ジャパンカップ前日にあたる9月24日(土)、宇都宮市内オリオンスクエアにてオープニングイベントが催された。子ども自転車教室からライブ、豪華な顔ぶれの並ぶトークショー、そしてジャパンカップに参加するトッププロのチームプレゼンテーションまで、詰めかけた大勢のファンは翌日のレースへ向けて多いに盛り上がった。

ウイーラースクール イン 宇都宮(子ども自転車教室)

オープニングイベントの口火を切るのは全国各地で開催されている子ども自転車教室のウィーラースクール。宇都宮市付近の子どもたち約30人が集まり、講師のブラッキー中島さんの指導のもと、自転車の本場ベルギーの自転車教育を体験した。

オリオンスクエア内に設けられたスペースでは、自転車は車道の左側を走ることやヘルメットの重要性などのレクチャーに続き、15cm幅をはみ出さないように走行したり、一本橋、スラロームなど実技を楽しむ子どもたちの姿が見られた。

ブリッツェン宇都宮の廣瀬・中山両選手が特別講師を務めたウィーラースクールブリッツェン宇都宮の廣瀬・中山両選手が特別講師を務めたウィーラースクール photo:Yufta Omata子どもが楽しみながら自転車を学べるウィーラースクール子どもが楽しみながら自転車を学べるウィーラースクール photo:Yufta Omata


特別講師としてブリッツェン宇都宮の廣瀬佳正選手と中山卓士選手が加わり、指導もスペシャルなウィーラースクールとなった。スクールを終えた子どもたちの満足そうな笑顔から、この自転車教室は大成功だったと言えるだろう。将来のジャパンカップ選手がここから生まれるかも?

i-nosミニライブ

宇都宮ブリッツェンの公式応援ソングを歌うサウンドユニットi-nos(アイノス)のミニライブが続いて行われた。「優しさのなかにある強さ」をコンセプトに生み出される楽曲は、メロディアスで聴衆の心に響いたに違いない。

ボーカルの綾(リョウ)さんの「一緒に選手たちに声援を送りましょう!」の言葉からもわかるように、ブリッツェンの応援だけでなく、ジャパンカップに参加する全ての選手へのエールに美しい歌声がオリオンスクエアに響き渡った。

サウンドユニットi-nos(アイノス)がミニライブでジャパンカップを応援サウンドユニットi-nos(アイノス)がミニライブでジャパンカップを応援 photo:Yufta Omata

この新曲「world goes round」は10月21日に発売されたばかり。この発売日はブリッツェンの広瀬選手の誕生日に合わせたものだという隠れエピソードや、キーボードのhotta(ホッタ)さんが今夏初めてロードレースを生で見て涙が出たという感動エピソードまで飛び出した。

JKAステージ 中野浩一・神山雄一郎・沖美穂トークショー

続いて財団法人JKAのステージは、中野浩一・神山雄一郎・沖美穂の自転車界を引っ張った3者によるトークショー。スプリント世界選10連覇の偉業を成し遂げた中野さんの進行で、今もトップケイリン選手のベテラン神山裕一郎選手と、昨年までジャパンカップで通算10勝を挙げている沖美穂さんの今が語られた。

中野浩一・神山雄一郎・沖美穂トークショー中野浩一・神山雄一郎・沖美穂トークショー photo:Yufta Omata昨年のジャパンカップで引退した沖美穂さんはなんと10勝の記録を持つ昨年のジャパンカップで引退した沖美穂さんはなんと10勝の記録を持つ photo:Yufta Omata


昨年のジャパンカップで現役を退いた沖さんは現在、イタリアのベルガモでコーチングの勉強中。長年女子プロ選手としてやってきた経験を活かし、将来は子どもたちへの自転車の普及運動に携わりたいとこれからの目標が語られた。

中野さんの和やかでユーモラスな進行で、年俸や獲得賞金の話ばかりを引き出されたのは神山選手。トップ選手でいられる秘訣は?の質問に「止めたいと思ったことがありません。いつでも勝ちたいと思っています。楽しみは、競輪で勝つことです」とストイックな回答。会場全体が彼の強さの秘密の一端を知ることに。

ピンクリボンキャンペーントークショー(チャリジェンヌ・JALキャビンアテンダント・エレファント)

