2015年グランツールの最後を飾るにふさわしいオールラウンダーが揃うブエルタ・ア・エスパーニャ。フルーム、バルベルデ、キンタナ、アルら、マイヨロホを狙う有力選手たちをピックアップ。



ブエルタ総合リーダーの証、マイヨロホ(レッドジャージ)

マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Unipublicブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉、それがレッドジャージを意味するマイヨロホだ。長年にわたって金色のマイヨオロが採用されていたが、ツール主催者ASOがブエルタ主催者Unipublicに資本参入を開始したことを受け、2010年にスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。

ツールのマイヨジョーヌ、ジロのマリアローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨロホを着る。つまり最終日にマイヨロホを着る選手がブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。2013年からジャージスポンサーを務めるのは売り上げ世界2位のスーパーマーケットチェーン「カルフール」だ。

ボーナスタイムは今年も健在。ブエルタでは各ステージの上位3名(1位10秒、2位6秒、3位4秒)と中間スプリントポイント上位3名(1位3秒、2位2秒、3位1秒)にボーナスタイムが与えられるため、山頂フィニッシュで活躍する選手が加速度的に総合リードを広げるだろう。



2014年ブエルタの総合表彰台に登る3位バルベルデ、1位コンタドール、2位フルーム2014年ブエルタの総合表彰台に登る3位バルベルデ、1位コンタドール、2位フルーム photo:Unipublic


チームスカイ、モビスター、アスタナを中心にしたマイヨロホ争い

ツール2勝目をアピールするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ツール2勝目をアピールするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waeleジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの同年制覇を試みたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は、連覇がかかったブエルタを欠場する。コンタドールのいないティンコフ・サクソはツールの山岳ステージを制したラファル・マイカ(ポーランド)をはじめ、若い選手を揃えての出場だ。

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Tim de Waeleツールを制したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は自身4度目のブエルタ出場。初出場した2011年はステージ優勝&総合2位に入り、2012年は総合4位。ツールを落車リタイアした2014年には再びブエルタの総合争いに加わって総合2位でレースを終えている。

ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ)ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele仮にフルームがブエルタで総合優勝に輝けばイギリス人選手初の快挙であり、1963年のジャック・アンクティル(フランス)と1978年のベルナール・イノー(フランス)に続く史上3人目のツール=ブエルタ同年制覇者となる。なお、ブエルタの開催時期が4月〜5月から8月〜9月に移行した1995年以降、ツール=ブエルタ同年制覇を達成した選手はいない。

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiツールでフルームの総合優勝を支えたゲラント・トーマス(イギリス)とニコラス・ロッシュ(アイルランド)が引き続き出場。セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)やミケル・ニエベ(スペイン)、イアン・ボスウェル(アメリカ)らが山岳ステージでフルームをアシストする。

ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) photo:Tim de Waeleパリ・シャンゼリゼのツール総合表彰台でフルームの両脇を固めたナイロ・キンタナ(コロンビア)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)がモビスターのダブルエースとして出場。ツールの総合トップスリーが再びブエルタで顔を合わせることになった。

ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) photo:Tim de Waeleキンタナは自身3回目のブエルタ出場。2014年のブエルタではマイヨロホを獲得しながらも第10ステージの個人タイムトライアルで落車して4分のタイムロスを被り、さらに翌日の第11ステージで落車して鎖骨骨折リタイアしている。

ツールで初めて総合表彰台に登ったバルベルデは2009年のブエルタ総合優勝者。ブエルタではこれまで総合表彰台に6回登っており、近年は欠かさず総合争いに絡んでいる(2012年総合2位、2013年総合3位、2014年総合3位)。なお、モビスターのエースナンバーを付けるのは25歳のキンタナではなく35歳のバルベルデだ。

チームスカイとモビスターの間に割って入る勢いなのが、トリプルエース体制で挑むアスタナだ。ジロで総合2位と総合3位に入ったファビオ・アル(イタリア)とミケル・ランダ(スペイン)が揃って出場。ここにツール総合4位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が加わる。

アルは2014年ブエルタでステージ2勝を飾って総合5位。ランダは4回目のブエルタ出場。そしてニーバリは2010年ブエルタの総合優勝者。総合表彰台の実力がある3名の断続的なアタックはライバルたちの脅威になるだろう。

地元スペインの総合上位候補としてはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やサムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)、ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)らの名前が挙がる。

ツールでステージ2勝を飾ったロドリゲスはこれまでグランツールの総合トップ10フィニッシュを10回経験。総合表彰台に4回登っているが、まだ表彰台の真ん中に立ったことはない。36歳のベテランクライマーにとって、激坂揃いのブエルタは大きなチャンスだ。

サンチェスはツール途中リタイアのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)とダブルエース体制。ヴァンガーデレンが不調から回復していれば必ず総合上位に絡んでくるだろう。なお、アメリカからは歴史上最多9名の選手が出場する。

キャノンデール・ガーミンのアンドリュー・タランスキー(アメリカ)とダニエル・マーティン(アイルランド)の他、ジロを落車リタイアしたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)、フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)、ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)ら、クライマー系オールラウンダーが総合争いに絡んでくるはず。ワイルドカード枠でツールに続いて出場するMTNキュベカはツアー・オブ・ターキー覇者のナトナエル・ベルハネ(エリトリア)をエースに立てるだろう。



ブエルタ歴代総合優勝者
2014年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2013年 クリストファー・ホーナー(アメリカ)
2012年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2011年 ファンホセ・コーボ(スペイン)
2010年 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)
2009年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2008年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2007年 デニス・メンショフ(ロシア)
2006年 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)
2005年 デニス・メンショフ(ロシア)
2004年 ロベルト・エラス(スペイン)
2003年 ロベルト・エラス(スペイン)
2002年 アイトール・ゴンザレス(スペイン)
2001年 アンヘル・カセロ(スペイン)
2000年 ロベルト・エラス(スペイン)
1999年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)
1998年 アブラハム・オラーノ(スペイン)
1997年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1996年 アレックス・ツェーレ(スイス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1991年 メルチョル・マウリ(スペイン)
1990年 マルコ・ジョヴァネッティ(イタリア)

text:Kei Tsuji
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