新城幸也がブエルタ・ア・エスパーニャとエネコツアーに出場すると発表された。また、ツール・ド・フランス第1ステージの落車より痛みを感じ続けてたという親指は骨折していたと判明。リオ五輪レース後のコメントとあわせてTeamユキヤ通信より紹介する。



集団内を走る新城幸也集団内を走る新城幸也 (c)bettini
リオオリンピックのオープニング競技となった男子ロードレースは、リオデジャネイロ市南東部のリゾート海岸コパカバーナをスタート。海岸線を西へと進み、1周24.7km、途中1.3km、平均斜度9.4%最大斜度17%という登りが現れるグルマリ周回を4周した後、1周25.5km、途中2.1km、平均斜度6.8%のグロータ・フンダに山岳ポイントが設けられる周回を3周。さらに2kmにわたるパヴェ(石畳)区間を含むというアップダウンを繰り返すテクニカルかつタフなコースレイアウトで行われた。

序盤8名の有力選手たちが逃げる展開でレースは進むが、最初の周回に入ると強豪国が動き、登りの度にペースアップを繰り返し、メイン集団から脱落していく選手が続出。パヴェ区間でのマシントラブルやテクニカルな下りでの落車などが相次ぎ、日本代表の内間選手も落車とパヴェ区間でのマシントラブルで途中リタイアを強いられる。

内間康平と共にリオ五輪に挑んだ新城幸也内間康平と共にリオ五輪に挑んだ新城幸也 (c)bettini[img_assist|nid=207722|title=ツール・ド・フランス第1ステージで負傷した親指は粉砕骨折していたことが判明した|desc=|link=node|align=right|width=360|height=]生き残りをかける選手たちはさらにペースアップし、ライバル選手たちをふるい落としていく展開に。最終的には144人の出走選手中、完走は63名というサバイバルレースとなった。新城は残り20kmまで30人足らずのメイン集団に残るが、最後の周回で遅れ、優勝したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)から9分38秒遅れの27位でフィニッシュ。

レース後の新城は「悔しい。そして申し訳ない思いです。本当に良い日本チームだった。内間は完璧にアシストしてくれたし、完全に自分の力不足で残り20km集団から遅れたので、ゴールに向かう間は悔しさしかありませんでした。ケガした僕を選んでくれた浅田監督始め、スタートラインに立つまでずっと自分をサポートしてくれた人たちの期待に応えられなかったのはとても残念です。今日から4年間でもっと強くなってリベンジしたい。4年後そのチャンスをもらえる選手で居続けるために、これからも頑張ります。」と語る。

レースから一夜明けた新城は、選手村に設置されている施設を利用し、ツール・ド・フランスの第1ステージで落車し負傷して以来、ずっと痛みを感じていた左親指のレントゲン検査を行った。その結果、親指先端を粉砕骨折していたことが判明。

「突き指にしては痛みが引かないので、おかしいと思っていた。もし、ツール中に骨折だと知ったら、走りがもっと消極的になってしまっていたと思うし、逃げて敢闘賞を取ることもなかった。知らなくて良いこともあるのかも(笑)」と、本人にとっては深刻な怪我ではないようだ。
 
今後の新城は9日、フランスの自宅に帰宅し、14日には自身優勝経験もあるプロクリテ(※)クリテリウム・ドゥ・キアンに出場する。その後は8月20日〜9月11日に開催されるヴエルタ・ア・エスパーニャと、9月18日〜25日のエネコツアーに出場予定だ。
 
※ツールで活躍した選手やUCIプロチームから毎年様々なスター選手が招待され、繁華街に設定された短い周回を使用して行うクリテリウムレース。この時期のフランスでは各地で開催されるフランスの夏の風物詩とも言えるお祭りムードで選手と観客が身近に触れられるファン感謝レース。相撲の巡業のようなもの。


text:Miwa.Iijima

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