2015/09/08(火) - 09:12
ツール・ド・フランスを走った全22チームのバイクを、2チームごとに11回にわけて紹介。第8段では第1ステージのTTをローハン・デニス(オーストラリア)が制したBMCレーシングと、アンドレ・グライペルが今ツール最多のステージ4勝を挙げたロット・ソウダルのバイクをピックアップします。
BMCレーシング【teammachine SLR01、timemachine TM01(TTバイク)】
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)のteammachine SLR01 photo:Makoto.AYANO
ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が第2ステージで使用したマイヨジョーヌカラーのSLR01 photo:Makoto.AYANO
ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)が駆るナショナルチャンピオン仕様のSLR01 photo:Makoto.AYANO
BMCレーシングは、全ライダーがステージを問わずオールラウンドモデル「teammachine SLR01」を使用。初日のタイムトライアルを制したローハン・デニス(オーストラリア)は第2ステージでマイヨジョーヌカラーの、ダニーロ・ウィスはスイスナショナルチャンピオン仕様のオールレッドのバイクを駆った。
コンポーネントはペダルまで含め、シマノDURA-ACE Di2をフルセットで採用し、クランクにはSRMのDURA-ACEの4アームタイプを組み合わせている。そして、総合リーダーを務めたティージェイ・ヴァンガーデレンは、決戦用パーツとして第9ステージで、表面研磨と特殊コーティングによって摩擦抵抗を極限まで抑えたDURA-ACEベースのセラミックスピードUFOチェーンを投入した。
サドルにはフィジーク photo:Makoto.AYANO
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2をフルセットで採用 photo:Makoto.AYANO
ヴァンガーデレンは第9ステージでセラミックスピードのUFOチェーンを投入 photo:Makoto.AYANO
ボトルケージはホールド力に優れるエリートSiorを選択 photo:Makoto.AYANO
ホイールもDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズ。50mm、35mm、24mmの3種類のハイトをコースに応じて使い分けた。組み合わせるタイヤは市販品よりもハイグリップなコンパウンドを採用したコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。中にはセンタートレッドをスリックとした、これまでにない仕様のものも投入されていた。
ハンドルとステムは3Tで、セカンドグレードの「TEAM」をメインに使用。サドルはフィジークのサポートを受け、ヴァンガーデレンら多くのライダーが溝によって快適性を高めた「VS」モデルを使用する。ボトルケージはエリートで、BMCレーシングは従来より特にホールド力に優れる「Sior」を好んでチョイスしている。
ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)のtimemachine TM01 photo:Makoto.AYANO
TTバイクは「timemachine TM01」。フォークと一体化されたVブレーキやヘッドチューブ、コンパクトなリア三角など、昨今トレンドとなっている仕様をいち早く取り入れたベンチマーク的な1台だ。大写真のデニスのバイクをはじめ、多くのライダーのバイクにシマノ/PROではなく、スポンサー外メーカーのホイールが取り付けられいた。
ロゴのないホイールは、フロントの3バトンがHEDのGT3。リアのディスクはチームは従来より使用するライトウェイトだと思われるが、放射状の独特の網目が見えない(もしくはスッテカーで隠されている)ため、真相は不明だ。
TT用モデルTritoneやAres、ロード用のAntaresを使いわける photo:Makoto.AYANO
TT巧者のデニスらしく、左右のDHバー間の幅は狭い photo:Makoto.AYANO
ホイールはシマノとPROの供給を受けるものの、レースではサポート外のホイールを使用していた photo:Makoto.AYANO
複数の選手がサポート外のホイールを使用した photo:Makoto.AYANO
そして、フォークとハンドルを一体成型しハンドル位置を下げるという特別な加工を施したバイクもあったよう。ちなみに、デニスがアワーレコードに挑戦した際のバイクにも同様の加工がなされていた。
ロット・ソウダル【リドレー NOHA SL、FENIX SL、HELIUM SL、DEAN FAST(TTバイク)】
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)のリドレー NOAH SL photo:Makoto.AYANO
アンドレ・グライペル(ドイツ)が今ツール最多となるステージ4勝をマークしたロット・ソウダル。バイクサプライヤーはチームと同じくベルギーを拠点とするリドレーだ。軽量性と汎用性を高めた新型エアロロード「NOHA SL」、春先のクラシックレースでデビューした新型モデル「FENIX SL」、ハイエンドの一翼を担う軽量モデル「HELIUM SL」と3台のマシンをライダーの好みに応じて使い分けた。
アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)のバイクにはられたデカール。今回のツールで、12連続グランツール完走を達成した photo:Makoto.AYANO例えばグライペルは、シャンゼリゼを始めとした平坦基調のステージでは「NOHA SL」を、アップダウンに富んだステージで「FENIX SL」を選択。グランツール12大会連続完走を果たしたアダム・ハンセン(オーストラリア)はほとんどのステージで「HELIUM SL」を駆った。
コンポーネントには電子式のカンパニョーロSUPERRECORD EPSを採用。クランクには、カンパニョーロ4アームタイプのSRMをアッセンブル。また、ワイヤーは従来より自費購入しており、このほど正式なサポート契約を締結したジャグワイヤーのアルミリンク式「I-Link」に換装されている。
ホイールは、ワイドリムとなった新型のカンパニョーロ「BORA ULTRA」シリーズ。50mmハイトモデルをメインに、35mmハイトモデルと使い分けた。組み合わせるタイヤは市販よりも更にハイグリップなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」で、幅は25mmが標準だ。ただしグライペルだけは例外で、ホイールは旧型のBORA ULTRAとし、タイヤは22mm幅を選択している。
イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ソウダル)のリドレー FENIX SL photo:Makoto.AYANO
ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティで、アルミ製モデルが使用率が高い。またグライペルはハンドル周りに更なる剛性を求めて、ハンドルクランプ部の直径が35mmの「M35」シリーズをチョイス。その他、サドルはサンマルコ、バーテープはリザードスキン、ペダルはルック KeO Blade 2、ボトルケージはタックスDevaとしている。
ロット・ソウダルのリドレー DEAN FAST photo:Makoto.AYANO
TTバイクは整流効果を高めるフォーク及びシートステーのスリットが特徴的な「DEAN FAST」。サポートブランド以外のパーツがアッセンブルされることが少なくないTTバイクにおいて、ロットソウダルはほぼ全てをサポートブランドのパーツで固めている。唯一異なるのはボトルケージ及びボトルで、他のタックスサポートチームと同様に、エリートKIT CHRONOのセットをロゴを張り替えて使用する。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
BMCレーシング【teammachine SLR01、timemachine TM01(TTバイク)】



