セライタリア　ノーズ部の細さを追求したFRICTION FREEシリーズ、復活した90年代の人気モデルNovus

数多くのプロチームが使用するイタリアの老舗サドルブランド、セライタリア。2015ラインアップより、ノーズ部の細さを追求した「FRICTION FREE」シリーズと、復活した1990年代の人気モデル「Novus」という２つの新モデルを紹介する。取り扱いは日直商会が行う。

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セライタリア FRICTION FREEシリーズ

セライタリア SLR FRICTION FREE FLOW（手前）、FLITE FRICTION FREE（奥） photo:Yuya.Yamamoto
FRICTION FREEシリーズは、最もポピュラーで組み合わせるシートピラーを選ばない2本レールでありながら、ノーズ部の細さを最大限に追求したサドル。大腿部の内側とノーズ部の摩擦を低減することで、ペダリング効率の向上を実現したことが特徴だ。世界中の40,000人を超えるサイクリストの計測結果をベースとしたセライタリアの研究データによれば40％以上のライダーにFRICTION FREEシリーズはマッチするという。

先代モデルよりノーズ部分の細さに定評があった「FLITE」と、フラットで薄い座面ながらも快適性が高いことから競技者を中心に人気を集める「SLR」、その穴あきモデル「SLR FLOW」という3つの定番モデルにFRICTION FREEシリーズがラインアップされる。

フラットな座面形状を持つFLITE FRICTION FREE 比較的ワイドなFLITE FRICTION FREEの座面後方

接着剤のはみ出しなどのないクリーンなベース裏面 ノーズ部の細さを最大限に追求したFRICTION FREEデザインを採用。レールは中空チタン製だ


ノーズ部分の実測最細部の幅はFLITEが36mm、SLR FLOWが36.6mm。因みにノーズ部分の細さで有名なセライタリアの初代フライトでも40mm弱である。骨盤幅が狭くクリートを内側にセットしている方や大柄で足がしっかりとした方の中で、サドルとの擦れに悩んでいるという方におすすめだ。

サイズ及び重量はFLITEが145×275mmで218g（実測）、SLRが131×275mmで185g、SLR FLOWが131×275mmで184g（実測）。中空チタン製のレールはノーズの細さを追求するため、シートポストの取付部が一般的なサドルよりも後方に位置しており、取付部先端とサドル先端の距離は3モデルとも14.5cm。調整幅も他モデルより1cmほど短い5.5cmであるため、FLITEやSLRのノーマルモデルからの交換であっても、好みのポジションが実現できるか否かチェックする必要があるだろう。

生産はイタリア国内で行われており、マイクロファイバー製の表皮の末端も非常に丁寧に処理されている。なお、いずれもパッティングは薄手だが、ベースが柔軟性に富んでいることから、衝撃吸収性にも期待できる。

セライタリア SLR FRICTION FREE (c)日直商会すらっと前方に突き出たノーズ。シートポストの取付部分は後方に位置する

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セライタリア Novus

セライタリア Novus KIT CARBONIO FLOW（手前）、セライタリア Novus FLOW（奥） photo:Yuya.Yamamoto
同郷のスポーツカーメーカーのフェラーリとのコラボレーションモデルがリリースされるなど、1990年代に人気を集めた「Novus」。当時の面影を残しつつも、セライタリアが持つ最新テクノロジーによってレーシングサドルとして2015ラインアップに復活を果たした。

座面形状は縦にも横にもカーブが大きく、シッティングポジションを比較的後方としたトラディショナルな設計とされている。これにより腰を落ち着かせることができ、より大きなパワーでペダリングすることが可能になるという。また、従来モデルでは中央に溝が貫かれていた一方で、新型では穴を設けることでデリケートゾーンへのストレスを低減。やや厚手なパッティングとあわせて、快適性を高めている。

カーブの大きいトラディショナルな座面形状をもつNovus KIT CARBONIO FLOWにはカーボンとセラミックを組み合わせたカーボケラミックレールを採用

微妙に色味の異なる2種類のマイクロファイバーを組み合わせた表皮 ボンディング部分を覆うカバーによってクリーンな見た目を実現したベース裏面


また、イタリアンブランドならではの高級感あるルックスもNovusの特徴の1つ。表皮は微妙に色の異なる2つの黒のマイクロファイバーを組み合わせ、表面にはパンチング加工が施されている。そして、ノーズと後端部にはボンディング部を覆うカバーを配し、ベース裏面もクリーンな見た目を実現。また接着材が水に濡れにくくなることから、耐久性の向上にも期待できるだろう。

ラインアップはレールの素材別に、カーボンとセラミックを組み合わせ支点感の距離を大きくとることで柔軟性を高めたカーボケラミックレールの「KIT CARBONIO FLOW」と、より強度に優れる中空チタンレールの「FLOW」という2種類。それぞれで座面寸法が275×137mmのSサイズと278×146mmのLサイズが用意される。実測重量はKIT CARBONIO FLOWのSサイズで193g、FLOWのLサイズで224gだ。

中空チタンレールを採用するセライタリア Novus FLOW KIT CARBONIO FLOWは前後のカバーをカーボン製としている