イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)が2010年シーズンのスケジュールを発表。ジロ・デ・イタリアでは再びペッリツォッティとダブルエースを組み、2005年以来の出場となるツール・ド・フランスではチームリーダーを務める予定だ。

久々のジロで総合5位に入ったイヴァン・バッソ(リクイガス)久々のジロで総合5位に入ったイヴァン・バッソ(リクイガス) photo:CorVosドーピング関与による2年間の出場停止処分を経て復活し、自ら「来シーズンに向けた復活のシーズン」と称した2009年を闘い終えたイヴァン・バッソ。ジロとブエルタに挑戦したが、かつての独裁的な力は影を潜めた。

しかしリクイガスチームはバッソへの信頼感を崩していない。来シーズン、バッソは再びチームリーダーとしてジロと出場する。ジロでは今年総合3位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)に次ぐサブエース的な存在ではなく、今年と同じダブルエース体制で3週間の闘いに臨む。

ブエルタに初出場して総合4位に入ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)ブエルタに初出場して総合4位に入ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Unipublicバッソとペッリツォッティのベテラン2人がジロに出場する一方で、ジロと同時期開催のツアー・オブ・カリフォルニアではヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)がエースを務める。ニーバリは同年代のロマン・クロイツィゲル(チェコ)とともにブエルタ・ア・エスパーニャでエースを務める予定だ。

また、バッソは7月のツール・ド・フランスにも出場する。バッソのツール出場は、総合2位に入った2005年以来6度目だ。リクイガスからはバッソ、ペッリツォッティ、ニーバリ、クロイツィゲルというオールラウンダー4名が揃ってツール出場予定であり、マイヨジョーヌ戦線に影響を及ぼす大きな勢力になるだろう。

エーススプリンターのダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)はツールに出場せず、ジロとブエルタに出場し、オーストラリア・メルボルンで開催されるロード世界選手権に照準を合わせる。つまり、リクイガスは完全に総合狙いのチームとしてツールに挑む。リクイガスはイタリア人選手中心のイタリア国内スポンサーによるイタリア登録のチームだが、メンバー構成としてはジロよりツールの比重が高い。

ジャパンカップで2009年シーズンを終えたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)ジャパンカップで2009年シーズンを終えたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Hideaki.TAKAGIかつての輝きを失ったと思われがちなバッソだが、数値的には決してパワーダウンしていない。ガゼッタ紙の中でバッソは、今年のジロ第5ステージアルペ・ディ・シウージの登坂データを公表。それによると、バッソは1時間で標高差1720mを上りきり、6.13watt/kg(体重1kgに対しての出力)をマークした。これは総合優勝を飾った2006年ジロ当時に迫る登坂能力を示している。具体的には、2006年ジロ第16ステージ、独走勝利を飾ったモンテ・ボンドーネ頂上ゴールでマークした6.39watt/kgに近い。

バッソは「現状、この数字を上回っているのはコンタドールだけ」と自信をのぞかせる。コンタドールは今年のツール第15ステージヴェルビエの頂上ゴールで6.73watt/kgをマーク。1時間に換算した標高差は1850mに及んだ。参考までに、ジロ最終日前日のヴェスヴィオ頂上ゴールで優勝したカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)の登坂スピードは、ジロ史上最高の標高差1745m/1時間。サストレは2005年ブエルタで標高差1907m/1時間という記録を打ち立てている。

「まだジロとツールで総合優勝出来る自信がある。来シーズンは出場レースを減らし、慎重に目標を選択したい」と語るバッソのシーズンインは例年より遅め。シーズンデビュー戦は3月22日に開幕するブエルタ・ア・カタルーニャになる予定だ。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Hideaki Takagi, Unipublic

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