ツール・ド・おきなわ市民レース140kmクラスで優勝した横塚浩平選手(オーベスト)によるレポート。市民210kmに次ぐ激戦の難関クラス。勝つつもりで臨んだ横塚だが、チームの「ボス」西谷雅史さんからは厳しい条件が課された。



市民レース140km 先頭集団で走る横塚浩平(オーベスト)市民レース140km 先頭集団で走る横塚浩平(オーベスト) photo:Makoto.AYANO前日の民宿での用意の様子前日の民宿での用意の様子 自分は大学からロードを始め、2年目の去年には100kmでおきなわに初参加。結果は審判車の誤誘導で先頭から最後尾に…。そんな悔しい思いもある中、今年からチーム「オーベスト」に加入し、本格的に練習やレースを始めた。はじめは練習についていくのも精一杯だったが、無理にでも前で走り続けているうちに力がつき、JBCFのレースでも結果が出るようになった。その後は10月のジャパンカップオープンレースを目標に練習し、調子を上げ挑むも落車によってDNF。

そして迎えたシーズン締めくくりのおきなわ。不安要素としては、ジャパンカップ以降落車が続いたこと。しばらく自分の走りを見失っていたが、今思うとフォームを見直すいい機会にもなった。また、レース3日前にステムを10mm短くしたことで走りやすくはなったが、以前とのズレももちろんあり、おきなわでは落車にだけは気を付けたかった。

出発の直前にチームの「ボス」西谷雅史さんに相談に行くと、「今後選手として上を目指すなら、独走かゴール前までには少なくとも人数を一桁まで絞って勝ってみせろ」と言われ、ただ優勝すればいいと思っていた自分は、気を引き締め直し沖縄に臨むことにした。

今回の遠征は大学のサークルの同期2人とOB1人(こちらは210km)の4人。前日の土曜に沖縄に入り、会場に到着後は20kmほどの試走の後自転車を預ける。会場近くのイオン内で翌日のドリンクや朝食を購入後、夕食も食べる。宿に着いてからも購入した食事を多めに摂り、4人とも補給の用意とストレッチを入念に行い、自分はコースを確認して10時半には就寝。

当日の朝は4時半に起床し5時には宿を出発。スタートの3時間前にはスタート地点に到着。自転車を受け取りのんびりと準備しながら時間を待つ。アップで感じたがこの時間帯でもベタつくような空気、日中の暑さが気になるところ。チャンピオンの集団を見送り自分たちのレースもいよいよ始まる。

普久川ダムを登る市民140kmのメイン集団普久川ダムを登る市民140kmのメイン集団 photo:Makoto.AYANO
先に並んでいたチームの方に場所を空けていただき、先頭付近でスタート。1度目の普久川は目立った動きも無く、集団の中で大人しく脚を休めていた。予想通りかなりの暑さで、汗が異常に出る。自分にとって問題の下りは安全第一。余裕を持ったライン取りで走る。
下りを危なげなく終え、100kmクラスのスタートラインを通過。2度目の普久川手前の海岸沿いおよそ50km地点。この後続く上りで人数を減らすつもりだったので、ここからペースを上げようと先頭に出る。

市民140km 普久川ダムを越える優勝者の横塚 浩平(オーベスト)市民140km 普久川ダムを越える優勝者の横塚 浩平(オーベスト) photo:Makoto.AYANO上りに入ると山岳狙いの人や脚のある人が積極的に動いてくれたので、自分もそれに乗って集団を崩そうと試みる。一度目よりも速いペースで上っていき、山頂付近でポイント狙いの1人がアタックをかける。自分の目的はあくまで全体のペースアップなので、追いかけたくて仕方なかったが、ここは我慢。

山岳ラインを2番手で越え、後ろを確認。思ったより減っていない…。その後のアップダウンでアタックをかける人もいたので、それに乗るもうまく回らず吸収…。高江の上りでもとにかく人数を減らすべくペースを上げていく。

高江を越えてもしばらく先頭で走っていると、後ろから遠征メンバーの丸山英之(中央サイクリングクラブ)が飛び出してきた。この距離から単独アタック?と後を追うと目の前にスプリントラインが見える。あ、忘れてた!と思うも、あくまで自分はゴールを狙っているんだ…と言い聞かせる(本当は欲しかった…)。それでもスプリントは丸山さんが獲得、これは嬉しい!

スプリントラインを通過後、イナーメの永瀬選手も上がってきてこのままペースを上げようと声をかけてくれる。ありがたいと思い自分もローテーションに参加。後ろと差を開けようと自分も踏むがあまり全体の速度は上がらず吸収される。展開を作ろうと焦りすぎだったかもしれない。

しかし、慶佐次の補給所を迎える頃になっても、見たところ30〜40人は残っていた。気付くと脚にも疲労が見えており、後ろを削りきれなかったことに力不足を感じる。残り30kmを切ったところで、遠征メンバーの丸山英之(中央サイクリングクラブ)が単独アタックをかける。反応が遅れ一時は15秒までタイム差がつくも、前方の選手でペースを上げ、残り20km付近でこれを吸収。

