ブリヂストンサイクルのコンセプトストア「RATIO & C」が、JCDデザインアワードのショップ空間カテゴリーで銀賞を受賞した。以下、ブリヂストンサイクルの案内より、店舗概要と空間デザインのコンセプトを紹介しよう。



ガラス貼りによって外からでも店内を見渡せる「レシオ・アンドシー」ガラス貼りによって外からでも店内を見渡せる「レシオ・アンドシー」 ブリヂストンサイクル株式会社が展開するコンセプトショップRATIO&C(レシオ・アンドシー)が、JCD(一般社団法人 日本商環境デザイン協会)主催の「JCD Design Award 2016」のショップ空間カテゴリーで銀賞を受賞しました。

本賞は、商環境を中心とする空間デザインの顕彰を目的として、1974年に公募形式で開始。毎年の開催により、その時代の空間デザインの価値と可能性を抽出してきました。デザインの質と発見をより開かれたものとするために、2003年から公募対象をアジア地域に拡げています。

尚、当店舗の施工と空間デザインを担当したのはTANKの柴田氏(設計協力POINT長岡氏)です。

TANK/ 柴田祐希
1986年生まれ。前橋工科大学建築学科卒業後、店舗内装施工会社、設計事務所POINTを経て2010年TANK入社。株式会社タンクは2010年7月に活動をスタート。店舗・オフィス・住宅の設計・施工、内装、家具デザイン・制作を行う。常に『どうつくられるべきか』を考えることを大切にし、現場、製作工場、職人たちと身近に接しながら自社の設計施工案件、建築設計事務所の施工案件など境目なく施工を手掛けている。

受賞作品の概要は下記の通りとなります。

店舗概要
レシオ・アンドシーは、「自転車と」あらゆるライフスタイルとをつなぐコミュニティ&スペースとして、普段、外苑西通りを自転車で移動する人々とローカルコミュニティを育みながら、シティバイクの愉しさを世界に向けて発信しています。店内では、本店舗限定のシティバイク「BRIDGESTONE NEOCOT」を展開する他、奥沢にあるコーヒーショップONIBUS によるスペシャリティコーヒーを提供。また、日々を上質で楽しくするプロダクトをセレクトしたショップも併設しています。

外から内へと道が続いているかのような、“地続き” のイメージを生み出すスロープ外から内へと道が続いているかのような、“地続き” のイメージを生み出すスロープ (c)ブリヂストンサイクルカフェカウンターやカフェテーブルには積み上げられた杉の無垢のブロックが使用されたカフェカウンターやカフェテーブルには積み上げられた杉の無垢のブロックが使用された (c)ブリヂストンサイクル広々とした空間の店舗内広々とした空間の店舗内 (c)ブリヂストンサイクル空間デザインの特徴
1.「自転車」「コーヒー」「生活のアイテム」という3つのコンテンツをアイデンティティを保ちながら一つの空間内でつなげる。

自転車は見えているパーツがそのまま機能であることをヒントに、店をつくる材料は素材選びにおいても素材をそのままを使用するようにしました。例えば、壁面には木毛セメント板、カフェカウンターやカフェテーブルには積み上げられた杉の無垢のブロック、モルタルの床。これらは素材が醸し出す強さを持ちつつも、この店で展開する多岐に渡るアイテムやサービスをゆるやかにつなぐベースとなりました。その結果、空間から感じる心地よいラフさは、気軽に入りやすいオープンなイメージにつながりました。

2.レシオ・アンドシーと街をオープンにつなげる。

ガラス貼りによって外からでも店内が見渡せることを利用して、奥まで連続感のあるテーブルを設置。また、起伏を作ることで外から内へと道が続いているかのような、“地続き” のイメージを生み出しました。さらに、ガラス貼りで天井が高く中が見通せる空間に入る時、人はしばしば緊張感を覚えますが、そこで一旦店舗に入った所で梁を下げ、ゲートを作り、ゲートとガラスのファサードの間に外とつながった中間の場所を生むことで、この緊張感を和らげ、自然に中へと人を引き込む状況を作りあげました。

3.コミュニティを形成するパブリックな場所

テーブル以外はすべてフレキシブルに可動。展開するコトやモノ、コミュニケーション次第で店舗はいかようにも動き、いわゆるショップでもないし、カフェとも違う、自転車屋でもない、あえて言うなら道路や広場のようなパブリックな場所を目指しました。

RATIO &C〈レシオ・アンドシー〉
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-1-26
電話:03-6438-1971
営業時間:11:00 - 20:00(定休日・水曜日)