シマノ・カンパニョーロに次ぐコンポーネントメーカーとして不動の地位を獲得したスラム。日本国内でも話題を集めるワイヤレスコンポーネント「RED eTap」に、ビックギアに対応したロングケージリアディレイラーが登場した。



スラム RED eTap WiFLi リアディレイラースラム RED eTap WiFLi リアディレイラー (c)インターマックス
2005年にロードレーサー用コンポーネントへの本格参入を果たしたスラム。「ダブルタップ」と名付けられた独自のインターフェースによって、瞬く間にシェアを獲得しその地位を確立。2007年には世界最軽量コンポーネント「RED」発表から数々のワールドツアーチームをサポートし、数々のビッグレースでの勝利を支えてきた。

そして2015年に同社初の電動コンポーネント「RED eTap」を発表し、世界初のワイヤレスコンポーネントととして世界中から注目を集めた。昨シーズンはAG2Rラモンディアールとカチューシャという2つのワールドチームをサポートし、RED eTapも実戦投入。ツール・ド・フランスではロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)の個人総合2位獲得を支え、過酷な環境下にも耐える十分な性能を見せつけてくれた。

RED eTapを使うワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)RED eTapを使うワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVosカチューシャのバイクにも搭載されたRED eTapカチューシャのバイクにも搭載されたRED eTap photo:Makoto,AYANO


しかし、通常のRED eTapリアディレイラーはショートケージのために最大28Tまでしか対応しておらず、サポートを受けるプロ選手らも急勾配の山岳コースでは、ビックギアを使うために機械式のRED22を使用する場面もあった。一般レベルで見ても昨今のヒルクライムブームにより、スプロケットに30T以上のビックギアを用いるサイクリストも増え、それに対応したケージの長いリアディレイラーの需要が高まっている。

そういった要望を叶えるためスラムが提唱するのがWiFLiシステムだ。「Wider」「Faster」「Lighter」の3つの言葉からとったもので、リアディレイラーのケージを長くし、ワイドレンジギアに対応させることで軽いギアを使えるようにしたもの。フロントギアをトリプルにすることなく、リアシフトのギア比幅を広くすることで重量的にも軽く、素早い変速が可能になるというスラムの考えだ。

スラム RED eTap WiFLi 通常モデルとのケージ長の違いスラム RED eTap WiFLi 通常モデルとのケージ長の違い (c)インターマックス
スラムコンポーネントの各グレードにWiFLiが設定されている中、いよいよ登場したRED eTapのWiFLiバージョン。従来と同じく最大32Tまで対応し、ワイドギアレシオの恩恵をRED eTapでも活かせるようになっている。通常モデルとの重量差はわずか4gと小さく、マシンの重量増を気にすることなくインストール可能。11SPEEDにのみ対応し、ケージはカーボン製で、セラミックプーリーがアッセンブルされる。

RED eTap WiFLiはグループセット販売(税抜199,800円)とWiFLiモデルリアディレイラー単体の販売(税抜80,700円)が行われる。取り扱いはインターマックス。

スラム RED eTap WiFLiを搭載したキャニオンスラムレーシングのバイクスラム RED eTap WiFLiを搭載したキャニオンスラムレーシングのバイク (c)SRAM


スラム RED eTap WiFLi
リアディレイラー重量:243g(バッテリー込み)、219g(本体のみ)
(通常モデル重量:239g(バッテリー込み)、215g(本体のみ))
税抜価格:199,800円(グループセット)
     80,700円(リアディレイラーのみ)


最新ニュース(全ジャンル)