8月7日(日)、長野県白馬村において全国ユース選抜マウンテンバイク大会 が開催された。子供たちの大会ながら、学年別にチャンピオンジャージを争う、日本全国の小中学生たちにとってのMTB全日本選手権ともいうべき大会だ。


14〜16歳の選手による男子ユースのスタート。真夏日のなか約1時間の過酷なレースだ14〜16歳の選手による男子ユースのスタート。真夏日のなか約1時間の過酷なレースだ photo:Makoto.AYANO
クリスタル製のトロフィー「JOCジュニアオリンピックカップ」が授与されるクリスタル製のトロフィー「JOCジュニアオリンピックカップ」が授与される photo:Makoto.AYANO「スノーハープ」の愛称をもつ、冬季長野オリンピックのXCスキー種目の会場となった白馬クロスカントリースキー場がレース会場となる今年で15回目を数えるこの大会は、小・中学生にとっての年代別選手権ともいえる大会だ。そして今年から「JOCジュニアオリンピックカップ」となったことで新たなステップを踏む。日本オリンピック委員会の、将来活躍する選手の発掘・育成を図るプログラムのひとつとなったのだ。

太鼓橋の急坂を登る男子ユース(14-16) の集団太鼓橋の急坂を登る男子ユース(14-16) の集団 photo:Makoto.AYANO国際的にもユース・オリンピックが開催されるなど、若年層の競技も活発になってきている昨今。この大会は時期によりユース・オリンピックへの派遣候補選出など重要な役目を担うことになるという。

4年生男子のレースは4.4kmで争われた4年生男子のレースは4.4kmで争われた photo:Makoto.AYANO小学生は学年/性別ごとのクラス分け。そして男子ユース(12‐13中学生、14‐16)、女子ユース(12‐13中学生、14‐16)という年齢・性別のクラス分けで戦われる。

一方で、キッズ補助輪有り・無しランバイククラスなど、未就学児から参加できるクラスを設けてあり、前日のダディ&マムクラスと合わせ親子で楽しめるスタイルも健在だ。

昨年からJCF公認大会となったことで大会の格式が上がったが、今年はさらにJOC大会となったことで将来の選手発掘を目指すことになったのは、もちろん2020年・東京五輪を意識しての流れもあるだろう。

ユースオリンピックの次回の夏季大会は2018年にブエノスアイレスで開催される。マウンテンバイク種目単体での選手派遣は無いが、ロード、トラック、BMXなど自転車競技全般をこなせる選手が選考され、派遣されることになるという。つまりその選考会となるのは来年の大会であり、今年はその準備段階となる。今大会の最高峰クラス「ユース」は男/女14〜16歳のカテゴリーとなる。

そのユース以下、小中学生の学年・性別ごとにもクラスが用意される。各クラスの優勝者にはチャンピオンジャージが提供される。紅白のナショナルチャンピオンジャージではないが、年代別チャンピオンへの栄冠としてふさわしいデザインのカラフルなジャージだ。胸には「National Invitational Youth Mountain bike HAKUBA」の文字が入り、背面には「Coupe du Japon MTB」のロゴと、袖には日の丸とJCFのロゴ、白馬のゆるキャラ「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世」があしらわれる。

男女ユースレポート

リードした昨年の男子ユースU15の覇者山口創平(ProRide)だったが熱中症気味でペースを落とすリードした昨年の男子ユースU15の覇者山口創平(ProRide)だったが熱中症気味でペースを落とす photo:Makoto.AYANO過酷な真夏日となった白馬。距離:4.4Kmコースを4周で争われた注目の男子ユースは、昨年の男子ユースU15の覇者山口創平(ProRide)が鮮やかなスタートアタックを決めた。優勝候補筆頭の山口のリードが2周目まで続くが、追い上げた村上功太郎(愛媛県 こけむしろ)とのランデブーに。

ラダーセクションを行く村上功太郎(愛媛県 こけむしろ)ラダーセクションを行く村上功太郎(愛媛県 こけむしろ) photo:Makoto.AYANO2周め中盤に村上が前に出て、シングルトラックの上りに入ったところで山口がミスして足を着いた隙に引き離す。高温下のレースに山口は熱中症気味で、フィードゾーンでは停まって水を被って再び走りだすも、精彩を欠き後退した。高温下での約1時間のレースは非常に過酷なものになった。

普段はロードレースを走る村上がトップでフィニッシュし優勝。40位で終えたインターハイを終えてすぐの参戦で疲れを溜めていたが好調で臨んだという。なお村上の弟・裕二郎も男子ユース(12-13) で優勝を飾っており、兄弟でのユース2部門制覇となった。2位は神永真一(大阪府 ProRide)、3位は伊藤旭(熊本県 九州学院高等学校)。

