2011年にパリ〜ルーベを制した35歳のヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、AG2Rラモンディアール)が現役引退を発表した。心臓に問題が見つかったファンスーメレンは、2016年2月のツアー・オブ・オマーンを最後にレースから離れていた。



先頭でカルフール・ド・ラルブルを駆け抜けるヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・サーヴェロ)先頭でカルフール・ド・ラルブルを駆け抜けるヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・サーヴェロ) photo:Cor Vos「こんな形でキャリアに終止符を打つのは残念だが、身体の健康はロードレースの野望よりも大切だ。この数カ月にわたって様々な医学的な検査を行い、手術を2回受けたが問題は解決せず。今後も継続的な心臓の検査が必要であり、現役続行が不可能となった」。地元ベルギーのロンメルで記者会見を開いたファンスーメレンは引退に至った経緯をそう説明した。

両手を大きく広げてゴールするヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・サーヴェロ)両手を大きく広げてゴールするヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・サーヴェロ) photo:Cor Vos「ファンスーメレンの心臓に異常が発見されたのは今シーズン開幕前のメディカルチェックでのこと。医療スタッフの許可を得てツアー・オブ・カタールに出場したものの、ツアー・オブ・オマーンで心拍計が異常値を検出したためドクターストップ。以後、ファンスーメレンはレースに出場できない状態が続いていた。

現在35歳のファンスーメレンは2004年にプロ入り。ガーミン所属時代の2011年にパリ〜ルーベを制し、2015年からAG2Rラモンディアールに所属している。これまでのキャリアを「自分の情熱を仕事にするという素晴らしい13シーズンを過ごしてきた。世界トップライダーと対峙するために果てしない努力を積み、その結果、夢にまで見たパリ〜ルーベ制覇を果たしたんだ」と振り返る。

「パリ〜ルーベでの勝利はこれからも最高の記憶として残るだろう。良い時も悪い時もずっとそばにいてくれた家族や友人たちに感謝したい」。

今シーズン、心臓の問題によって現役引退を強いられた選手は2人目。4月にはマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ)が不整脈によって16年間の現役生活にピリオドを打っている。

text:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)