雨によって落車が多発したツール第19ステージ。ステージ優勝を飾ったロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)や、落車しながらもマイヨジョーヌを守ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)らのコメントをお届けします。



ステージ優勝を飾ったロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)

独走に持ち込んだロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)独走に持ち込んだロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:TDWsport/Kei Tsuji作戦を立てていたわけではなく、本能のままにアタックした。ミカエル・シュレルの『下りで抜け出そう!』という言葉に従ったんだ。フィニッシュラインまでの独走中は感情が湧き上がってきたよ。沿道の観客を眺めながら、彼らと感情を共有しながら走った。選手も血の通った人間であり、感情に突き動かされる。今日は計算なんてせずに感情に任せて走った。

後ろで何が起こったのか分からなかったけど、終わってみれば総合2位までジャンプアップ。キンタナから16秒リードしていることは、16秒のビハインドよりずっといい。明日のジュープラーヌでは何でも起こり得る。総合表彰台の座を守りきりたい。守ることができたらどれだけ素晴らしいことかと思う。

独走でフィニッシュするロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)独走でフィニッシュするロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:TDWsport/Kei Tsuji
ステージ2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

23秒遅れでフィニッシュするホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ら23秒遅れでフィニッシュするホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ら photo:TDWsport/Kei Tsuji混沌としたレースだった。濡れたコースで多くの選手が落車。ドライなステージが続いていたので、余計に路面がスリッピーになっているように感じた。観客の声援が大きくて無線も聞こえなかった。残り100mの大型スクリーンでバルデが勝ったことを確認。スクリーンを見ていなければ勘違いして両手を上げているところだった。

最終日まで集中力を保つ必要が有る。小さなミスで総合表彰台を逃したモレマのように、最後まで何が起こるか分からない。フルームがもっと大きなタイムを失う可能性だってあった。結果的にフルームの落車の直後にバルデがアタックしたけど、その行動を咎めることはできない。フルームはリスクを承知で下りを攻め、ライバルたちを引き離そうとしていた。

落車しながらも総合首位を守ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

スタッフに連れられて表彰台に向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)スタッフに連れられて表彰台に向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji落車などのトラブルのリスクを避けるために集団前方で走り続けていた。でも下りのコーナーで白線に乗ってしまい、前輪を滑らせて落車。幸い落車による大きなダメージはない。背中に擦過傷を負って、膝を軽く打った程度で済んだ。こういったトラブルが起こるから4分のアドバンテージは心強い。

今日のようなステージではチームメイトの存在が大きい。彼らは最後の最後まで一緒に走ってくれた。落車の後はゲラント・トーマスのバイクで走り、ワウト・ポエルスがフィニッシュまで連れていってくれた。パリのフィニッシュラインにたどり着くまでツールは何が起こるか分からないということを再確認した。明日は落車の影響があるかもしれないけど、最後の力を振り絞って戦いたい。

総合3位に浮上したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

今日こうしてフィニッシュにたどり着けたことは奇跡のようだ。相変わらず身体の動きは鈍く、今日は走りの感触がとても悪かった。リタイアという言葉が脳裏によぎるほど調子が悪かった。前半の山岳から苦しんだものの、チームメイトのおかげでポジションを守り、総合3位まで順位を上げることができた。戦い続けることの重要さを学んだよ。

総合3位から4位にダウンしたアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)

超級山岳モンテ・ド・ビザンヌで苦しみ始め、なんとかライバルたちに食らいついたものの、最後の登りでタイムを失ってしまった。今年のツール・ド・フランスで自分にとって最初のバッドデーだった。

開幕の時点では総合成績について考えていなかったのに、2ステージを残して総合4位、そしてマイヨブランを着ている。そんなに悪い結果ではない。マイヨブランを着てパリに凱旋するのが今の最大の目標だ。マインティーズからタイムを失ったものの、あと1日耐えてしのぎたい。

ステージ6位、総合6位ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

アタックを仕掛けるファビオ・アル(イタリア、アスタナ)アタックを仕掛けるファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:TDWsport/Kei Tsuji逃げグループが大きなタイム差を築かないように、アスタナは序盤からメイン集団を積極的に率いた。最後はフィニッシュラインまで2kmを残してアタック。ステージ2位に入って総合ライバルたちからタイムを奪うことができると思ったけど、リードは広がらず、逆に残り600mで追い抜かれてしまった。

ステージ優勝を狙っていたので今日の走りには納得していない。でも重要なのは今日よりも明日。良い形でツールを締めくくりたいと思う。

マイヨブランのイェーツとのタイム差を詰めたルイス・マインティーズ(南アフリカ、ランプレ・メリダ)

毎日考えられる範囲での最高のパフォーマンスを目指している。脚の調子はとても良く、おかげで良い成績を残すことができた。コンディションは安定しているし、良いスピードで登りを走ることもできた。下りでの落車にも巻き込まれずに済んだし、満足の結果だ。

落車しながらも登りでアタックしたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)

落車したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が集団復帰を目指す落車したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が集団復帰を目指す photo:TDWsport/Kei Tsuji他の選手たちと同様に下りで落車してしまった。少し擦過傷を負ったけど、幸い大きな怪我はない。落車はレースにつきものだ。チームのおかげで集団に復帰できたし、そこから登りで素晴らしい働きをしてくれた。

ハードな1日の締めくくりは混沌としていた。登りのコーナーも滑りやすくて危険な状態だった。落車したことを考えると良い走りだったと思う。今日は今日、明日は明日。明日も雨の予報が出ているのでどうなるか分からない。

山岳賞獲得を確定させたラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)

マイヨアポワをほぼ確実なものにしたラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)マイヨアポワをほぼ確実なものにしたラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) photo:TDWsport/Kei Tsuji計算上、デヘントを逃すわけにはいかなかった。最初の2つのカテゴリー山岳は先行されてしまったけど、ペースが上がった超級山岳で彼が脱落。そこで山岳ポイントをしっかり稼ぐことができた。一緒に逃げたロベルト・キセロフスキーには助けられたよ。

下りでフルームとニーバリが落車したのを目の当たりにして、自分はリスクを負わずに安全に走ることに徹した。10日前の落車からようやく回復したところなのでゆっくりと走った。今年のツールは前半から不運に見舞われてアルベルト(コンタドール)を失ってしまったけど、チームは山岳賞ジャージとポイント賞ジャージをキープ。諦めずに戦い続けた甲斐があった。

落車でチャンスを失ったピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)

トゥールマレー峠の落車で総合争いを諦めてから、ステージ優勝を目標にしてここまで戦ってきた。でも今日は下りの濡れたコーナーでクラッシュ。ブレーキする時間もなく、前後輪が同時に滑り始めた。ショックを受けてしばらく立ち上がれなかったけど、気を取り戻して再スタート。しっかりとパリまで戦い抜きたい。

落車で総合10位にダウンしたバウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

4分26秒遅れたバウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)4分26秒遅れたバウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:TDWsport/Kei Tsujiタイヤを滑らせて落車した。すぐに再スタートしたけど、メイン集団とのタイム差を詰め切ることができずに最後の登坂が始まってしまった。ピーター・ステティーナが平坦区間で前を引いてくれたけど、登りで20秒差を挽回するのは不可能だった。

フルームにバイクを渡したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

落車したフルームが「バイクが必要だ」と言ったのでバイクを渡した。フルームが再スタートしてからチームカーを待っていると、目の前をチームカーが素通り。でも数百メートル先でチームカーが止まったので、フィニッシュまでランニングせずに済んだ。

text:Kei Tsuji
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