都市圏人口290万人のデンバーで最終日を迎えたUSAプロチャレンジ(UCI2.HC)。危なげなく市街地周回コースを走りきったローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がアメリカ国外選手初の総合優勝に輝いた。



デンバーの周回コースを駆け抜けるリーダージャージデンバーの周回コースを駆け抜けるリーダージャージ photo:Tim de Waele


USAプロチャレンジ2015第7ステージUSAプロチャレンジ2015第7ステージ image:www.usaprocyclingchallenge.comコロラド州の州都デンバーに到着したUSAプロチャレンジ。最終日は前半に3級山岳ルックアウトマウンテンを越え、後半にかけてデンバーの市街地周回コースを駆ける110kmで行われた。

BMCレーシングを先頭に進むメイン集団BMCレーシングを先頭に進むメイン集団 photo:Tim de Waele3級山岳ルックアウトマウンテンで形成されたクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)やハニエル・アセベド(コロンビア、キャノンデール・ガーミン)ら6名の逃げが2分弱のリードでデンバー周回コースに向かう。

逃げるクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)ら逃げるクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)ら photo:Tim de Waeleリードを奪えない逃げグループからはグレゴリー・ダニエル(アメリカ、アクセオンサイクリング)がアタックし、セレンセンだけを連れてエスケープを続行。BMCレーシングやユナイテッドヘルスケア率いるメイン集団から数十秒のリードを得たまま逃げ続けたが、最終周回を前にダニエルとセレンセンは吸収された。

デンバーの中心部に向かうプロトンデンバーの中心部に向かうプロトン photo:Tim de Waeleユナイテッドヘルスケア、ジェリーベリー、ジェーミス・ハーゲンベルマン、アクセオンサイクリング、キャノンデール・ガーミン、ヒンカピーレーシングが先頭で競り合い、残り6kmを切ったところでBMCレーシングが先頭に立った。

最終ステージを制したジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)最終ステージを制したジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:Tim de Waeleここまでの6ステージで4勝しているBMCレーシングが、総合首位ローハン・デニス(オーストラリア)をエスコートするとともにテイラー・フィニー(アメリカ)をスプリントに導く。残り1kmアーチを前にリーダージャージを着るデニスがサプライズアタックを仕掛けた。

デニスのアタックがユナイテッドヘルスケアによって封じ込められると、最終コーナーを立ち上がったところでスプリント開始。第1ステージ同様にフィニーがロングスプリントを敢行。しかし加速力でジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利した。

「昨日の時点でチームメイトであるキール・レイネンのポイント賞獲得が確定していたので、今日は自分のスプリントに集中することが許された。全力でサポートしてくれたチームメイトたちに報いることが出来たよ」と、勝利したマーフィーは語る。同時に、BMCレーシングの活躍の陰でステージ上位入賞を続けたキール・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)がポイント賞に輝いている。

そしてデニスの総合優勝が決定。ステージ2勝を飾り、大会初のアメリカ国外総合優勝者になったデニスは「とても楽しい1週間だった。また出場したい。最初はブレント(ブックウォルター)をアシストする予定だったけど、予想以上に自分の調子が良かったので戦略を変えた。そこから真摯にアシストしてくれた彼にはとても感謝しているよ」と語っている。

ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)が総合2位に入り、BMCレーシングが総合ワンツー勝利を達成。総合3位には個人タイムトライアルでデニスに次いで2位に入ったロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)が入っている。また、来季チームスカイ入りが決まっているタオ・ゲオゲガンハート(イギリス、アクセオンサイクリング)がヤングライダー賞に輝いた。

選手コメントはチーム公式サイトより。



総合優勝に輝いたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)総合優勝に輝いたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Tim de Waele
激しくシャンパンファイトするBMCレーシング激しくシャンパンファイトするBMCレーシング photo:Tim de Waele



USAプロチャレンジ2015第7ステージ結果
1位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)       2h20’03”
2位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
3位 ルーカス・アエド(アルゼンチン、ジェーミス・ハーゲンベルマン)
4位 トラヴィス・マッケイブ(アメリカ、スマートストップ)
5位 ファビオ・シルベストレ(ポルトガル、トレックファクトリーレーシング)
6位 キール・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、オプティム・ケリーベネフィット)
8位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ヒンカピーレーシング)
9位 ジョーダン・カービー(オーストラリア、ドラパック)
10位 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック)

個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)         23h53’44”
2位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)         +40”
3位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)             +1’31”
4位 ギャヴィン・マニオン(アメリカ、ジェリーベリー)           +1’49”
5位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリー)         +1’53”
6位 ラクラン・ノリス(オーストラリア、ドラパック)            +1’58”
7位 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、アクセオンサイクリング)
8位 トムス・スクインス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)         +2’08”
9位 ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル)              +2’13”
10位 ジュリアン・ベルナール(フランス、トレックファクトリーレーシング) +2’14”

ポイント賞
キール・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)

山岳賞
ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

ヤングライダー賞
タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、アクセオンサイクリング)

チーム総合成績
BMCレーシング

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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