5日に開幕したリオオリンピック。その翌日に行われた男子ロードレースを制したのはグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)。新城幸也は27位、内間康平は落車の影響でリタイアとなった。



237kmというロングコースで行われたリオオリンピック男子ロードレース。リオデジャネイロ南東部に位置する風光明媚なリゾート地、コパカバーナ海岸のスタートには144人が轡を並べた。日本からは新城幸也と内間康平の2人が出場した。

東西方向へと伸びたコースは変則的な周回コースとなっている。まず、スタートした集団は海岸線を西へと進み、1周24.7kmのグルマリ周回コースを4周する。そして、海岸沿いを再び戻り、25.5kmのヴィスタ・チネサ周回コースを3周する。

スタート前のオランダチームスタート前のオランダチーム (c)CorVosフルームを中心に揃ったイギリスチームフルームを中心に揃ったイギリスチーム (c)CorVos
コパカバーナ海岸をスタートしていくコパカバーナ海岸をスタートしていく (c)CorVos
グルマリには1.3km、平均斜度9.4%最大斜度17%というグルマリと、2.1km、平均斜度6.8%のグロータ・フンダという二つのKOMが設けられる、2kmにわたるパヴェが現れるテクニカルでクラシックライクなコースレイアウト。

一方の勝負どころとなるヴィスタチネサには9km、平均斜度6.2%のヒルクライムが用意されており、総合力が問われるレイアウトとされた。

クヴィアトコウスキーを筆頭に果敢に逃げ続けた6名クヴィアトコウスキーを筆頭に果敢に逃げ続けた6名 (c)CorVosこの逃げはヴィスタチネサまで逃げ続けたこの逃げはヴィスタチネサまで逃げ続けた (c)CorVosトニ・マルティン(ドイツ)が集団内で走るトニ・マルティン(ドイツ)が集団内で走る (c)CorVosグルマリへと向かう海岸沿いで、この日最初の逃げが決まる。6名のエスケープを構成するのは、ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア)ミハエル・アルバジーニ(スイス)、パヴェル・コチェトコフ(ロシア)、サイモン・ゲシュケ(ドイツ)、スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー)、ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)という強力な布陣。

グルマリへと向けて一気にタイム差を広げる逃げ集団は、最大で約8分のアドバンテージを築いた。メイン集団はホアキン・ロドリゲスのスペインや、ファビオ・アル率いるイタリアがコントロールし、徐々にタイム差を縮めていく。

しかし、メイン集団はパヴェでトラブルが起きる選手が続出。優勝候補の一角であるリッチー・ポート(オーストラリア)を筆頭にファビオ・アルやバウク・モレマ(オランダ)、アダム・イェーツ(イギリス)らが路肩に寄って機材を交換する姿が見られた。

5分程度を保っていたタイムギャップだが、グルマリの最終周回の石畳区間でゼネク・スティバル(チェコ)を中心としたチェコ勢がペースアップ。15名程度の追走集団ができ、イアン・スタナード(イギリス)が強力に牽引するも、吸収することはできずメイン集団に飲み込まれることとなった。

レースは、後半の山場となるヴィスタチネサへと舞台を移す。最初の登りに残っていたのはパンタノ、コチェトコフ、ゲシュケ、クヴィアトコウスキーの4名。しかし、先頭のクヴィアトコウスキーのペースについてくことができず、パンタノとゲシュケが脱落。後方のメイン集団はイタリアが中心となってペースメイクをする。一方、内間康平が落車に巻きこまれてしまい集団復帰は絶望的に。

美しい海岸線を走り抜ける美しい海岸線を走り抜ける (c)CorVos
積極的な動きを見せたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)積極的な動きを見せたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア) (c)CorVos勝負に絡めなかったクリス・フルーム(イギリス)勝負に絡めなかったクリス・フルーム(イギリス) (c)CorVosメイン集団でも激しい攻防が繰り広げられる。ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)のアタックによって、追走集団が形成される。ゲラント・トーマス(イギリス)、レイン・ターラマエ(エストニア)、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)、そしてファンアフェルマートらが、残り45km地点で逃げを吸収。アンドレイ・ゼイツ(カザフスタン)も先頭集団へ合流を果たした。

2周目の下りに入るとアルとヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)、そしてラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)、ヤコブ・フグルサング(デンマーク)、イェーツらが更なる追走集団を形成し、ブリッジに成功する。一方で、ポートがネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)と絡み落車。トラブルに見舞われ続けたポートはリタイアすることに。

そして、最終周回。勝負所となるヴィスタチネサの登りで最初に動いたのはアル。そのアタックを皮切りに、先頭はペースアップ。ニーバリが積極的にペースを上げていく動きに、イェーツが脱落。そして、イタリアの攻撃に後手に回っていたスペインだが、ロドリゲスがルイス・マインティーズ(南アフリカ)と共に先頭集団へと合流を果たし、勝負へと絡むことができる体制を作り上げた。先頭へと追い付こうとするフルームをパスしてきたジュリアン・アラフィリップ(フランス)も合流を果たす。

急勾配区間で再びニーバリが仕掛けるとエナオモントーヤが反応、2人で抜け出したところにマイカが合流する。ニーバリが独走へと持ち込もうと試みるが、振り切ることはできず。そのまま下りへと入る。モトカメラを振り切るほどの高速ダウンヒルをこなす3人がこのままメダルを受け取るかと思われたが、ニーバリとエナオモントーヤがまさかのクラッシュ。1人難を逃れたマイカが、ゴールへの平坦区間を突き進む。

スプリント争いを制したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)スプリント争いを制したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー) (c)CorVos
ファンアフェルマートを中心に、メダリストたちファンアフェルマートを中心に、メダリストたち (c)CorVos喜びを爆発させるファンアフェルマート喜びを爆発させるファンアフェルマート (c)CorVos


残り8kmで20秒差の単独エスケープ。全開で逃げるマイカを追う集団が残り5km地点で牽制気味になった隙を見計らってフグルサングがアタック。ここに反応できたのはファンアフェルマートのみ。長いストレートでマイカの姿をとらえた2人は完全に協調体制を築きあげ、タイム差を削っていく。残り1.4kmを残してマイカを吸収、再び先頭は3名となった。

ラスト200mで番手からしかけたファンアフェルマート。追いすがるフグルサングを突き放し、先頭でフィニッシュラインを通過。逃げ続けたマイカは、スプリントに参加せず、3位でレースを終えた。ヴィネタチネサの3周目までをメイン集団でこなした新城は、9分38秒遅れの27位に。半数以上がリタイアとなったサバイバルレースをしっかりと完走した。

リオデジャネイロオリンピック2016男子ロードレース結果
1位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー) 6h10'5"
2位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク)
3位 ラファル・マイカ(ポーランド)        +5”
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス)    +22”
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
6位 ファビオ・アル(イタリア)
7位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ)
8位 アンドレイ・ゼイツ(カザフスタン)      +25”
9位 タネル・カングート(エストニア)       +1'47"
10位 ルイ・コスタ(ポルトガル)          +2'29"
27位 新城幸也(日本)               +9’38”






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