2008年ツール・ド・フランス期間中に採取された17のサンプルを再検査したAFLD(フランスアンチドーピング機関)は10月7日、全てのサンプルからCERA(第3世代EPO)の陽性反応が検出されなかったと発表した。また、今年のツールのドーピング検査についてAFLDとUCI(国際自転車競技連合)は真っ向に対立している。

UCIとAFLDが協力して行なった2009年ツールのドーピング検査UCIとAFLDが協力して行なった2009年ツールのドーピング検査 photo:Cor Vosフランスのレキップ紙が伝えたところによると、AFLDは2008年ツールで採取されたサンプルのうち、17選手に対して再検査を実施した。2008年ツールと言えばベルンハート・コール(オーストリア)やステファン・シューマッハー(ドイツ)、リカルド・リッコ(イタリア)、レオナルド・ピエポリ(イタリア)のCERA陽性が発覚して大きく揺れた大会だ。

対象選手の名前は公表されていないが、今回再検査された17のサンプルの結果はいずれも陰性。新たなドーピング違反者は現れなかった。

また、同じくフランスのルモンド紙は、今年のツール期間中に行なわれたドーピング検査についてAFLDとUCIが真っ向に対立していることを伝えている。

AFLDの主張は、UCIが適切な方法でドーピング検査を行なわず、総合優勝者アルベルト・コンタドール(スペイン)擁するアスタナが優遇措置を受けていたというもの。朝のドーピング検査前に45分の猶予をアスタナに与え、常に一番最後に検査を行なっていたというのだ。AFLDは10ページに及ぶ報告書をWADA(世界アンチドーピング機関)に提出した。

当のUCIはAFLDの告発に対して反論。ドーピング検査が平等に行なわれていたことを訴えるとともに、AFLDの主張が事実無根であることをプレスリリースで発表した。UCIによると、すでに問題のアスタナに対する措置についてUCIは調査を済ませているという。

今年のツールで協力してドーピング対策に取り組んでいたUCIとAFLD。今回の対立により、UCIは来季フランスで行なうドーピング検査に関してAFLDと手を組まないことをリリースの中で発表。中立な検査パートナーを新たに探す考えだ。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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