最大勾配18%の1級山岳ペーニャ・カバルガでナイロ・キンタナとクリス・フルームが激突。一騎打ちを制し、5年前にプロ初勝利を飾った地で再び勝利したフルームが総合2位に浮上した。



スタート地点は恐竜博物館前スタート地点は恐竜博物館前 photo:TDWsport/Kei Tsuji
ブエルタ・ア・エスパーニャ2016第11ステージブエルタ・ア・エスパーニャ2016第11ステージ image:Unipublicブエルタ・ア・エスパーニャ2016第11ステージブエルタ・ア・エスパーニャ2016第11ステージ image:Unipublic



第11ステージの朝を迎えた新城幸也(ランプレ・メリダ)第11ステージの朝を迎えた新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:TDWsport/Kei Tsujiブエルタ第11ステージはアストゥリアス州のコルンガにある恐竜博物館からスタート。平坦コースの先に激坂が待つブエルタらしいパターンで、フレッシュな選手たちがハイスピードで1級山岳ペーニャ・カバルガ(5.6km/平均9.8%)に突入する。4回目の登場となるペーニャ・カバルガは平均勾配が10%近く、最大勾配が18%に達するパンチの効いた登りだ。

スタートを待つ別府史之(トレック・セガフレード)スタートを待つ別府史之(トレック・セガフレード) photo:TDWsport/Kei Tsuji休息日明けのこの日、スタート直後からアタック合戦が超高速で展開された。ラジオツール(競技無線)がアタックと吸収を慌ただしく告げ続けた末に、レース最初の1時間の平均スピードは49.8km/hをマークする。アップダウンのある幹線道路で形成されたのは、23名の大きな逃げ集団だった。

ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)を含む逃げグループニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)を含む逃げグループ photo:TDWsport/Kei Tsujiティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ)、ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)、ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)といった大物が揃った逃げは順調にタイム差を広げ、モビスターが牽引するメイン集団から5分リードでレース中盤に差し掛かる。

この日も総合に関係しない逃げ切りが確定的と思われたが、ティンコフがモビスターに代わって集団先頭でコントロールを開始するとタイム差は縮小。フィニッシュまで70kmを残した時点でタイム差は3分に。その後もティンコフがペースを落とさず追走を続けたため、残り30km地点でタイム差は早くも1分を切った。

リードを失った逃げグループの中からはジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)やアンヘル・マドラソ(スペイン、カハルーラル)らがそれぞれアタックしたが完全には抜け出せず。残り6kmを切り、1級山岳ペーニャ・カバルガの登り口が近づく頃、メイン集団は逃げのすぐ後ろにまで迫っていた。



大西洋に沿ったアップダウンコースを進む大西洋に沿ったアップダウンコースを進む photo:TDWsport/Kei Tsuji
マイヨロホを着て走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)マイヨロホを着て走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:TDWsport/Kei Tsujiティンコフがメイン集団のペースアップを開始ティンコフがメイン集団のペースアップを開始 photo:TDWsport/Kei Tsuji
サンビセンテ・デ・ラ・バルケラの町を通過するプロトンサンビセンテ・デ・ラ・バルケラの町を通過するプロトン photo:TDWsport/Kei Tsuji


1級山岳ペーニャ・カバルガでペースを上げるモビスター1級山岳ペーニャ・カバルガでペースを上げるモビスター photo:TDWsport/Kei Tsuji逃げグループの中で最後まで抵抗したベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)やヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)も、やがてはモビスターがハイペースを刻むメイン集団に吸収される。ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)が献身的にペースを作って急勾配の登りを進むとメイン集団の人数は瞬く間に絞られていく。

1級山岳ペーニャ・カバルガでアタックしたエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)1級山岳ペーニャ・カバルガでアタックしたエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) photo:TDWsport/Kei Tsuji短い下りと平坦区間を経て、残り2kmから再び登り勾配が牙を向いたところでエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)がアタック。鋭い加速で集団から完全に抜け出したチャベスが15秒ほどのリードを築く。