東海岸のアップダウンを行く市民140kmのメイン集団 中央に優勝した横塚 浩平(オーベスト)東海岸のアップダウンを行く市民140kmのメイン集団 中央に優勝した横塚 浩平(オーベスト) photo:Makoto.AYANO
羽地ダムに向けて戦闘態勢に入る市民140kmのメイン集団羽地ダムに向けて戦闘態勢に入る市民140kmのメイン集団 photo:Makoto.AYANO直後、ステファノ・ジョルダーノ選手(FastLane)がアタック。強力な逃げに追走集団は機能せず、こちらも同じく遠征メンバーの鈴木達郎(アクアタマ)と2人で回すも差は縮まらず、前とは一気に25秒まで開く。自分をはじめ、この差をキープされたまま羽地の上りを迎えるのはまずいと感じた選手は、ここで一気に加速し前を猛追する。

羽地ダム登りで単独アタックしたステファノ・ジョルダーノ(FastLane)羽地ダム登りで単独アタックしたステファノ・ジョルダーノ(FastLane) photo:Makoto.AYANO羽地の手前で逃げを捕らえ、その勢いのまま羽地はアタックの応酬となる。この時点で一度脚が攣っていた自分としては本当に苦しかったが、ここで脚を緩めたらレースが終わると、必死に前にしがみついた。

ダムを越えて下り終え、気づけば市街地に。周りを確認すると自分含め7人になっており、後ろに集団は見えない。バイクから後方集団とのタイム差は50秒と伝えられる。

残り5km、この時点で優勝争いはこの7人に絞られたと確信。ここからはローテーションを回し皆ゴールへと備える。よく見ると遠征組の2人も残っている。レース前「3人で表彰台を独占しよう!」と言っていたのを思い出し、ゴールスプリントが楽しみになってきた。

そしてラスト1kmを切り、自分は2番手で最終コーナーに入る。が、ここで先頭がコースミス。1つ手前の道に入ろうとし、真後ろにいた自分もつられて減速する。その瞬間後ろから1人が飛び出しスプリントをかける。自分は一瞬で加速し直し、先頭の選手の後ろに入る。そして前の選手が減速しだした瞬間横に出て全開で踏む。

市民レース140km 横塚 浩平(オーベスト)が優勝市民レース140km 横塚 浩平(オーベスト)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
踏み始めた時点で残りおよそ400m。スプリントに自信はあったが、両脚も攣っており、ゴールラインまでもたないと判断し、後ろから数十m抜け出して一度サドルに腰を下ろす。後続と距離が開いたのを確認し、残り100mを全力で踏み直す。前輪がゴールラインに乗った瞬間腕を広げ叫んでいた。

レース後の同期ふたり。共にレースが出来てよかったレース後の同期ふたり。共にレースが出来てよかった ゴール後しばらくして2人の順位を確認。達郎は2位で丸山は4位。惜しい! あと一歩で全員表彰台だった。2人とも本当に強いのはわかっていたが、3人で最後のゴール争いまでできるとは思っていなかったので素直に嬉しかった。

市民140km 横塚 浩平(オーベスト)が優勝市民140km 横塚 浩平(オーベスト)が優勝 photo:Makoto.AYANO市民210kmを走り終えた西谷さんにも優勝報告。少人数に絞ってのスプリント勝ちなので認めていただけた。よかった…(笑)

表彰式後は先輩と別れ、急いでレンタカーを返すべくレーパンのまま車の運転。夜には那覇に到着し、サークル仲間3人で祝勝会。普段あまり酒の飲めない自分もこの日のビールは格別だった。全体を通して学生ならではのバタバタした旅ではあったが、それも含めとても楽しめた遠征だった。

レースの夜は那覇で同期ふたりと一緒に打ち上げをしたレースの夜は那覇で同期ふたりと一緒に打ち上げをした 最後に。自分にとっては激動の1シーズンでしたが、最後を勝利で締めくくれたのは嬉しい限りです。今回共に走ったサークルの仲間にはかなり刺激を受けました。チームは変われどいつまでも良きライバルです。また、これまで支えてくれた家族にはもちろん、こんなはみ出し者の自分を受け入れ、走り方を教えていただいたチームオーベストの皆様には感謝してもし切れません。

横塚浩平選手(オーベスト)がレースで使用したバイクはリドレー・NOAH横塚浩平選手(オーベスト)がレースで使用したバイクはリドレー・NOAH 来年のことはまだ決まっていませんが、また沖縄には戻ってきたいとは思っています。その時はもちろん210kmで!

使用機材
フレーム:RIDLEY NOAH
メインコンポ:シマノ6800 ULTEGRA
ホイール:Fulcrum Racing zero
タイヤ:Continental Grand Prix 4000sⅡ
シューズ:SIDI WIRE
ヘルメット:OGK KOOFU WG-1

市民レース140kmリザルト
1位 横塚 浩平(オーベスト)4:07:43.617
2位 鈴木 達朗
3位 伊藤 寿
4位 丸山 英之
5位 Stefano Giordano
6位 永瀬 勝彬
7位 齋藤 友一
8位 西山 信広
9位 松井 喬
10位 片山 星也

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