大きく総合順位が動いたガリビエステージの選手コメントを紹介。逃げ切って勝利したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)は「今日勝利できたなんて信じられない。言葉にならない」と喜びを語っています。



ステージ優勝したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)

ステージ初優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)ステージ初優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Tim de Waele / TDWsport
ガリビエを越えるこのステージで勝利できるなんて信じられない。言葉になんてならないよ。現時点では何が起きているのか理解できないくらいだ。後になって振り返った時に、この勝利がいかに素晴らしいものだったか実感できるのだと思う。このステージを事前にチェックしていて、ガリビエ峠でアタックしてそのまま下りを全力で駆ける作戦だった。今日はそれで行こうと決めていたんだ。ガールフレンドや家族も見に来ていたからね。沿道にはスロベニア国旗も見えていた。本当に素晴らしい日になったよ。

ステージ2位、リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)

今日はとてもいいレースが出来たと思う。もちろんステージ優勝が出来れば御の字だったけれど、アルの様に強力なライバルに対して、タイム差を付けることが出来たことが何よりも重要なことだった。ツールも最終周に突入し、みな疲労が蓄積されていることは明らかだ。

その中でもチームスカイは際立って強さくレースを支配しているから、僕らはその中で注意深くレースを展開していくだけ。でも、それで十分。明日もまたかなり登ることになるし、山頂フィニッシュだから、きっと激しい争いが繰り広げられるだろう。でも、きっと全てうまくいくと思っているよ。

マイヨジョーヌを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

ガリビエステージを無事に終えたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ガリビエステージを無事に終えたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport
今日アルが遅れるとは思ってもみなかった。かなり意外だったけれど、それもすべてチームメイトのおかげ。一人一人が僕を安全に守りきるために全力を尽くしてくれたことに対して、本当に、本当に感謝をしている。全てが作戦通りに運んだんだ。

イゾアールは間違いなく今年のツールで最も山場となる峠。でも個人的には土曜日の個人タイムトライアルを楽しみにしているよ。今年のツールを目指してTT能力の強化に力を費やしてきたし、コースレイアウトも自分向きだ。この総合リードのままでもタイムトライアルを迎えることができればハッピーだ。

ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)

ガリビエ峠頂上に近づきアタックの機会を伺うロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)ガリビエ峠頂上に近づきアタックの機会を伺うロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
今日は勝利を目指して走り続けていた。ガリビエで持てる全てを吐き出してアタックを仕掛け、タイム差を付けようとしたんだ。誰かと協調できるかと思ったけれど、後悔はしていない。ツールでは、どれだけ耐え続けることができるかが問われることとなる。

ラストの下りでは、フルームを引き離すことは難しかったね。明日のイゾアールでの山頂フィニッシュは、総合争いで重要な分かれ目になるだろう。今日のような強さを明日のステージでも発揮できるかどうかが、今は一番大切なことだよ。

総合順位を落としたファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

ライバルたちから31秒失ったファビオ・アル(イタリア、アスタナ)ライバルたちから31秒失ったファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele / TDWsport
レースなんだからこんな日もある。今日はベストデイではなかったが、それが結果に表れてしまった。最後までベストを尽くせたので、タイム差は最小限に抑えられたと思う。とにかく、今日のステージでは大きなドラマは生まれなかったね。レースはパリまで続く。明日は今日とは違った上りゴールで難しいステージだ。今日の遅れを取り戻したいし、再び戦いの中に戻れるようトライしたいと思う。

敢闘賞を獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

ステージ敢闘賞を獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)ステージ敢闘賞を獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele / TDWsport
目標としていた勝利には手が届かなかったけれど、これがスポーツだ。今日のステージは、単独で走行する距離が長すぎた。もし、最初の逃げに乗ることができたならば問題なかったけど、70km地点でメイン集団から抜け出したことで、作戦の幅が狭まった。

クロワ・ド・フェール峠では5分のタイム差を縮めるためかなり頑張ったよ。逃げる時、ナイロ(キンタナ)にも一緒に来るように誘ったけど、彼はついてくることができなかった。山岳地帯をトレーニングしているようだった。

ガリビエ峠では力をセーブしようと思っていたが、アタックが頻発したのでかなり力を使わされた。総合勢と同じグループで登りきることができたけど、勝利のために闘うことはできなかった。これから勝てるチャンスが残っていないので残念だ。調子は良いし、勝利を切望しているが、今年のツールは私にとって難しく感じる。

アタックが不発に終わったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

ある日は闘えるけど、またある時は苦しむ日もある。ガリビエ峠の登りは非常にタフで、無事にフィニッシュすることしかできなかった。自分にはもう足が残っていないので、1日1日完走し、パリまでプロトンに留まることが目標だ。明日もまた厳しい日になりそうだ。

ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)

ステージが始まって直ぐの落車に巻き込まれてしまって、今日のプランは最初から無茶苦茶になってしまった。でも、あそこからしっかりと復帰できたのは良かった。キッテルがクラッシュでリタイアすることになってしまったね。グリーンジャージを巡る戦いを最終日まで続けたかったから、こんな形で手にするのは少し残念だ。でも、結果的にチームは山岳賞とポイント賞の2つを手にすることになったから、パリまでこれらを守り続けていきたい。

マイヨヴェールを受け取ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)

念願のマイヨヴェールを手に入れたマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)念願のマイヨヴェールを手に入れたマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) photo:Tim de Waele / TDWsport
昨日のステージで50ポイントを獲得した後、やっとポイント争いの勝ぶが始まったと思った。今日は確実に20ポイントを獲得しなければいけないこと、そしてそのポイントを得てもなおマイヨヴェールが難しいことは分かっていたよ。でもそれまでは良い戦いをしていたし、キッテルのリタイアは誰も望んでいないことだ。

マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

ものすごく落ち込んでいて、今の気持ちを上手く表現できない。ステージ5勝で帰宅という結果だけで見れば素晴らしいことかもしれない。でもパリが目前に迫った中で落車で去るなんで最悪以外に言葉がないよ。落車を避ける手立ては何もなくて、肩と背中、肘とお尻に擦過傷を負ってしまい、腫れも出てしまった。バイクに乗り続けようと頑張ってみたものの、ペダリングはただただ辛かった。それにここ2,3日は風邪をひいてしまい、胃痛を患っていたこともダブツパンチになってしまったんだ。これからは休息をとって、回復に専念する。ツールで5勝したという自信が状況をよくしてくれるはずだ。

text:CW編集部