マイヨロホ候補に明暗が分かれたアンドラ山岳決戦。ステージ優勝したニーバリや6年ぶりにマイヨロホを獲得したフルーム、マイヨロホでの地元凱旋を逃したデラクルス、2分以上遅れたコンタドールらのコメントを紹介します。


久々の勝利を飾ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

サメのヒレを表現してフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)サメのヒレを表現してフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Tim de Waele / TDWsportステージ優勝は予想していなかった。チームスカイがペースを上げ始めた時、自分は集団後方にいたので危なかった。登りのアタックには反応できず、ステージ優勝を果たすためにはスプリントしかなかった。

暑い1日で、まだ開幕から3日しか経っていないタイミングでの山岳バトル。マイヨロホの候補が今日先行した9名に絞られたとは思わない。間違いなくフルームは強力だけど、自分たちは良いスタートを切ることができたよ。

マイヨロホに2秒届かなかったステージ2位のダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

総合リーダーの座をランパールトから受け継ぐことが目標だったので残念だ。明日は地元カタルーニャを走るので、何としてもマイヨロホを獲得したいと思っていたんだ。コースも知り尽くしていたけど届かなかった。昨日のフィニッシュで数秒失ってしまったことがマイヨロホ獲得に影響してしまった。

重要なのは全力を出し尽くしたこと。チームメイトたちの走りも素晴らしかった。ここまでの3ステージでクイックステップフロアーズの最低成績はステージ2位。これは素晴らしい結果だと思う。自分はプロ入りが遅く、怪我続きで苦しむこともあったけど、ここ数年で大きく成長できたと思う。チームサポートも強力で、自信をもって戦い続けたい。ツールから連戦出場の選手たちはフェードアウトしていくかもしれないけど、自分はここから調子を上げていける。

総合首位に立ったステージ3位のクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

早くもマイヨロホを手にしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)早くもマイヨロホを手にしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsportこんな早い段階でのマイヨロホ獲得はサプライズ。チームメイトたちのハードワークの賜物だ。特に今日はグランツール初出場のジャンニ・モスコンの働きが素晴らしかった。

過去に13秒差で総合優勝を逃した経験があるので、ブエルタでは1秒も無駄にしたくない。久々の(2011年以来の)マイヨロホに袖を通す感覚は素晴らしい。ツールの後もトレーニングに打ち込んできた成果であり、最終的な総合優勝に向けて理想的なポジションにいる。でも総合2位以下の選手たちと2秒しか離れていないので、ボーナスタイムですぐに逆転が可能。まだまだ僅差であり、最終日までマイヨロホを着続けるのは難しいと思う

ステージ4位に入ったロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)

集団内のポジションが悪くてフルームのアタックには反応できなかったけど、脚も動いたし、良い1日だった。ステージ優勝を狙っていただけに下り区間で後続が追いついてきたことに驚いたよ。最初の山岳ステージを終えてアージェードゥーゼールは総合争いで良い位置につけている。ステージ優勝を逃したものの、悪くない結果だと思う。

登りで唯一フルームに対抗したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)

2級山岳コメリャ峠でアタックするクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)とエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)2級山岳コメリャ峠でアタックするクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)とエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) photo:Tim de Waele / TDWsport文句無しの結果。強い自分が戻ってきた。チームスカイが強力なペースを作って集団を絞り込んだけど、自分はチームメイトたちのおかげでフルームのアタックに反応できた。下りと平坦区間でフルームの前には出れなかったものの、世界トップレーサーたちと同じ先頭グループでフィニッシュしたことを嬉しく思う。

ステージ6位のファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

ツール・ド・フランスの疲れからしっかりと回復したものの、レースから離れていたので自分の状態がどんなものか分からなかった。今シーズンはジロ・デ・イタリアに向けてコンディションを作っていたものの、膝の故障でジロを欠場し、予定していなかったツールとブエルタに出場。だから毎日一歩ずつ慎重に状態を見極めながら走りたい。

ステージ7位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)

予想通りとてもタフなステージだった。アンドラを訪れるステージがイージーなはずはなく、やはり今日も厳しかった。レースを作るのは選手たちであり、ハイペースな展開によってコースプロフィール以上の厳しさだったと思う。特に残り50kmのテンポはとても速く、アタックも頻発。2級山岳ではフルームに先を越されてしまったものの、ティージェイ・ヴァンガーデレンと合流して懸命に追走した。

チームTTでの勝利の後、今日はマイヨロホを手に入れるチャンスだと踏んでいた。最後は早めにスプリントを仕掛けたものの届かず。昨日のフィニッシュで数秒を失った影響で夢のマイヨロホ獲得は果たせなかった。

ステージ8位のティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)

毎日がワンデーレースのよう。初日はナーバスなチームTTで昨日は横風ステージ、そして今日は標高のある山岳ステージだった。まだまだ3週間の戦いは始まったばかりだけど、総合争いに向けて自分とニコラス・ロッシュの準備が整っていることを見せつけることができたと思う。チームとして戦えることも証明できた。もちろんマイヨロホに手が届けば最高だったけど、タフなステージを終えて総合トップと2秒差で、ライバルたちからリードを得ている。良いポジションにつけていると言っていいと思う。

54秒失ったイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)

今日はスタートから調子が良くなかった。きっと暑さの影響だと思う。序盤の1級山岳の時点で苦しんでいた。不調の原因を分析したい。

山岳アシストを務めるディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)

1級山岳からハイペースを刻むことでアラフィリップらを引き離すことに成功。今日のチームスカイの目標は総合のライバルたちからタイムを奪うことだった。コンタドールを引き離すことに成功したので満足している。そしてマイヨロホ獲得もナイス。明日からマイヨロホを守るために走りたい。

2分33秒失ったアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

下りをこなすアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)下りをこなすアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele / TDWsport1級山岳ラバッサ峠の時点で調子の悪さを感じていた。何が起こったのかわからないけど、とにかく力が全く入らなかった。集団から脱落後、ペースを落としても苦しいことに変わりなかった。だから今日は何とかタイムロスを最小限に抑え込むことに専念しようとピーター・ステティーナに告げた。レースから遠ざかっていたことに起因する調子の悪さだと思う。バッドデーが今日だけであることを願うよ。

今はとにかく身体を休めて、不調の原因を究明したい。次なる作戦を練るのはそれからだ。とにかくこのブエルタを楽しみたいと思う。キャリアの中で最もリラックスして挑めているブエルタであり、最大限楽しみながら走りたい。もちろん先頭争いに加わりたかったけど今日はダメだった。身体の回復を待ってから挽回したい。