ドイツのデュッセルドルフからベルギーのリエージュを目指す平坦なツール・ド・フランス第2ステージは前日に引き続いて雨。多くの選手が落車する荒れたレースの最後にマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がスプリント勝利をつかんだ。



デュッセルドルフの街をスタートしていくデュッセルドルフの街をスタートしていく photo:Kei Tsuji / TDWsport
ツール・ド・フランス2017第2ステージツール・ド・フランス2017第2ステージ ©GEOATLASツール・ド・フランス2017第2ステージツール・ド・フランス2017第2ステージ ©A.S.O.

デュッセルドルフ中心部のブルグ広場(6月29日のチームプレゼンテーションの開催場所)からツール第2ステージはスタート。ライン川に面した広場から市内を9kmパレード走行後、ドイツ最大の人口を有するノルトライン=ヴェストファーレン州をぐるりと巡ってオランダとベルギーの三ヶ国の国境が交わるエリアへ。144km地点でベルギーに入国し、残り20.5km地点で4級山岳オルヌ峠を越えてリエージュに至る平坦基調の203.5kmだ。

長いニュートラル走行とオープニングセレモニーを経て正式なスタートが切られるとすぐに4名のファーストアタックが決まる。テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、ヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)、ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)、トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー)という、全員がツール初出場という初々しい逃げメンバーがレース先頭で形成された。ワイルドカード枠で出場しているフォルトゥネオ・オスカロは4年連続でロードステージ初日に逃げている。

序盤の4級山岳グラフェンベルク峠を先頭通過したのは総合12位につけるフィニー。終盤にもう一つ4級山岳が設定されているものの、同ポイントの場合は総合上位の選手にジャージが与えられるため、総合12位のフィニーは早々にマイヨアポワ着用を確定させた。アメリカ人によるマイヨアポワ着用は2011年のティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)以来となる。

平均44.6km/hで最初の1時間を駆け抜けた逃げ4名は3分30秒程度のリードを保ちながら曇り空の平野を駆け抜ける。後方ではロット・ソウダルやクイックステップフロアーズ、ディメンションデータというスプリンターチームが集団先頭に選手を送り込み、タイム差をチェックしながら状況をコントロールした。初日の個人TTで落車したルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・スコット)が今大会3人目のリタイア者となっている。

レース開始から1時間半が経つ頃には雨が降り始め、完全にウェットなスプリントポイントを逃げグループはボダを先頭に通過していく。2分後方の集団ではこの日1回目の本格的なスプリントが繰り広げられ、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)が先着している。

逃げグループを長時間牽引するテイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)逃げグループを長時間牽引するテイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) photo:Kei Tsuji / TDWsport
メイン集団の中間ポイント争いはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)がトップ通過メイン集団の中間ポイント争いはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)がトップ通過 photo:Makoto.AYANO
クイックステップフロアーズとロット・ソウダルがメイン集団を牽引するクイックステップフロアーズとロット・ソウダルがメイン集団を牽引する photo:Kei Tsuji / TDWsportカチューシャ・アルペシンやディメンションデータ、エフデジも集団牽引に参加カチューシャ・アルペシンやディメンションデータ、エフデジも集団牽引に参加 photo:Kei Tsuji / TDWsport
チームメイトと固まって走る新城幸也(バーレーン・メリダ)チームメイトと固まって走る新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
スプリンターチームの牽引によって順調にタイム差が縮まりつつある中、フィニッシュまで30kmを残したロータリーで大落車が発生する。集団先頭付近の選手が完全ウェットな路面に足元をすくわれて転倒すると、後続の選手が止まり切れずにスリップダウン。その中にはマイヨジョーヌを着るゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)やクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)の姿もあった。

フルームはクリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)のバイクに飛び乗ってすぐさま再スタートし、ボーラ・ハンスグローエやロット・ソウダルがペースを落とすメイン集団にチームメイトの力を借りて復帰。集団復帰後すぐにフルームは自分のスペアバイクに乗り換えている。