BMCレーシングは、全ライダーがステージを問わずオールラウンドモデル「teammachine SLR01」を使用。初日のタイムトライアルを制したローハン・デニス(オーストラリア)は第2ステージでマイヨジョーヌカラーの、ダニーロ・ウィスはスイスナショナルチャンピオン仕様のオールレッドのバイクを駆った。
コンポーネントはペダルまで含め、シマノDURA-ACE Di2をフルセットで採用し、クランクにはSRMのDURA-ACEの4アームタイプを組み合わせている。そして、総合リーダーを務めたティージェイ・ヴァンガーデレンは、決戦用パーツとして第9ステージで、表面研磨と特殊コーティングによって摩擦抵抗を極限まで抑えたDURA-ACEベースのセラミックスピードUFOチェーンを投入した。




ホイールもDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズ。50mm、35mm、24mmの3種類のハイトをコースに応じて使い分けた。組み合わせるタイヤは市販品よりもハイグリップなコンパウンドを採用したコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。中にはセンタートレッドをスリックとした、これまでにない仕様のものも投入されていた。
ハンドルとステムは3Tで、セカンドグレードの「TEAM」をメインに使用。サドルはフィジークのサポートを受け、ヴァンガーデレンら多くのライダーが溝によって快適性を高めた「VS」モデルを使用する。ボトルケージはエリートで、BMCレーシングは従来より特にホールド力に優れる「Sior」を好んでチョイスしている。

TTバイクは「timemachine TM01」。フォークと一体化されたVブレーキやヘッドチューブ、コンパクトなリア三角など、昨今トレンドとなっている仕様をいち早く取り入れたベンチマーク的な1台だ。大写真のデニスのバイクをはじめ、多くのライダーのバイクにシマノ/PROではなく、スポンサー外メーカーのホイールが取り付けられいた。
ロゴのないホイールは、フロントの3バトンがHEDのGT3。リアのディスクはチームは従来より使用するライトウェイトだと思われるが、放射状の独特の網目が見えない(もしくはスッテカーで隠されている)ため、真相は不明だ。




そして、フォークとハンドルを一体成型しハンドル位置を下げるという特別な加工を施したバイクもあったよう。ちなみに、デニスがアワーレコードに挑戦した際のバイクにも同様の加工がなされていた。
ロット・ソウダル【リドレー NOHA SL、FENIX SL、HELIUM SL、DEAN FAST(TTバイク)】

アンドレ・グライペル(ドイツ)が今ツール最多となるステージ4勝をマークしたロット・ソウダル。バイクサプライヤーはチームと同じくベルギーを拠点とするリドレーだ。軽量性と汎用性を高めた新型エアロロード「NOHA SL」、春先のクラシックレースでデビューした新型モデル「FENIX SL」、ハイエンドの一翼を担う軽量モデル「HELIUM SL」と3台のマシンをライダーの好みに応じて使い分けた。

コンポーネントには電子式のカンパニョーロSUPERRECORD EPSを採用。クランクには、カンパニョーロ4アームタイプのSRMをアッセンブル。また、ワイヤーは従来より自費購入しており、このほど正式なサポート契約を締結したジャグワイヤーのアルミリンク式「I-Link」に換装されている。
ホイールは、ワイドリムとなった新型のカンパニョーロ「BORA ULTRA」シリーズ。50mmハイトモデルをメインに、35mmハイトモデルと使い分けた。組み合わせるタイヤは市販よりも更にハイグリップなコンパウンドを使用したコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」で、幅は25mmが標準だ。ただしグライペルだけは例外で、ホイールは旧型のBORA ULTRAとし、タイヤは22mm幅を選択している。

ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティで、アルミ製モデルが使用率が高い。またグライペルはハンドル周りに更なる剛性を求めて、ハンドルクランプ部の直径が35mmの「M35」シリーズをチョイス。その他、サドルはサンマルコ、バーテープはリザードスキン、ペダルはルック KeO Blade 2、ボトルケージはタックスDevaとしている。

TTバイクは整流効果を高めるフォーク及びシートステーのスリットが特徴的な「DEAN FAST」。サポートブランド以外のパーツがアッセンブルされることが少なくないTTバイクにおいて、ロットソウダルはほぼ全てをサポートブランドのパーツで固めている。唯一異なるのはボトルケージ及びボトルで、他のタックスサポートチームと同様に、エリートKIT CHRONOのセットをロゴを張り替えて使用する。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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