第100回ロンド・ファン・フラーンデレン(UCIワールドツアー)が4月3日に開催される。「クラシックの王様」と称される伝統の一戦に挑む有力選手たちのコメントを紹介します。



ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)

ケンメルベルグで飛び出すペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)ケンメルベルグで飛び出すペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele自分にとってフランドルは特別なレース。ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベと並んで、何としても勝ちたいレースの一つだ。かれこれ6回目の挑戦になるけどまだ優勝トロフィーを手にしたことがない。先週のヘント〜ウェヴェルヘムの勝利で準備が万全であることを確認できたし、自分のコンディションには満足している。レース当日はチーム一丸となって戦うことが重要で、心強いチームメイトたちを信頼している。

オウデクワレモントの前半は勾配がきつく、後半は風の影響を受ける。調子が悪かったり、走り方を知らなければそこでレースは終わる。急勾配のパテルベルグは自分向き。パテルベルグで重要なのは、頂上を越えた先の下りも頭に入れながら走ること。頂上を全開で越えて、スピードをつけて下りに入る必要がある。

最初から最後まで集中力を緩めるポイントがない。一つの判断ミスが命取りになる予測不能なレースなので、レース中は慎重に展開を見る必要がある。他の国と違って、ベルギーのレースでは正しい戦略が存在しないんだ。優勝者が偶然生まれることもない。ミラノ〜サンレモでは50人程度が集団に残るけど、フランドルではオウデクワレモントとパテルベルグで数人に絞られる。だから全く性質の異なるレース。強力なライバルたちがひしめいているけど、勝つのはたった一人だ。

アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

3名でのスプリントで勝利したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)3名でのスプリントで勝利したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) photo:Tim de Waeleデパンヌ3日間レースでのステージ優勝と2回のステージ3位、そして総合表彰台は悪くない結果。コンディションは日に日に上がっているけど、正直言うと昨年の方がコンディションは良かった。

ロンドでは有力候補に名前が挙がると思うけど、最有力候補とは言えないだろう。カンチェラーラやサガン、ファンアフェルマートの方が有力だと思う。確かに自分は昨年優勝したけど、現在のライバルたちの走りを見る限り、石畳の登りで彼らに食らいつくのは難しそうだ。いつもロンドとは相性が良いので、今年も良い感触で走りたい。

トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele昨年欠場を余儀なくされただけに、100回記念大会に出場することを嬉しく思う。ロンドは国外からの注目度を年々向上させている一大イベントであり、多くの観客を集めるとともに、雰囲気も格段に上がっている。レースに関しては、残り50kmを切ってからは一つのミスも許されない。一見すると小さな差が最終的に大きな差を生み出すので、最大限の注意を払う必要がある。

ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)

レースが楽しみで、とても興奮している。間違いなく一年で最も大きく、最もタフなレースだ。誰もがこのレースに全力で挑むために冬から長い時間をトレーニングに費やしてきた。チームとして全力を出し、決定的な動きが生まれる瞬間に立ち会いたい。様々な要因が最終結果に結びつく。石畳の急坂だけでなく、高い気温に苦しめられる選手も出てくるだろう。

グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

クラシックで勝つチャンスを一つ与えてくれるなら、迷うことなくロンド・ファン・フラーンデレンを選ぶ。特に今年は100会大会なので、フランドル出身者の自分にとってはより特別だ。先週は体調を崩したけど、しっかり休んだので、日曜日のスタートラインには100%の状態で立てると思う。全力を出し尽くすのみだ。

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waeleチームとして勝利を収めたい。2位や3位になるために走るわけじゃない。出場するからには優勝を狙う。おそらく多くのチームが早めにレースを動かしてくるだろう。サブエース級の選手が早めに動くような展開になれば、そこにトレックはストゥイフェンやテウンスを送り込む。2007年のパリ〜ルーベではライバルたちが自分を徹底的にマークした結果、チームメイトのスチュアート・オグレディが逃げ切った。今回もそんな展開が起こり得る。

ヘント〜ウェヴェルヘムは残念な結果に終わってしまった。4人の逃げ切りで4位という結果は面白くない。そこで得た教訓を生かしながら、自信を持ってレースに挑みたい。コンディションは100%の状態にある。でも一人でレースを完全に支配することなんて不可能だ。トム・ボーネンは今でも危険な存在であり、彼から視線を外すことはない。彼もレース展開に大きな影響を及ぼすだろう。

ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)

ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele水曜日に試走を済ませた。ミラノ〜サンレモでは調子が良かったけど、E3ハーレルベーケでは背中に痛みを感じてリタイア。ヘント〜ウェヴェルヘムでもコンディションは良くなかったけど、それでも7位にはいることができた。調子は上向きだ。

モーレンベルグへのアプローチは例年以上に道が狭く、タイトなコーナーも連続する。まだレースが活性化するポイントではないけど、そこでの疲労が最終的な勝負に響くと思う。優勝候補としてカンチェラーラやサガン、ファンアフェルマートの名前が挙がるけど、(昨年5位の)ティエシー・ベノートとともに勝負に絡むことができると思う。イェンス・デブシェールが怪我で欠場することが残念だ。

選手コメントは各チーム公式サイトならびにヘットニュースブラッド紙より。

text:Kei Tsuji

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