ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)第3ステージは山岳ポイントの設定もない平坦基調の118kmコース。混戦となった集団スプリントをヤコブ・マレツコが制し、ウィリエール・トリエスティーナに今大会初勝利をもたらした。



午後からのスタートで気温35度を越える酷暑に見舞われたツール・ド・ランカウイ第3ステージ午後からのスタートで気温35度を越える酷暑に見舞われたツール・ド・ランカウイ第3ステージ photo:SonokoTANAKA


レース前にリラックスした雰囲気を見せる各選手らレース前にリラックスした雰囲気を見せる各選手ら photo:SonokoTANAKAツール・ド・ランカウイ第3ステージはセリダンからパンタイレミスまでをいく118kmと今大会最短距離が引かれた平坦ステージ。金曜日の礼拝の関係から、15時からのスタートだったため連日よりも気温が高く、酷暑に見舞われたレースとなった。

集団コントロールの仕事を果たす2番手に見える小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)集団コントロールの仕事を果たす2番手に見える小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:SonokoTANAKA前日のロングステージ、また翌日には超級山岳を控えたクイーンステージが待ち受けていることもあってプロトンは休憩モード。リアルスタート直後からロー・シーコン(マレーシア、タイコンチネンタルサイクリングチーム)、ステパン・アスタイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)、ドミニク・ペレス(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)の3名が集団から飛び出し、最大で5分以上のタイム差を付ける展開となった。

スプリント勝負を制したのはヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)スプリント勝負を制したのはヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) photo:Le Tour de Langkawi 2017集団はリーダージャージを擁するディメンションデータを中心にコントロール。レース中盤まで逃げを泳がすとその後はゴールスプリントを狙うウィリエール・トリエスティーナやNIPPOヴィーニファンティーニも集団牽引に加わり先頭との差を詰めていった。その中でも集団コントロールのオーダーが下った小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)がラスト4kmまで先頭のローテーションに加わり積極的に前を引く姿が見られた。

ステージ優勝の喜びを分かち合うウィリエール・トリエスティーナのメンバーステージ優勝の喜びを分かち合うウィリエール・トリエスティーナのメンバー photo:Le Tour de Langkawi 2017逃げを吸収した後は各チーム集団スプリントに備え激しいポジション争いに。3人のアシストを受けトレインから発射されたヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)がライバルたちに1車身差を付けて勝利した。3位には地元マレーシアの選手モハド・ザムリサラー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)が入り観衆を大いに沸かせることに。

ツール・ド・ランカウイ第3ステージ 表彰ツール・ド・ランカウイ第3ステージ 表彰 photo:Le Tour de Langkawi 2017昨年に引き続き今大会2度目のステージ優勝に輝いたマレツコは「チーム全体で私をプロトンの先頭までポジションを上げてくれたおかげで、今日はいい形でスプリントすることができた。チームメイトに感謝したい」とコメント。

また、大会初日のスプリント勝負を制し今ステージでも2位に入ったスコット・サンダーランド(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)は「まわりからのチェックが厳しく、思うようなポジションが取れなかった。満足いくスプリントができなかったものの、その中で2位に入れたことは嬉しく思う」と語った。

この日、日本人最高位は黒枝士揮(愛三工業レーシング)の20位。チームとしては個人総合順位18位に付けている早川朋宏の順位アップを狙っていくと言う。総合リーダーはライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)のまま変動はなく、超級山岳キャメロンハイランド山頂フィニッシュが用意された第4ステージでその順位がどう変わってくるかに注目が集まる。



個人総合順位のアップに期待がかかる早川朋宏(愛三工業レーシング)個人総合順位のアップに期待がかかる早川朋宏(愛三工業レーシング) photo:SonokoTANAKA


ツール・ド・ランカウイ2017第3ステージ結果
1位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)         2h48’56”
2位 スコット・サンダーランド(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
3位 モハド・ザムリサラー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4位 ニコラス・マリーニ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
5位 マルコ・ベンファット(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
6位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
8位 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)
9位 タナウット・サニクワティ(タイ、タイコンチネンタルサイクリングチーム)
10位 イザットヒルミ・アブドゥルハリル(マレーシア、サプラサイクリングチーム)

個人総合成績
1位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)            10h48’09”
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)             +03”
3位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)       +11”
4位 アルベルト・チェッキン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
5位 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)        +13”
6位 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)               +16”
7位 クリス・ハーパー(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)    +17”
8位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ウィリエール・トリエスティーナ)
9位 セルゲイ・ブラセンコ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモーターズ)
10位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)

スプリント賞
1位 スコット・サンダーランド(オーストラリア、アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) 27pts
2位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)              26pts
3位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)               26pts

山岳賞
1位 ジョン・エブセン(デンマーク、インフィニットAISサイクリングチーム)         21pts
2位 ロー・シーコン(タイ、タイコンチネンタルサイクリングチーム)            12pts
3位 ダニエル・ハラミーリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)            10pts

text:Yuto.Murata
photo:SonokoTANAKA,Le Tour de Langkawi 2017