ツアー・オブ・ジャパン6日目の富士山ステージが行われ、中盤から単独で飛び出したオスカル・プジョル(チーム右京)がステージ優勝。後続に1分以上の大差をつけて圧勝した。



傘をさしてスタートサインに現れたミルサマ・ポルセイエディコラホール(タブリーズ・シャハルダリ)傘をさしてスタートサインに現れたミルサマ・ポルセイエディコラホール(タブリーズ・シャハルダリ) photo:Satoru.Katoツアー・オブ・ジャパンにディアブロが登場?ツアー・オブ・ジャパンにディアブロが登場? photo:Satoru.Kato

大一番前、リラックスした表情のオスカル・プジョル(チーム右京)大一番前、リラックスした表情のオスカル・プジョル(チーム右京) photo:Satoru.Kato「富士は日本一の山」「富士は日本一の山」 photo:Satoru.Kato


ツアー・オブ・ジャパン第6ステージは、富士あざみラインを5合目まで登るヒルクライムステージ。毎年このステージを制した者が、個人総合優勝に大きく近づく。距離11.4kmで標高差1200m、平均勾配10%、最大斜度22%。上に行くほど勾配がきつくなり、後半の平均勾配は18%を誇る。もちろん、山岳カテゴリーは超級だ。

レースのスタート前、小川町生涯学習センターからスタート地点までパレードランが予定されていたが、朝から降り続く雨のため選手のパレードはキャンセルされた。

小さな応援団とNIPPOヴィーニファンティーニのメンバーで記念撮影小さな応援団とNIPPOヴィーニファンティーニのメンバーで記念撮影 photo:Satoru.Katoパレードランがキャンセルの代わりにチームカーでパレードパレードランがキャンセルの代わりにチームカーでパレード photo:Satoru.Kato

富士山5合目へ向けてスタート富士山5合目へ向けてスタート (c)TOJ
正午にスタートしたレースは、ゴールまで終始濃霧の中。序盤からチーム右京が前に出てペースをコントロール。その後中間地点となる馬返しを前にして、早くもオスカル・プジョル(チーム右京)が前に出てくる。マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)ら他の選手が追従するが、プジョルのペースについていける者はいなかった。

濃霧の富士あざみライン濃霧の富士あざみライン (c)TOJ
プジョルは残り4km地点を過ぎたあたりで後続に20秒以上のリードを築き、さらに差を広げながら登り続ける。最終的には後続に1分22秒もの大差をつけてゴールし、昨年に続く富士山ステージ2連覇を果たした。2位はハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ)、3位は1分58秒差でネイサン・アール(チーム右京)が入った。日本人選手では、西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)が42分50秒、トップから4分差の15位が最高だった。

38分50秒で優勝したオスカル・プジョル(チーム右京)38分50秒で優勝したオスカル・プジョル(チーム右京) photo:Hideaki.Takagi
ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ)が2位ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ)が2位 photo:Satoru.Kato西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)の15位が日本人選手最高位西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)の15位が日本人選手最高位 photo:Satoru.Kato


昨年同様、富士山ステージで総合首位に立ったプジョルは、「富士山は日本にとっても特別だけど、私にとっても特別。」と、富士山ステージについての思い入れを語る。「この富士山ステージのために2.5kgも減量して臨んだ。ここまでリーダージャージのマルコ・カノラ選手は強いので、ここで勝ってもリーダージャージを手に入れられるとは思えなかった。今日のレースもマルコス・ガルシア選手やイランの選手も強かったので、勝てる自信が最初からあった訳ではなかった。それでも悪天候の中応援してくれた人達の前で良いパフォーマンスを見せられて良かった。」

明日の伊豆ステージについは「昨年は伊豆がとても難しいステージだった。でも今年は強いチームを作ってきたし、総合3位にネイサン・アールもいるので、作戦の幅が広がると思う。」と、語った。

個人総合首位に立ったオスカル・プジョル(チーム右京)個人総合首位に立ったオスカル・プジョル(チーム右京) photo:Satoru.Kato新人賞はドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)に移った新人賞はドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ)に移った photo:Satoru.Kato

4賞ジャージでシャンパンファイト4賞ジャージでシャンパンファイト photo:Satoru.Kato
明日は伊豆ステージ。事実上、総合優勝争いをする最後のステージとなる。個人総合3位までが2分以内、5位までが3分以内となっており、かなり絞られたと言えようか。



ツアー・オブ・ジャパン2017第6ステージ富士山 結果
1位 オスカル・プジョル(チーム右京) 38分50秒
2位 ハミッド・ボルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) +1分22秒
3位 ネイサン・アール(チーム右京) +1分58秒
4位 キャメロン・ベイリー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +2分25秒
5位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) +2分29秒
6位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア) +2分51秒
7位 サイード・サファルザーデ(タブリーズ・シャハルダリ) 
8位 ティモシー・ロー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +2分58秒
9位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) +3分4秒
10位 ミルサマ・ポルセイエディコラホール(タブリーズ・シャハルダリ) +3分16秒

個人総合順位
1位 オスカル・プジョル(チーム右京) 13時間10分38秒
2位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) +1分42秒
3位 ネイサン・アール(チーム右京) +1分52秒
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) +2分35秒
5位 ラックラン・ノリス(ユナイテッドヘルスケア) +2分58秒
6位 ティモシー・ロー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +3分8秒
7位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) +3分19秒
8位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) +3分20秒
9位 ミルサマ・ポルセイエディコラホール +3分29秒
10位 イヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +3分33秒

個人総合新人賞
1位 ドメン・ノヴァク(バーレーン・メリダ) 13時間13分57秒

ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 93p
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) 68p
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) 60p

山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 39p
2位 オスカル・プジョル(チーム右京) 15p
3位 ハミッド・ポルハーシェミー(タブリーズ・シャハルダリ) 12p

チーム総合
1位 チーム右京 39時間37分9秒
2位 タブリーズ・シャハルダリ +5分25秒
3位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス +6分24秒