「マリアロッサを着てジロを去るのは残念だが、長いシーズンで他にも目標がある」とは、圧倒的なチーム力を受けて3勝目を飾ったアンドレ・グライペル。各スプリンターやマリアローザのコメントを紹介します。



ステージ3勝目を収めたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)

プロセッコを振り回すアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)プロセッコを振り回すアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji
ステージ3勝目を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)ステージ3勝目を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji集団を牽引するラルスイティング・バク(デンマーク)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)集団を牽引するラルスイティング・バク(デンマーク)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji今日もチームは素晴らしい仕事を成し遂げてくれたよ。まずリヒハルトは逃げとの間隔を調整して、終盤にかけて一気に彼らを引き戻すのに大きな働きを担ってくれた。テクニカルな周回コースに入る前に逃げを潰したかったし、周回コースではフルメンバーで先頭を固めようと考えていた。

その目論見は結果的にうまくいった。最終盤ではウェレンスとバクがペースを整えてくれ、ゴールまで3km地点からハンセンが先頭に立って残り1.5kmまで牽いてくれた。その後デビーに代わり、最後はルーランツが強い向かい風にもかかわらず完璧なリードアウトを務めてくれたんだ。彼は全速力で最終コーナーを抜け、そして僕がスプリントに持ち込んだ。ステージ4勝目をとても誇りに思う。個人的には3勝を挙げることができて、非常に満足している。

チームとの合意の上、今晩僕はジロから離脱する。僕にとってジロは昨年からレースプログラムの中で大切なレースとなっているし、シーズン中の大きな目標のレースだ。でもこれからの9ステージは総合系選手のためのレースであり、マリアロッサを着てジロを去るのは残念だが、長いシーズンで他にも目標とするレースがあるので今は休息が必要だ。僕は10月までトップコンディションをキープしている必要があるんだ。

ステージ3勝という結果に満足しているし、晴れやかな気分で帰宅できる。このチームと過ごしたここまでのジロは本当に素晴らしく、素敵なレースを作ってくれたオーガナイザーや、大きな歓声を絶えず送ってくれたファン、チームメイトやスタッフに感謝したい。残るメンバーが良いレースをしてくれることを願っているよ。

失意のカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)失意のカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiユアンを振り切るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)ユアンを振り切るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsujiステージ2位のカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

日に日に勝利まで近づいている。ルーカ(メスゲツ)を始めとしてメンバーが素晴らしい働きをしてくれたのはテレビでも良く分かったと思う。最後は本当に惜しかった。もちろん勝利を逃してしまって残念だが、毎日多くの経験を積ませてもらっている。ルーカとの連携も日に日にうまくいくようになってきた。

ステージ3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)

カオスな状況の中、ずっと集団前方をキープするためにかなりエネルギーを消費してしまった。とにかく右に左に、選手達の間を縫ってポジションを見つける必要があったっんだ。最終盤はグライペルの番手までジャンプするか迷ったが、最終的には自分の位置を守ることにした。しかしコーナーで前の選手が距離を空けてしまい、良いスプリントを切れたもののグライペルとユアンには届かなかった。

今日のようなコースでは集団のコントロールは不可能に近く、グライペルは最強であることを再び証明した。でも自分の調子は非常に良く、これからチームが目指すステージ優勝やマリアローザといった目標に向けて仕事ができると思う。

ステージ6位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)

ヨス・ファンエムデンに連れられてスプリントを始めたが、少しフィニッシュラインから遠すぎた。コースブックで示されていたよりも、道が狭くテクニカルだったから、前に上がっていくのはとても難しかった。エンリーコ・バッタリンがアシストしてくれて、最終的には前方に位置取りできた。最終コーナーを6番手で抜けて、そのままの順位でフィニッシュ。あれ以上は僕にはとてもできなかったから、今日の結果は最良のものだったと思っている。

逃げるダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)とミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)逃げるダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)とミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Kei Tsuji逃げに乗ったダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)

悪天候だったため逃げにもチャンスがあるステージだった。最終盤の周回コースにはトリッキーなコーナーが多かったことも味方するはずだったが、スプリントに向けて数チームが徹底的にコントロールを行ったので、十分なリードを稼ぎ出すことはできなかった。中間スプリントで数点を稼ぐことはできた。

マリアローザのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)

マリアローザを着て山岳決戦に挑むことになったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)マリアローザを着て山岳決戦に挑むことになったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
今日は雨でナーバスなステージだったが、悪天候にぴったりのウエアが用意されているから、大分気楽にすごせた。最後の周回コースで総合タイム差をつけないというオーガナイザーの判断は賢明だったと思う。僕らが安全にフィニッシュできるように考えてくれたことは喜ばしいことだ。

明日は難しい山岳ステージになるから、何ができるかは分からない。かなり脚は仕上がっているものの、調子に乗るつもりはない。今回が僕の初めてのジロであり、日々起こることに注意して、これからのステージをこなしていくつもりだ。マリアローザを着ている間に起こることは、全てボーナスのようなものだ。

序盤のアタック合戦に加わった山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

「雨で寒かった」と語る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)「雨で寒かった」と語る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
逃げようとして全力で頑張った分だけ逃げれなかった悔しさが残った。無理だったことは仕方がないので次に生かすようにしたい。逃げれなかったのは残念だったが死に物狂いのファーストアタックがテレビに映して貰えたようでうれしかった。明日から2日連続でかなりキツイ山岳コースが始まる。ここを耐え抜くことが出来れば、目標としているジロの完走がグッと近づく。耐えれなければ家に帰るだけである。家に帰りたくは無いので、ここで根性を見せて何としても堪えなければいけない。

最初のアタック合戦はキツかったが、時間が短かったためそこまでのダメージは無かった。後半もかなり頑張ったが時間が短かったのでそこまでキツくは無かった。一番キツかったのは寒さだった。再び体調を崩さないように気を付けたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe


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