2015年ブエルタ・ア・エスパーニャで13連続グランツール完走の歴史的偉業を果たしたアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)が現在ネパールでヒマラヤ山脈をハイキング中。鉄人は本格的なハイキングを「まるでグランツールのようだ」と例えている。



ヒマラヤ山脈をハイキング中のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)ヒマラヤ山脈をハイキング中のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Lotto Soudal


アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji1958年にベルナルド・ルイス(スペイン)が果たした12連続グランツール完走という記録を57年ぶりに塗り替えたアダム・ハンセン。2011年のブエルタから毎年欠かさず全てのグランツールに出場しているハンセンは、2015年ブエルタで記録を13連続完走にまで伸ばした。今後も鉄人の連続完走記録は伸びる見込みだ。

アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waeleプロ選手として活躍する傍ら、ハンセンは「ハンセーノ(Hanseeno)」というウェアブランドを立ち上げ、片足わずか95gのオリジナルカーボンシューズを自ら製作して販売している。さらにコンピューターに精通しているハンセンはチームのロジスティックスマネジメントをサポートする「ロジス・サイクル(Logis Cycle)」というプログラムを開発。実際にロット・ソウダルがチーム運営に同プログラムを採用済みだ。

アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)の本日のシューズアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)の本日のシューズ photo:Kei Tsujiロット・ソウダル公式サイトの言葉を借りると、サイクリストであり、プロダクトデザイナーであり、コンピュータープログラマーであるハンセンは、それ以前に冒険家である。南の島や自宅でゆったりとオフシーズンを満喫する選手が多い中、ハンセンのオフシーズンは異彩を放っている。

「ネパールに着いて12日が経つ。毎日4〜8時間ハイキングを行っている。すでにヒマラヤ山脈の4つの頂に登った。最初に登ったのは標高5357mのゴーキョ。そこから標高5420mのチョラ・パスを経て、エベレスト山のベースキャンプに至った。これから2日間かけてネパール北東部に位置する標高2860mのルクラに向かう」と、ハンセンはチームにレポートしている。ハイキングと言っても内容は本格的な登山だ。

「このハイキングツアーは本物のアドベンチャーだ。過酷な環境下で身体が悲鳴をあげる。今回のヒマラヤの旅がフィジカルレベルを押し上げてくれるだろう。身体を研ぎ澄ますには、平和なホリデーよりも長いハイキングツアーが理想的。身体は嘘をつかない」。

ハンセンは今シーズン最後の出場レースである9月27日のロード世界選手権以降、1mmもバイクに乗っていないという。「バイクトレーニングは12月から開始する。バイクには全く乗ってないけど(今回のハイキングで)コンディションは戻ってきているし、マヨルカのトレーニングキャンプ前にワークアウトを開始するよ。身体を酷使しながら目的地を目指すヒマラヤのハイキングツアーはグランツールのようだ。山の頂に到達する感覚はフィニッシュラインを切る感覚に近い。来シーズンの成功に満ちた全グランツール出場に向けて再始動するエネルギーをこのアドベンチャーは与えてくれる」と、来シーズンに向けて冒険家は語った。



今日も元気なアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)今日も元気なアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji



text:Kei Tsuji
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