ジェイコ・ヘラルドサンツアー第2ステージで小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)がエスケープ。山岳で先行した6名のスプリントでカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が勝利し、別府史之(トレック・セガフレード)が10位に入った。



逃げる小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)とクリス・ハーパー(オーストラリア、ステートオブマター・マープ)逃げる小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)とクリス・ハーパー(オーストラリア、ステートオブマター・マープ) photo:Jayco Herald Sun Tour


ジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第2ステージジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第2ステージ photo:Jayco Herald Sun Tourチームスカイがメイン集団をコントロールするチームスカイがメイン集団をコントロールする photo:Jayco Herald Sun Tourジェイコ・ヘラルドサンツアー3日目の第2ステージはメルボルン北東部に広がる山岳地帯を走る。ヤラグレンからモエまでの144kmコースには合計3つのカテゴリー山岳が登場。獲得標高差は1800m足らずだが、終着地モエの周回コースには登坂距離1km/平均勾配8%の登り(カテゴリー無し)が設定されているため単純なスプリントステージにならない。

リーダージャージを着て走るピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)リーダージャージを着て走るピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) photo:Jayco Herald Sun Tourボーナスタイムを狙うジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)が独走で33km地点のスプリントポイントを通過すると、その後すぐに小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)とクリス・ハーパー(オーストラリア、ステートオブマター・マープ)のアタックが決まる。チームスカイが牽引するメイン集団から5分のリードで逃げた小石は、ハーパーをおさえて3級山岳を先頭通過。しかし小石は続く2級山岳でハーパーに先行を許してしまった。

精鋭グループの中からさらに抜け出して勝利したカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)精鋭グループの中からさらに抜け出して勝利したカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Jayco Herald Sun Tour「逃げ出してすぐに2級山岳(実際は3級山岳)があったので、チームカーから山岳賞を取るよう指示が来たので山岳賞でスプリントして1位通過、その後は細かいアップダウンを進む。一緒に逃げていた選手は総合で30秒差の選手だったのもあり、集団とは常に5分前後を行ったり来たりしていた。シーズンが始まったばかりというのもあり、2人逃げは前を引いている時間も長く常にキツく、2つ目の2級山岳に入ると一緒に逃げていた選手がペースアップし、そこで遅れてしまうが、2人逃げだったのでそこも2位通過した」と小石は振り返る。

ステージ4位でフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ステージ4位でフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Jayco Herald Sun Tour先頭で粘ったハーパーは残る3級山岳を先頭通過して山岳賞1位に。第2ステージを終えて小石はハーパーとクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)に次いで山岳賞3位につけている。最終的に6分遅れの集団でフィニッシュした小石は以下のように語っている。「今日逃げれたのは良かったが、まだまだコンディションも実力も良いとは言えないので、残り2日間で一気に上げて行きたい」(NIPPOヴィーニファンティーニ レースレポートより)

先頭のハーパーを吸収したのは連続するカテゴリー山岳で縮小したメイン集団で、そこから新たにニール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、アヴァンティ)ら3名が先行を開始。チームスカイとオリカ・グリーンエッジがメイン集団を率いて追いかける。

モエの周回コースに入ってすぐ逃げが吸収されると、残り7km地点の登りでボブリッジやフルームがペースアップ。分裂した集団から6名が先行する形になる。ボブリッジやフルーム、リーダージャージのピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)にユアンがなんとか食らいつき、6名の精鋭グループによる勝負に持ち込まれた。

残り1kmを切ったところでケノーが独走に持ち込んだものの、残り200mでユアンとタナー・プット(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)がリーダージャージを捉える。そのままスプリントに持ち込んだユアンが先着した。追走集団はニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)を先頭に25秒遅れでフィニッシュ。ボニファツィオをアシストした別府史之も同集団内の10位に入っている。

「他のどんなスプリントよりもタフだった。ボブリッジとケノーが登りで仕掛けてくるのは分かっていたし、登りでは全力で彼らに食らいついた。今日のようなハードなステージでも先頭グループに残って勝利したことは大きな自信になるよ」と、シーズン早くも3勝目を飾ったユアン。今シーズン要注目の弾丸スプリンターは登りの苦手意識を克服した様子だ。

逆に「どうしてもカレイブを振りきれなかった」と語るのは、ステージ3位で総合首位を守ったケノー。2ステージを残してチームスカイの総合ワンツー体制は変わらない。総合2位フルームは「集団スプリントを予想していたけど、実際は精鋭グループの戦いになった。昨日の疲れが少し残っているけど、チームメイトは状況をコントロールしていたし、ピート(ケノー)の3位という結果には満足している」と語っている(レース公式サイトより)。






ジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第1ステージ結果
1位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)  3h29’06”
2位 タナー・プット(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
3位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)            +03”
4位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)            +05”
5位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)
6位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)    +14”
7位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)  +25”
8位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 パトリック・ショー(オーストラリア、アヴァンティ)
10位 別府史之(日本、トレック・セガフレード)
70位 小石祐馬(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)        +6’14”
79位 窪木一茂(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)        +10’29”

個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)          6h33’21”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)            +13”
3位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)  +31”
4位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)    +48”
5位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)    +52”
6位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)   +53”
7位 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ)      +54”
8位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)
9位 パトリック・ショー(オーストラリア、アヴァンティ)        +55”
10位 ジョゼフ・クーパー(ニュージーランド、アヴァンティ)

ポイント賞
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

山岳賞
1位 クリス・ハーパー(オーストラリア、ステートオブマター・マープ)

U23ライダー賞
1位 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、コーダメンサ)

チーム総合成績
1位 チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Jayco Herald Sun Tour

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