集団落車の影響で逃げグループは40秒前後のリードを保ったまま最後の4級山岳オルヌ峠を登りきり、ここもフィニーが先頭で通過。雨に濡れた危険なダウンヒルをそのまま先頭で下ったフィニーにオフルドがジョインして先頭は2人に。エフデジやボーラ・ハンスグローエ、クイックステップフロアーズが率いるメイン集団から40秒リードで残り15kmを切った。

逃げ吸収は時間の問題と思われたが、フィニーとオフルドの力走によって残り10km地点で逆にタイム差が50秒まで拡大。慌てるスプリンターチームが猛烈なペースで追い上げ、30秒で残り5km地点を通過する。牽制することなくローテーションして逃げ続けた先頭2人はリエージュの街中に達したものの、フラムルージュ(残り1kmアーチ)を目前にして吸収された。

雨の中、逃げグループを追うメイン集団雨の中、逃げグループを追うメイン集団 photo:Kei Tsuji / TDWsport
カチューシャ・アルペシンがメイン集団のペースを上げるカチューシャ・アルペシンがメイン集団のペースを上げる photo:Kei Tsuji / TDWsport
マイヨジョーヌ初日を迎えたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌ初日を迎えたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
人数を揃えてトレインを組んだロット・ソウダルだったが、隊列の崩れによってボーラ・ハンスグローエに主導権を奪われてしまう。しかしボーラのトレインも機能せず、およそフィニッシュラインまで200mを残してペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)、アルノー・デマール(フランス、エフデジ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がほぼ横並びでスプリントを開始した。

新城幸也のアシストにより好位置から勝負に持ち込んだコルブレッリだったが、そのスリップストリームにはキッテルの姿。ライバルたちのトップスピードをもう一段上回る加速を見せたキッテルが先頭に立つと、そのままフィニッシュラインまでリードを維持し続けた。

最終ストレートにやってきたトップスプリンターたち最終ストレートにやってきたトップスプリンターたち photo:Kei Tsuji / TDWsport
マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)のスプリントが伸びるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)のスプリントが伸びる photo:Kei Tsuji / TDWsport
第2ステージを制したマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)第2ステージを制したマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
フィニッシュ後、しばらく動けずに顔を覆って座り込んだキッテル。チームメイトたちが祝福に到着してようやく腰を上げ、雄叫びをあげてから抱き合って喜んだ。

「ステージ勝利数の数なんて関係ない。誇れる成績を残せるようにその時その時を大事に走っている結果。デュッセルドルフをスタートし、ドイツのファンの声援を受け続けたステージだったのでこの勝利は特別だ」と、ステージ通算10勝目を飾ったキッテル。もちろんポイント賞でもトップのキッテルは表彰台でマイヨヴェールに袖を通した。

ボーナスタイムによってキッテルはトーマスと6秒差に迫る総合3位に浮上し、翌日にもう1勝すればマイヨジョーヌに手がとどく状態に。しかし第3ステージは短い登りフィニッシュが設定された丘陵コース。キッテルは「明日は去年の第2ステージのような登りフィニッシュなので決してイージーなステージじゃない。状況を見ながら、フィリップ・ジルベールやマッテオ・トレンティンで勝負することも考えて走りたい」と語っている。

雄叫びをあげるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)雄叫びをあげるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
表彰台で目を閉じるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)表彰台で目を閉じるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
マイヨヴェールはマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)の手にマイヨヴェールはマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)の手に photo:Kei Tsuji / TDWsportマイヨアポワを手に入れたテイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)マイヨアポワを手に入れたテイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ成績
1位マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)4:37:06
2位アルノー・デマール(フランス、エフデジ)
3位アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
4位マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
5位ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
6位ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
7位ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)
8位ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
9位マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)
10位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
23位新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)
DNFルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・スコット)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)4:53:10
2位シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)0:05
3位マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)0:06
4位ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)0:07
5位マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)0:10
6位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)0:12
7位ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)0:15
8位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
9位エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)0:16
10位ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)63pts
2位アルノー・デマール(フランス、エフデジ)38pts
3位アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)25pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)2pts
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)4:53:15
2位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)0:20
3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ0:24
チーム総合成績
1位チームスカイ14:39:49
2位クイックステップフロアーズ0:37
3位サンウェブ0:58
text&photo:Kei Tsuji in Liege, Belgium
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