絶え間なく続くワインティングの先に待つ登りスプリントでジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)がディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)を打破。クイーンズランド州出身の23歳がステージ優勝とリーダージャージを手にした。


アデレードとメルボルンをつなぐ高速道路を走るアデレードとメルボルンをつなぐ高速道路を走る photo:Kei Tsuji
美しいポディウムガールの皆様美しいポディウムガールの皆様 photo:Kei Tsujiカンガルーを抱くパオロ・ベッティーニカンガルーを抱くパオロ・ベッティーニ photo:Kei Tsuji

ヘルメットにコアラを付けるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)ヘルメットにコアラを付けるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ) photo:Kei Tsujiツアー・ダウンアンダー第2ステージは今や定番となったスターリングの登りフィニッシュ。アデレード市内のアンレーを出発し、ダイナミックな高速道路を駆け上がって内陸部に向かう。

逃げるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)逃げるマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Kei TsujiKOMを経て全長21km・標高差420mのスターリング周回コースに入ると、そこからフィニッシュまで登りと下りの繰り返しだ。断続的にコーナーが登場し、気が抜けない周回コースを5周する。獲得標高差が2,950mに達するアップダウンコースであり、最高気温35度と灼熱の太陽が序盤から選手を苦しめた。

中間スプリントに向けてメイン集団をコントロールするオリカ・グリーンエッジ中間スプリントに向けてメイン集団をコントロールするオリカ・グリーンエッジ photo:Kei Tsujiスタート後すぐのペースアップでマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)を含む逃げが形成されたものの、中間スプリントに興味を示すメイン集団はこの動きを許可しない。「母親がオーストラリア出身なので、自分の中にはオーストラリアの血が流れている」というボアーロはヘルメットに小さなコアラのぬいぐるみを付けて逃げ続けたが、KOMを先頭通過後にメイン集団に戻った。

逃げが吸収されると今度は「鉄人」アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)が攻撃に出る。グランツール13連続出場中で、オフシーズンにヒマラヤ山脈でハイキングを楽しんでいたハンセンがソロエスケープを開始した。

「例年であれば自分がチームリーダーとして総合成績を狙うけど、今年は(ツアー・オブ・オマーン総合優勝者の)バルスがいるのでいつもよりアグレッシブに逃げてみた。それが自分のスタイルであり、何より楽しいから」というハンセンが単独で3分のアドバンテージを稼ぎ出す。メイン集団はリーダーチームであるのと同時にサイモン・ゲランス(オーストラリア)の勝利を目指すオリカ・グリーンエッジがコントロールし、ハンセンとのタイム差を調整しながら周回を重ねた。

太陽に照らされたスターリングの周回コースを走る太陽に照らされたスターリングの周回コースを走る photo:Kei Tsuji
ランプレ・メリダがメイン集団のペースアップを開始ランプレ・メリダがメイン集団のペースアップを開始 photo:Kei Tsuji単独逃げを敢行したアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)単独逃げを敢行したアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji
絶え間なく続くアップダウン絶え間なく続くアップダウン photo:Kei Tsuji

徐々にリードを失うアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)徐々にリードを失うアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsujiその奮闘も虚しく、ハンセンは最終周回に入ってすぐメイン集団に吸収。暑さと登りに苦しむ選手たちを切り離しながらメイン集団はスピードを上げる。ジャイアント・アルペシン、キャノンデールプロサイクリング、ランプレ・メリダ、IAMサイクリング、オリカ・グリーンエッジが集団先頭で競り合い、残り6kmから始まる登り緩斜面を駆け上がった。

危険回避のためにBMCレーシングがメイン集団の先頭に位置危険回避のためにBMCレーシングがメイン集団の先頭に位置 photo:Kei Tsujiアタックを許さないハイペースを刻んだメイン集団からは、リーダージャージを着るカレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)をはじめ、多くの脱落者が発生。残り1kmアーチをくぐったところでイギリスチャンピオンのピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)がアタックして崩しにかかるが、メイン集団を振り切ることは出来ない。

先頭でスプリントするジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)先頭でスプリントするジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsujiケノーが捉えられると、先頭で競り合うティンコフとキャノンデールの後ろで集団落車が発生する。フィニッシュラインまでおよそ600mを残したこの落車にサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が巻き込まれた。

ハンドルを投げ込むジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)ハンドルを投げ込むジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji1年前に登りスプリントで勝利しているフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)が後方に埋もれる中、残り200mで先に腰を上げたのはジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)だった。

ステージ優勝を飾ったジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)ステージ優勝を飾ったジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ) photo:Kei Tsuji「このステージは何度か経験しているので、今日は作戦を練って勝負に挑んだ。今年は調子良く挑めているし、朝のミーティングでチームが全力で僕をサポートすることに決まったんだ。同時に総合争いにおけるチームリーダーの役目も担うことになっている」というマッカーシーが飛び出すと、2年前の優勝者ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がすぐさま反応する。

水をかぶるクリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール)水をかぶるクリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Kei Tsuji残り100mを切ってウリッシがマッカーシーに並ぶも、抜ききるには至らない。最後はウリッシとマッカーシーがハンドルを投げ込んでフィニッシュ。僅差ながらも先頭を守り抜いたマッカーシーが両手を挙げた。

オーストラリア・クイーンズランド州出身のマッカーシーが勝利するとともにボーナスタイムで総合首位に。1992年9月8日生まれの23歳は2015年ツアー・オブ・ターキー総合3位。今年のオーストラリア選手権ロードレースで5位に入っている。

「勝利というこの上ない結果を得たけど、まだ4ステージが残っている。明日の重要なKOMコークスクリューに向けてしっかりリカバリーしたい。明後日のステージも横風が予想されているし、その翌日はウィランガヒルの山頂フィニッシュ。やるべきことは多く残されている」と、若きチームリーダーは語っている。

「今日の目標はとにかくトラブルに巻き込まれないこと、そしてスプリントでチャンスがあれば狙うことだった」と振り返るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がステージ3位に入り、ボーナスタイムによって総合4位に浮上。大会連覇に向けて好位置につけている。

ゲランスは落車によって遅れたものの、残り3kmを切ってからのトラブルのため総合タイムには影響せず。「勝利を狙える良いポジションに位置していただけに残念だ。数秒差で総合争いが決まるこの大会においてボーナスタイムを逃したことが残念でならない。(ボーナスタイム4秒を獲得した)ローハン・デニスから痛い遅れをとってしまった」と語っているが、中間スプリントで合計5秒のボーナスタイムを獲得しており、総合成績ではデニスから1秒先行している。

ステージ優勝を飾ったジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)ステージ優勝を飾ったジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ) photo:Kei Tsuji敢闘賞を獲得したアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)敢闘賞を獲得したアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji
リーダージャージを手にしたジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)リーダージャージを手にしたジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ) photo:Kei Tsuji

ツアー・ダウンアンダー2016第2ステージ結果
1位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)          3h26’40”
2位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
4位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)
5位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、エティックス・クイックステップ)
6位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール)
7位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
8位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
10位 エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)

個人総合成績
1位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)          6h50’43”
2位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)             +04”
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)       +05”
4位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)            +06”
5位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ) +09”
6位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール)         +10”
7位 エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)
8位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
10位 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・アルペシン)

スプリント賞
カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

山岳賞
マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)

ヤングライダー賞
ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)

チーム総合成績
キャノンデール

敢闘賞
アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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