村上功太郎のコメント「ミスをしないように冷静に走ることができてよかった。テクニカルなセクション、とくにシングルトラックが得意なので今年のコースは有利だなと思っていました。ロードで平坦のスピードや持久力をつけつつ、MTBでテクニックを磨く。両方の競技にそれぞれ活かせる部分があるので、ふたつを同じバランスで両立していこうと思っています」。

男子ユース14-16を制した村上功太郎(愛媛県 こけむしろ)男子ユース14-16を制した村上功太郎(愛媛県 こけむしろ) photo:Makoto.AYANO男子ユース(14-16) 村上 功太郎(愛媛県 こけむしろ)が優勝男子ユース(14-16) 村上 功太郎(愛媛県 こけむしろ)が優勝 photo:Makoto.AYANO


女子は昨年の女子ユースU17で優勝した小林あか里(MTBクラブ安曇野)が優勝候補だったが、男子と混走のレースで発生した落車に巻き込まれた小林は転倒。再び走りだすまでのロスとサドルが曲がったまま走ることに。同じく落車の影響を受けた昨年2位の川口うらら(兵庫県 sonic-racing)が先頭に立ち、冷静にペースを刻んだ。川口は2位小林に2分46秒の大差をつけてフィニッシュ。

女子ユース(14-16)でトップに踊りでた川口 うらら(兵庫県 sonic-racing)女子ユース(14-16)でトップに踊りでた川口 うらら(兵庫県 sonic-racing) photo:Makoto.AYANO女子ユース(14-16) 表彰 川口 うらら(兵庫県 sonic-racing)が優勝女子ユース(14-16) 表彰 川口 うらら(兵庫県 sonic-racing)が優勝 photo:Makoto.AYANO


川口うららのコメント「途中でチェーン外れもあって焦りましたが、冷静に直すことが出来て走り切れました。まず全日本選手権のために練習を積んでいたんですがそれが発揮できず、でも今日まで好調を維持できたのが良かった。小学校高学年まで白馬の大会には出ていたんですがバスケに打ち込むことにしたのでMTBを一旦離れましたが、また高校生でやりたくなって、今は両立目指しています」。

JOCジュニアオリンピックカップを手にした村上功太郎(愛媛県 こけむしろ)と川口 うらら(兵庫県 sonic-racing)JOCジュニアオリンピックカップを手にした村上功太郎(愛媛県 こけむしろ)と川口 うらら(兵庫県 sonic-racing) photo:Makoto.AYANO
男子ユースは村上功太郎、女子ユースは川口うららがそれぞれチャンピオンに輝いた。二人にはクリスタル製のJOCカップトロフィーが授与された。このトロフィーもユース五輪の各大会共通のものとのことだ。

男子ユース(12-13)は鈴木皓士(山梨県 ProRide)を交わした村上裕二郎(愛媛県 こけむしろ)が優勝男子ユース(12-13)は鈴木皓士(山梨県 ProRide)を交わした村上裕二郎(愛媛県 こけむしろ)が優勝 photo:Makoto.AYANO女子ユース(12-13)を制した渡部春雅(神奈川県 GIANT港北Liv)女子ユース(12-13)を制した渡部春雅(神奈川県 GIANT港北Liv) photo:Makoto.AYANO


小学生たちの熱戦
小学6年生のスタート小学6年生のスタート photo:Makoto.AYANO

小学6年生クラスで優勝し、4・5・6年生で3連覇を達成した綾野 尋(埼玉県 所沢市立山口小学校)小学6年生クラスで優勝し、4・5・6年生で3連覇を達成した綾野 尋(埼玉県 所沢市立山口小学校) photo:Makoto.AYANO6年生女子を制して4連覇した中島 瞳(埼玉県 川越市立霞ヶ関東小学校)6年生女子を制して4連覇した中島 瞳(埼玉県 川越市立霞ヶ関東小学校) photo:Makoto.AYANO


午後の部は小学生の各クラス、1年から6年生まで、男女それぞれのクラスで熱戦が展開された。前年度の小中学生大会の順位は参考としてスタートリストにも記され、年越しの連覇のかかる選手も多い。レースは学年ごとのテクニックレベルに応じるべく、細かくコースが変更されて開催された。各クラスの熱戦の模様はここでは書ききれないが、各学年でチャンピオンが誕生した。

小学5年生を制し、2・3・4・5年生で4連覇を達成した遠藤 紘介(岡山県 岡山大学教育学部附属小学校)小学5年生を制し、2・3・4・5年生で4連覇を達成した遠藤 紘介(岡山県 岡山大学教育学部附属小学校) photo:Makoto.AYANO5年生女子を制した久保千夏(北海道 砂川市立中央小学校)5年生女子を制した久保千夏(北海道 砂川市立中央小学校) photo:Makoto.AYANO


