったから、プロレベルの選手ならばしばらくは60km/hくらいで走り続けることができるだろう。

上りの軽快さは同社の山岳系ホイール「KOM SV」などに一歩譲るものの、このリム高にしては十分に軽い挙動を見せる。登りっぱなしのヒルクライムには向いていないが、アップダウンが繰り返されるようなコースならば、下りの勢いでかなり登れるので、このホイールでもまったくハンデにならない。いや、ある程度脚力のあるライダーならば、むしろSDV66 Cのようなホイールの方が向いているとさえ言える。

ブレーキの効きもナチュラルで、何ら緊張感を強いられるようなことはなかった。リムはカーボンの含有率が高い(=エポキシ樹脂の含有率が少ない)ので、下りのブレーキングによる熱にも強そうだ。

オススメしたいシチュエーションは、やはり平坦の高速走行だ。平坦基調なコースでのロードレース、山岳を含まないロングライドなどで、最高の相棒になってくれること間違いないだろう。




― スペック

レイノルズ SDV66 C
リム高 66mm
ホール数 フロント16H、リヤ20H
ハブ DT Swiss Reynolds ロゴ入り
スポーク DT Swiss Aero lite
フリーボディ シマノ・カンパ2タイプ
重量 1650g
希望小売価格(税込み) 299,250円(FRペア、クイックリリース、、T字スポークレンチ、スイスストップ・フラッシュイエローブレーキシュー、タイヤレバー、リムテープ付き)





インプレライダーのプロフィール

仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)仲沢 隆(自転車ジャーナリスト) 仲沢 隆(自転車ジャーナリスト)


ツール・ド・フランスやクラシックレースなどの取材、バイク工房の取材、バイクショーの取材などを通じて、国内外のロードバイク事情に精通する自転車ジャーナリスト。2007年からは大学院にも籍を置き、自転車競技や自転車産業を文化人類学の観点から研究中。



text:仲沢 隆
photo:綾野 真
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