3日間の「OITAサイクルフェス!!!2015」の最終日、11月1日(日)はJプロツアー第24戦最終戦の「おおいた いこいの道クリテリウム」。JR大分駅南側に面する一等地が会場だ。現場は大分市が行なった大分駅南土地区画整理事業でつくられた、大分いこいの道芝生広場をメイン会場とし、周辺の一般公道がレースコースに。



宇都宮ブリッツェン勢が支配を続ける宇都宮ブリッツェン勢が支配を続ける photo:Hidaki TAKAGI
大分県内選抜選手によるエキシビション NIPPOヴィーニファンティーニが参加大分県内選抜選手によるエキシビション NIPPOヴィーニファンティーニが参加 photo:Hidaki TAKAGI市民パレード走行 来賓・招待選手も一緒に走る市民パレード走行 来賓・招待選手も一緒に走る photo:Hidaki TAKAGI

サイクルフェスの一環で行なわれた大分県内選抜選手によるエキシビションには、地元出身の黒枝士揮を含むNIPPOヴィーニファンティーニが参加。また市民パレード走行には、ゲストの新城幸也(チームユーロップカー)、自転車活用推進議員連盟の穴見陽一衆議院議員、佐藤樹一郎大分市長らも参加し、賑やかに。通商産業省出身の佐藤市長は競輪などを管轄する車両課当時に、1990年に日本で開催された世界選手権を担当していた経歴がある。

P1クラスタは予選2組合計70名が決勝へ進出。30周・33.0kmのレースだ。オープン参加で黒枝士揮や弟の黒枝咲哉(鹿屋体育大)らも出走した。レースはスタートから宇都宮ブリッツェン勢が前を固める。数人がアタックしていた昨年の展開とは異なり、宇都宮ブリッツェン勢が集団先頭にたち、高速で牽引するため一切の逃げが許されない。

会場はJR大分駅前のロケーション会場はJR大分駅前のロケーション photo:Hidaki TAKAGI近谷涼(マトリックスパワータグ)が前に出る近谷涼(マトリックスパワータグ)が前に出る photo:Hidaki TAKAGI

180度ターン部分も見どころ180度ターン部分も見どころ photo:Hidaki TAKAGI最終周回へ入る宇都宮ブリッツェン列車最終周回へ入る宇都宮ブリッツェン列車 photo:Hidaki TAKAGI


時折りマトリックスパワータグの安原大貴と近谷涼、チーム右京の住吉宏太らが先頭に出るものの、宇都宮ブリッツェン勢が奪い返して終始先頭をキープ。宇都宮ブリッツェン7人の列車の中には他チームが入るものの、常時ハイペースで進む隊列は乱れない。5周に1回のスプリント賞もまったく関係なくレースは進む。ブリッツェン7人のうち大久保陣と青柳憲輝は後方に位置する。この並びからスプリンターの大久保陣で勝負すると思われた。

レースは先頭から宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグそしてチーム右京の並びで終盤の勝負へ。そして最終周回、チーム右京の土井雪広と窪木一茂がラスト900mで先頭に立ち、土井の牽引から放たれた窪木が先頭で最終ターンをアウト側から攻める。これに対して大久保、青柳そして鈴木真理のブリッツェン列車はインを攻め、アウト側から回り込んだ窪木が失速。大久保に牽引された青柳がフィニッシュを制し優勝した。2位には大久保が入り、チームはワン・ツーを達成した。

宇都宮ブリッツェンがワン・ツー 青柳憲輝(右)が優勝宇都宮ブリッツェンがワン・ツー 青柳憲輝(右)が優勝 photo:Hidaki TAKAGIP1クラスタ 表彰P1クラスタ 表彰 photo:Hidaki TAKAGI

Jプロツアー年間総合成績 チーム総合優勝 チーム右京Jプロツアー年間総合成績 チーム総合優勝 チーム右京 photo:Hidaki TAKAGI昨年の大会では、前日にチーム総合優勝を決めた宇都宮ブリッツェンが主導権を握ったものの優勝できない悔しさがあった。さらに今シーズンも開幕戦の宇都宮クリテリウムから始まって悔しい展開・レースが続き、優勝は白浜クリテリウムの大久保、個人TTの増田成幸だけだった。今年のおおいたクリテは終始完璧にレースを運びチーム力で栄冠を勝ち取った。
Jプロツアー年間総合成績 個人総合優勝 畑中勇介(チーム右京)、個人総合U23優勝 新城雄大(那須ブラーゼン)Jプロツアー年間総合成績 個人総合優勝 畑中勇介(チーム右京)、個人総合U23優勝 新城雄大(那須ブラーゼン) photo:Hidaki TAKAGIE1 内山雅貴(ボンシャンス)が前日に続いて優勝E1 内山雅貴(ボンシャンス)が前日に続いて優勝 photo:Hidaki TAKAGI
宇都宮ブリッツェンとしては当初、スプリンターの大久保で勝負する予定だった。だが予選時の調子も良いことから、レース1時間前にエースを青柳へ変更。青柳必勝のストーリーは法政大学同期の大久保がその仕上げを務めた。青柳は作新学院高出身で法政大入り。在学中はインカレロード2位やツール・ド・北海道ステージ3位など。シマノレーシングへ入ってから台湾カップ優勝や岐阜国体ロード2位など挙げ、2014年から地元の宇都宮ブリッツェンに所属している。国内レースでの優勝はこれが初めてだ。

3月から始まったJプロツアー全24戦も、この大分連戦で終了。年間総合成績は個人では畑中勇介(チーム右京)、チームはチーム右京がそれぞれ優勝となった。年間を通じてはチーム右京勢が圧倒的な力を示した2015年シーズンだった。2016年のJBCFスケジュール等は12月12日に発表される予定だ。

結果
P1クラスタ 33.0km
1位 青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)40分07秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
3位 窪木一茂(Team UKYO)
4位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
5位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
6位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)+01秒
7位 畑中勇介(チーム右京)
8位 ロイック・デリアック(キナンサイクリングチーム)
9位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)+02秒
10位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)

Jプロツアー年間総合成績
個人総合優勝 畑中勇介(Team UKYO)
個人総合U23優勝 新城雄大(那須ブラーゼン)
チーム総合優勝 Team UKYO

E1クラスタ 26.4km
1位 内山雅貴(ボンシャンス)34分08秒
2位 田仲康矢(チームGINRIN熊本)
3位 山口雄大(Pinazou Test Team)
4位 所司純一(モジュマ エリアゼロナナゴ)+01秒
5位 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)
6位 大堀雅行(PURPURE MONKEY)

photo&text:高木秀彰