4年生男子を制した遠藤弓弦(千葉県 富津市立環小学校)4年生男子を制した遠藤弓弦(千葉県 富津市立環小学校) photo:Makoto.AYANO4年生女子を制して昨年に続き連覇した原 あさひ(長野県白馬村立白馬南小学校)4年生女子を制して昨年に続き連覇した原 あさひ(長野県白馬村立白馬南小学校) photo:Makoto.AYANO


3年生男子を制した野嵜然新(東京都 調布市立多摩川小学校)3年生男子を制した野嵜然新(東京都 調布市立多摩川小学校) photo:Makoto.AYANO3年生女子優勝は原 つばさ(長野県 白馬村立白馬南小学校 )。昨年に続き連覇だ3年生女子優勝は原 つばさ(長野県 白馬村立白馬南小学校 )。昨年に続き連覇だ photo:Makoto.AYANO


2年生男子で優勝した中仙道 侑毅(埼玉県 上尾市立大谷小学校)2年生男子で優勝した中仙道 侑毅(埼玉県 上尾市立大谷小学校) photo:Makoto.AYANO2年生女子で優勝した日吉彩華(愛知県 愛知県豊明市立栄小学校)2年生女子で優勝した日吉彩華(愛知県 愛知県豊明市立栄小学校) photo:Makoto.AYANO


1年生男子で優勝した野嵜 一晴(東京都 調布市立多摩川小学校)1年生男子で優勝した野嵜 一晴(東京都 調布市立多摩川小学校) photo:Makoto.AYANO1年生女子で優勝した坂口奈津実(福岡県 北九州市立沼小学校)1年生女子で優勝した坂口奈津実(福岡県 北九州市立沼小学校) photo:Makoto.AYANO


小学生の各クラスの勝者たちがチャンピオンジャージをまとう小学生の各クラスの勝者たちがチャンピオンジャージをまとう photo:Makoto.AYANO

キッズ向けトレーニングスクールも開催

キッズクラスも講師ライダーの先導試走つきで開催されたキッズクラスも講師ライダーの先導試走つきで開催された photo:Makoto.AYANO2日間開催の初日、土曜日には大会参加の保護者向けに「ダディ」(男性)、マム(女性)、そして一般の人に体験してもらうことを目的とした「男女オープン」が開催された。子供の引率やクラブ員などが楽しむ種目として用意されているのだ。

そして小学生向けにはMTBインストラクターや国内トップの選手が講師をつとめる「トレーニング・スクール」が開催。子供たちは誰でも無料参加することができる。今年の講師陣は、小笠原崇裕、松尾純(BIKE RANCH)、恩田 祐一(BH SR SUNTOUR)、松本駿(チームスコット)、丸山八智代(スペシャライズド)、今田大三(国際アウトドア専門学校講師)、平林安里(SPECIALIZED)、山田将輝(BH SR SUNTOUR)
竹内遼(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)さんら。この日は半日の体験プログラムだが、この日までの1週間でMTBサマーキャンプ in 白馬も開催されており、夏休みをこの白馬で過ごした子供たちはその締めくくりの力試しとしてこの日を迎えている。

またユース競技者向けにはナショナルチームコーチによるトレーニングセッションが開催。ほかに特別講習会として沖コースケ氏による「レースメカニック講座や、土谷大輔氏による「コンディショニング講習」 なども開催。子供の将来を夢見る父兄たちが学べるプログラムも用意された。

リザルト
男子ユース(14-16) 17.60Km
1 村上 功太郎 愛媛県 こけむしろ 0:56:44.2
2 神永 真一 大阪府 ProRide 0:57:21.22
3 伊藤 旭 熊本県 九州学院高等学校 0:57:36.41

女子ユース(14-16) 8.80Km
1 川口 うらら 兵庫県 sonic-racing 0:32:31.42
2 小林 あか里 長野県 MTBクラブ安曇野 0:35:14.54
3 松本 璃奈 長野県 Mashun Racing 0:39:52.41

男子ユース(12-13) 8.80Km
1 村上 裕二郎 愛媛県 こけむしろ 0:30:19.69
2 鈴木 皓士 山梨県 ProRide 0:31:30.30
3 山下 柊 北海道 TEAM BG8 0:31:49.66

女子ユース(12-13) 4.40Km
1 渡部 春雅 神奈川県 GIANT港北Liv 0:15:20.63
2 大蔵 こころ 長野県 駒ヶ根市立赤穂中学校0:18:24.04
3 福永 真海 熊本県 Q-shu union 0:23:04.66

