リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを思わせる丘陵コースで、ディフェンディングチャンピオンのティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)がフィニッシュまで29kmを残してアタック。後続を引き離してステージ優勝したウェレンスが総合リードを得て最終ステージに挑む。



ベルギーのワロン地方を一路南下するベルギーのワロン地方を一路南下する photo:Tim de Waele


エネコ・ツアー2015第6ステージエネコ・ツアー2015第6ステージ image:www.sport.be/enecotourドイツやオランダ、ルクセンブルクとの国境に近いベルギー・ワロン地方を舞台にしたエネコ・ツアー第6ステージ。前日に引き続き「アルデンヌクラシック」の再現とも言えるコースレイアウトで、距離の長い登りが15ヶ所組み込まれている。距離が208.6kmに及ぶクイーンステージを締めくくるのは急勾配のサンロッシュなど4つの急坂を含む周回コース(2周)で、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの折り返し地点バストーニュに近いウファリーズでフィニッシュを迎える。

ゲシュケとロジャースを振り切るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)ゲシュケとロジャースを振り切るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waeleレース序盤から逃げたのはセバスティアン・テュルゴー(フランス、AG2Rラモンディアール)、ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)、マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)、ヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、ジェローム・バウニース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)という5名。最大4分まで広がったタイム差をロットNLユンボ率いるメイン集団が追いかける。

追走を仕掛けるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)追走を仕掛けるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Tim de Waeleレースが活発化したのはフィニッシュまで69kmを残した1回目のサンロッシュの登り。グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)らのアタックによって8名の追走グループが形成され、リーダージャージのウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)は集団後方に取り残されてしまう。ファンアフェルマートを含む追走グループは結局メイン集団に引き戻されたが、ペースアップによって逃げグループとのタイム差が一気に縮まった。

フィニッシュまで独走するティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)フィニッシュまで独走するティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele断続的に登場する登りを進むうちに20名ほどに絞られたメイン集団からは再びファンアフェルマートが動き、先頭で独走していた元アワーレコード保持者のブランドルをキャッチ。続いてサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)がカウンターアタックを仕掛けるとマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)とウェレンスの2人が反応した。

雨のウファリーズに独走フィニッシュするティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)雨のウファリーズに独走フィニッシュするティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waeleリードを得た状態で3回目のサンロッシュをクリアした3名の中から残り29km地点でアタックしたのはウェレンス。3連続スプリントポイントを先頭通過してボーナスタイム9秒を獲得したウェレンスがそのまま独走を継続する。後方でファンアフェルマートとゲシュケが追走を試みたが、先頭ウェレンスのリードは広がり続けた。

雨のウファリーズに単独でやってきたディフェンディングチャンピオンのウェレンスがステージ優勝。49秒差のステージ2位にファンアフェルマート、51秒差のステージ3位にゲシュケが入り、1分17秒遅れたリーダージャージのケルデルマンからウェレンスが総合首位を奪う結果に。

「ゴールデンキロメーター(3連続スプリントポイント)のボーナスタイム9秒を狙ったところ、後続と距離が開いたのでそのまま独走したんだ。残り10kmを切ってからの平坦区間は苦しかったけど、幸運にも最後まで逃げ切ることができた。ぱっとせずに終わったツール・ド・フランスの後で、大きなやる気に繋がる勝利だ。昨年同様、大会のクイーンステージで優勝。でも今回の勝利はより価値がある」と、ステージ優勝とリーダージャージを同時に手にしたウェレンスは語る。

大会連覇に王手をかけたウェレンスは「昨年よりも大きな総合リードで最終ステージに挑む。厳しいステージだけど、強力なチームメイトが助けてくれるはず」とコメント。

ベルギーのフランドル地方に舞台を移して行われるエネコ・ツアーの最終日第7ステージは「ミュール」や「ボスベルグ」など激坂を17ヶ所クリアするロンド・ファン・フラーンデレンさながらのレイアウト。ベルギーチーム所属のベルギー人選手がタイトル防衛に挑む。

選手コメントはレース公式サイトより。



リーダージャージを手にしたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)リーダージャージを手にしたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele




エネコ・ツアー2015第6ステージ結果
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)        5h28’46”
2位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)     +49”
3位 サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)       +51”
4位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)       +1’03”
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、キャノンデール・ガーミン)  +1’07”
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)        +1’13”
7位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
10位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)       +1’17”

個人総合成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)        22h12’59”
2位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)    +1’03”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)        +1’17”
4位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)        +1’40”
5位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) +1’48”
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)    +1’51”
7位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)           +1’54”
8位 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)+2’05”
9位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)        +2’13”
10位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)

ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
ロット・ソウダル

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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