1級山岳ペーニャ・カバルガを先頭で登るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)1級山岳ペーニャ・カバルガを先頭で登るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:TDWsport/Kei Tsujiメイン集団はレオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)がペースを作り、残り1kmからはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が先頭を引く。大観衆の後押しを受けたチャベスだったが、急勾配の登りにそのリードを失ってしまう。すると、チャベスを視界にとらえた後方の集団からマイヨロホがアタックした。

1級山岳ペーニャ・カバルガでアタックするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)1級山岳ペーニャ・カバルガでアタックするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji残りおよそ700mからのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)のアタックにはすかさずフルームが反応する。マイヨロホ&マイヨコンビナーダの赤白コンビは、追走を試みるアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)をふるい落とし、さらにスピード差をつけて先頭チャベスをパス。登坂力で他を圧倒したキンタナとフルームが一騎打ちを繰り広げることに。

キンタナを振り切ってフィニッシュを目指すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)キンタナを振り切ってフィニッシュを目指すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsujiフルームの加速にもキンタナは遅れず、最終スプリントに向けて互いの出方を探り合いながら残り150m。再び腰を上げて加速し、最終コーナーのイン側を突き進んだフルームが、キンタナを寄せ付けないままフィニッシュラインに飛び込んだ。

2011年にもペーニャ・カバルガでマイヨロホを着る総合リーダー(コーボ)を下してステージ優勝を飾っているフルームは「プロ初勝利を飾った思い出深いこの地で再び勝つことができて素晴らしい気分」と語る。

「現状キンタナはとても強い。リーダージャージを着る彼に迫るため、毎日少しずつタイム差を詰めるしかない。自分は彼からタイムを奪おうとし、彼は自分からタイムを奪おうとする。このライバル関係がレースを面白くさせていると思う」とフルーム。

ボーナスタイム10秒を獲得したフルームはキンタナと54秒差の総合2位に浮上。総合3位バルベルデ以下、他の総合ライバルたちとのタイム差は広がっている。また、献身的な走りを見せながら自身もステージ4位に入ったケーニッヒはコンタドールと1秒差の総合6位に浮上した。

総合リードを守ったキンタナはマイヨロホ、マイヨモンターニャ、マイヨコンビナーダを同時に獲得。連日ステージ上位に絡むバルベルデはマイヨプントス争いで頭一つ抜け出している。



先頭でフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)先頭でフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
1級山岳ペーニャ・カバルガを登る別府史之(トレック・セガフレード)1級山岳ペーニャ・カバルガを登る別府史之(トレック・セガフレード) photo:TDWsport/Kei Tsuji撮影者を発見してボトルを投げる新城幸也(ランプレ・メリダ)撮影者を発見してボトルを投げる新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:TDWsport/Kei Tsuji





ブエルタ・ア・エスパーニャ2016第11ステージ結果
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)              3h44’47”
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)            +06”
4位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)            +08”
6位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)      +13”
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)              +14”
8位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)    +19”
9位 ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアール)        +22”
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)           +30”
11位 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)     +3’03
72位 別府史之(日本、トレック・セガフレード)              +5’55”
75位 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)                 +6’01”

マイヨロホ(個人総合成績)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)             42h21’48”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)                +54”
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)            +1’05”
4位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)    +2’34”
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)            +3’08”
6位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)             +3’09”
7位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)      +3’25”
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)              +3’34”
9位 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)      +3’45”
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)            +3’56”

マイヨプントス(ポイント賞)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)           81pts
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)              62pts
3位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)  60pts

マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)              21pts
2位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)         20pts
3位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)           19pts

マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)              4pts
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)              11pts
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)           15pts

チーム総合成績
1位 モビスター                            126h10’13” 
2位 チームスカイ                             +4’46”
3位 キャノンデール・ドラパック                      +7’32”

敢闘賞
ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ)

text&photo:Kei Tsuji in Santander, Spain
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