ツール・ド・ルクセンブルクは大会2日目。集団スプリントでアンドレ・グライペルが圧勝し、総合首位のジャンピエール・ドラッカーも6位入賞。総合成績が動くことはなかった。



序盤に逃げたブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)ら序盤に逃げたブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)ら photo:CorVosアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)やアダム・ブライス(イギリス、ティンコフ)が競り合うアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)やアダム・ブライス(イギリス、ティンコフ)が競り合う photo:CorVos集団スプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 集団スプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)  photo:CorVos6位に入り総合首位を守ったジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)6位に入り総合首位を守ったジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング) photo:CorVos雨に濡れたプロローグから一夜明け、ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)はマスドステージに。170.6kmのコースは首都ルクセンブルクを出発し、郊外を経由してエスペランシジュ市街地のサーキットコース(1周18.5km)を3周回するもの。基本的には平坦コースだが、周回コースには平均勾配5.6%の2級山岳が設定されているため、逃げ切りにもチャンスがある。

序盤に形成されたのはブリース・フェイユー(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)を含む3名の逃げ。中盤まで2分程度で推移していたが、3名は逃げ切りを目指して再加速。タイム差は残り70km地点では3分30秒差まで広がりを見せる。

しかしスプリントを目論むロット・ソウダルやオリカ・グリーンエッジのコントロールによって、3名はあえなく集団に吸収され、各チームはゴール勝負に向けて体制を整えていく。そして迎えたゴール前、カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が後方に沈む中、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)のアシストからアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が発進した。

必勝体制から突き進むグライペルにはアダム・ブライス(イギリス、ティンコフ)らが応戦したものの、ジロ・デ・イタリアで3勝を挙げたジャーマンスプリンターには敵わない。後続を1車身引き離したグライペルのガッツポーズが決まった。

今シーズン7勝目を飾ったグライペルは、「今日は教科書通りに思い描くリードアウトトレインを組むことができた」とゴール前を振り返る。「アルミーが逃げを吸収するために牽きまくってくれた。最後は路面が濡れていた上にコーナーが連続し、集団に封じ込められそうになってしまったが、チームメイトのおかげでスプリントまでに好位置を見つけ出すことができたんだ。チームのハードワークに勝利で報いることができてハッピーだ」

「今スティグが困難な状況に置かれている(ベルギーツアーでのバイク事故)が、こんな状況では常にレースに集中したり、スプリント勝負に求められるアグレッシブな走りをすることはメンタル的に簡単じゃない。今日もスティグのことが頭から離れなかった。今日の勝利は彼にプレゼントしたい」と、ブロークスに思いを寄せる。

また総合首位のジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)もスプリントに絡み、6位でフィニッシュ。リーダージャージを危なげなく守り、「地元だけにこの辺りの道は良く知っているし、それがレースを進める上で助けになっている。明日はスーパーハードな展開になるだろうが、全力で首位を守りたい」とコメントした。



ツール・ド・ルクセンブルク2016第1ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)              4h13’07”
2位 アダム・ブライス(イギリス、ティンコフ)
3位 アマウリー・カピオット(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
4位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 クレメン・ヴェンチュリーニ(フランス、コフィディス)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
7位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、ストルティングサービスグループ)
8位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
9位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ワンプロサイクリング)

個人総合成績
1位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
2位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)
3位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)
4位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
6位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 アレクサンダー・クレーガー(ドイツ、レオパードプロサイクリング)
8位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、ストルティングサービスグループ)
10位 アマウリー・カピオット(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
4h17’27”
+03”
+04”
+05”
+06”
+07”

+09”
+10”



ポイント賞
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)

山岳賞
1位 トーマス・デルット(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)

ヤングライダー賞
1位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ルームポットオレンジペロトン)

チーム総合成績
1位 BMCレーシング

text:So.Isobe
photo:www.aotdl.com