今年、ジャパンカップはピンクリボン運動に賛同、そのイベントとして女性サイクリストによるトークショーが開かれた。MCの絹代さんも所属するチャリジェンヌの4人、JALのキャビンアテンダントの2人、女性サイクリストグループのチームエレファントの2人と才色兼備な美女たちがステージで語り合う。

才色兼備な8人の女性サイクリストによるピンクリボンキャンペーントークショー才色兼備な8人の女性サイクリストによるピンクリボンキャンペーントークショー photo:Yufta Omata

8人は全員この日の午前に開かれたフリーランに参加。それぞれにその感想や、自転車の楽しみ方・乗り方を女性ならではの視点で語ってくれた。乳がんの撲滅を目指すピンクリンボン運動は、ジャパンカップのような男性の多いところでこそ、知ってもらういいきっかけになる、とみなさん口を揃えて言っていたのが印象的だった。

安田大サーカス 団長/大出千尋トークショー

近頃は自転車芸人としての認識も強まった安田大サーカスの団長と、地元宇都宮出身のモデルで大会PRキャラクターの大出千尋さんのトークショー。終始ハイテンションの団長と、落ち着いた笑顔が素敵な大出さんはやはりこの日の朝に参加したフリーランの感想を語る。

マイヨアポワがお似合いの安田大サーカス 団長マイヨアポワがお似合いの安田大サーカス 団長 photo:Yufta OmataジャパンカップPRキャラクターの大出千尋さんジャパンカップPRキャラクターの大出千尋さん photo:Yufta Omata


フリーランでは団長が大出さんを場面もあったが、その実団長は息も絶え絶えだったとか。涼しい顔で大出さんを押したヨーロッパの選手たちにちょっと嫉妬をおぼえたような団長さんでした。大出さんは「絶対に足は着きたくない、根性で登りました」としっかり自転車人になったコメント。

話が安田大サーカスの出展するたこ焼き屋のことになると、とつぜん芸人の集団が乱入!ステージはいきなり一発芸大会の場となり、芸人の力を見た観客のみなさんは大盛り上がりのままトークショーは終了。

片山右京/今中大介スペシャルトークショー

この日最後のトークショーとなったのは、元F1ドライバーの片山右京さんと日本人として初めてツール・ド・フランスを走った今中大介さんの豪華な顔ぶれでのスペシャルトークショー。世界を知る2人が世界の自転車レースであるジャパンカップを語る。

世界を知る男、今中大介&片山右京トークショー世界を知る男、今中大介&片山右京トークショー photo:Yufta Omata

片山さんは最近はレースに出場し、結果を残すほどに自転車にのめりこんでいるそう。「先月はクルマにガソリンを入れませんでした」と、驚きの発言。また、新しい自転車のパーツが届いたら枕の下に置いて寝る、といったエピソードまで披露。進行役の絹代さんに「少年に見える」とツッコまれる一幕も。

今中さんは元レーサーとして、観戦時にはコーナーのイン側には行かないようにとアドバイス。体脂肪の話など、元プロ選手ならではのエピソードをふんだんに盛り込んだ話で会場を沸かせた。

チームプレゼンテーション

全出場チームのお披露目の場であるチームプレゼンテーションを迎える頃にはオリオンスクエアは超満員に。日本ナショナルチームを皮切りに、次々と日本のチームが紹介されると温かい拍手と声援が送られた。

シリアスなチームプレゼンもあれば、ネタをつぎ込んだ爆笑プレゼンまであり、会場のにぎわいは最高潮!続いて海外チームが紹介されると、お目当ての選手に続々と飛び交う黄色い声援。世界のトップレベルで走る選手たちを間近に見たファンのみなさんはその鍛え上げられた肉体やスター性にため息しきり。

スペシャルジャージで最後にチームプレゼンに登場した新城幸也選手(Bboxブイグテレコム)スペシャルジャージで最後にチームプレゼンに登場した新城幸也選手(Bboxブイグテレコム) photo:Yufta Omata

チームプレゼンテーションの最後を飾ったのは今年ツール・ド・フランスで区間5位の快挙を遂げた新城幸也選手のいるBboxブイグテレコム。この日のためのスペシャルジャージで登場し、会場からの大きな声援を受けた。

普段テレビでしか見れない外国人選手たちも、日本の温かい声援に終始笑顔。明日のレースに向けて、観客も選手もボルテージが上がったに違いないチームプレゼンテーションで、この日のジャパンカップオープニングイベントは幕を閉じた。

text&photo:Yufta Omata