6年生男子 6.00Km
1 綾野 尋 埼玉県 所沢市立山口小学校 0:17:24.06
2 小西 蒼希 東京都 三鷹市立第七小学校 0:17:29.37
3 柚木 伸元 三重県 四日市市立泊山小学校 0:17:30.18

6年生女子 6.00Km
1 中島 瞳 埼玉県 川越市立霞ヶ関東小学校 0:18:41.36
2 光永 寛菜 神奈川県 横浜市立荏子田小学校 0:19:51.18
3 江澤 彩夏 長野県安 曇野市立穂高北小学校 0:20:06.87

5年生 男子 6.00Km
1 遠藤 紘介 岡山県 岡山大学教育学部附属小学校 0:17:04.18
2 嶋崎 亮我 東京都 八王子市立弐分方小学校 0:17:48.37
3 高橋 翔 東京都 西東京市立東小学校 0:18:37.71

5年生 女子 6.00Km
1 久保 千夏 北海道 砂川市立中央小学校 0:20:17.56
2 中嶋 理央 北海道 砂川市立中央小学校 0:20:19.88
3 日吉 愛華 愛知県 愛知県豊明市立栄小学校 0:21:21.37

4年生 男子 4.40Km
1 遠藤 弓弦 千葉県 富津市立環小学校 0:15:50.55
2 山田 愛太 長野県 白馬村立白馬北小学校 0:16:08.55
3 坂口 竣亮 福岡県 北九州市立沼小学校 0:16:18.22

4年生 女子 4.40Km
1 原 あさひ 長野県 白馬村立白馬南小学校 0:19:47.62
2 長島 梨邑 千葉県 鎌ヶ谷市立南部小学校 0:20:54.65
3 吉川 陽菜 長野県 白馬村立白馬南小学校 0:22:48.51

3年生 男子 4.40Km
1 野嵜 然新 東京都 調布市立多摩川小学校 0:16:48.16
2 飯塚 嵐 東京都 江戸川区立春江小学校 0:17:14.46
3 松永 陽向 熊本県 熊本市立池田小学校 0:17:23.40

3年生 女子 4.40Km
1 原 つばさ 長野県 白馬村立白馬南小学校 0:22:22.17
2 伊藤 桃奈 千葉県 松戸市立東松戸小学校 0:22:40.77
3 Ellie Coomber 長野県 白馬村立白馬北小学校 0:27:56.17

2年生 男子 4.00Km
1 中仙道 侑毅 埼玉県 上尾市立大谷小学校 0:14:41.75
2 佐竹 清亮 千葉県 浦安市立入船小学校 0:14:50.39
3 陳内 孝侑 北海道 砂川市立砂川小学校 0:15:20.04

2年生 女子 4.00Km
1 日吉 彩華 愛知県 愛知県豊明市立栄小学校 0:17:22.19
2 小林 碧 茨城県 つくば市立栄小学校 0:18:11.71
3 村田 百々子 埼玉県 ふじみ野市立大井小学校 0:19:48.47

1年生 男子 2.00Km
1 野嵜 一晴 東京都 調布市立多摩川小学校 0:08:19.31
2 田中 遼介 岡山県 赤磐市立山陽北小学校 0:08:46.19
3 高嶋 祐太 北海道 滝川市立東小学校 0:09:49.35

1年生 女子 2.00Km
1 坂口 奈津実 福岡県 北九州市立沼小学校 0:08:52.84
2 関 真凛 埼玉県 所沢市立明峰小学校 0:10:00.73
3 吉川 和花 長野県 白馬村立白馬南小学校 0:11:16.44

キッズA 男子 1.00Km
1 近藤 虎流 長野県 さくら保育園 0:02:37.69
2 村田 英彰 埼玉県 ふじみ野市緑保育園 0:02:39.67
3 郷津 輝 東京都 聖明幼稚園 0:02:43.19

キッズA 女子 1.00Km
1 竹中 珠央 京都府 夢窓幼稚園 0:02:35.16
2 原 みらい 長野県 白馬村立しろうま保育園 0:03:18.59
3 堀 翠月 長野県 白馬村立しろうま保育園 0:03:25.60

キッズB 0.60Km
1 飯島 大也 福島県 あさひ保育園 0:01:31.86
2 布施 璃人 神奈川県 0:01:33.21
3 瀬戸山 紀介 三重県 藤幼稚園 0:01:36.90

テクニカルデータ
距離:4.4Km
獲得標高:99m
スタート&ゴール:768m
最高地点:809m

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photo&text:Makoto.AYANO
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