懸命に追走したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)も、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)の背中には届かなかった。ブエルタ・ア・アンダルシア第3ステージのアザリャナス峠でコンタドールが勝利。総合リードを広げることに成功した。
アンダルシア地方内陸の山岳地帯を行く photo:Tim de Waele
レース序盤から逃げた選手たち photo:Tim de Waele1級山岳アザリャナス峠が157.6kmコースの最後に待ち構えている。登坂距離7.3km/平均勾配10%で、前半にかけてコンスタントに12%を超える区間も登場。ここでの主役は、やはり、リーダージャージを着るコンタドールだった。
ティンコフ・サクソが牽引するプロトン photo:Tim de Waeleティンコフ・サクソによる支配的なレースコントロールによって逃げは行き場を失い、集団が一つにまとまったまま最後の1級山岳アザリャナス峠へ。チームスカイが主導権奪取を試みたものの、豊富なアシスト陣を先頭に送り込んだティンコフ・サクソがそれを許さない。
追走するピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)やロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Tim de Waele今季からチームに加わったイヴァン・バッソ(イタリア、ティンコフ・サクソ)のハイペースによってクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を含むライバルたちは苦しみ、そこからコンタドールがアタック。リーダージャージによる先頭独走が始まった。
リズムを取り戻したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が2番手に浮上 photo:Tim de Waeleピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)やロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)、ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)が追走を試みたが、先頭コンタドールの勢いは衰えない。ようやくリズムをつかんだフルームが追走グループに合流し、やがて抜け出して単独2番手に。30秒先のコンタドールをシッティングで追い続けた。
残り1kmを切ってからフルームに秒差を詰められながらも、先頭コンタドールはリードを守りきったままフィニッシュ。最終的にステージ2位のフルームとのタイム差は19秒。山頂決戦を制したコンタドールが総合リードを固めることに成功した。
今シーズン最初の拳銃バキュンポーズを炸裂させたコンタドールは「チームメイトたち一人一人が完璧な仕事をこなしてくれた。序盤からレースをコントロールして、終盤のアタックをお膳立てしてくれたんだ。彼らのペーシングがライバルたちを苦しめたのは間違いない。バッソのハイペースによって後続と距離が開いたので、そこから加速して独走に持ち込んだんだ」と語っている。
一方、敗れながらも終盤にかけてペースを上げる走りを見せたフルームは「アルベルトに負けて2位になったことは悔しいけど、レース内容には満足している。冬場のハードトレーニングが報われた気分だ。自分の目標はシーズン後半に向けてコンディションを上げること。だからジロ出場予定のアルベルトとはコンディショニングが異なる。シーズン初戦としては素晴らしい結果だ」とコメント。フルームを含め、チームスカイは総合トップ10に4名を送り込んでいる。
この日ステージ3位に入ったロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)はSTRAVAにて走行データを公開している。バルデは最後の1級山岳アザリャナス峠を25分12秒かけ、平均17.4km/hで登坂。ステージ6位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)も同様に走行データを公開しており、平均17.3km/h、ケイデンス82rpm、心拍数173bpm、平均390Wだった。
選手コメントはチーム公式サイトより。
お決まりのポーズを今季初披露したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele
ブエルタ・ア・アンダルシア2015第3ステージ
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 4h19’15”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +19”
3位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +1’39”
4位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1’58”
5位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) +2’02”
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +2’05”
7位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ) +2’15”
8位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +2’16”
9位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +2’30”
10位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カハルーラル) +2’42”
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 12h22’55”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +27”
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1’59”
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +2’13”
5位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +2’28”
6位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) +2’30”
7位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ) +3’19”
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング) +3’41”
9位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) +4’10”
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +4’15”
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele





残り1kmを切ってからフルームに秒差を詰められながらも、先頭コンタドールはリードを守りきったままフィニッシュ。最終的にステージ2位のフルームとのタイム差は19秒。山頂決戦を制したコンタドールが総合リードを固めることに成功した。
今シーズン最初の拳銃バキュンポーズを炸裂させたコンタドールは「チームメイトたち一人一人が完璧な仕事をこなしてくれた。序盤からレースをコントロールして、終盤のアタックをお膳立てしてくれたんだ。彼らのペーシングがライバルたちを苦しめたのは間違いない。バッソのハイペースによって後続と距離が開いたので、そこから加速して独走に持ち込んだんだ」と語っている。
一方、敗れながらも終盤にかけてペースを上げる走りを見せたフルームは「アルベルトに負けて2位になったことは悔しいけど、レース内容には満足している。冬場のハードトレーニングが報われた気分だ。自分の目標はシーズン後半に向けてコンディションを上げること。だからジロ出場予定のアルベルトとはコンディショニングが異なる。シーズン初戦としては素晴らしい結果だ」とコメント。フルームを含め、チームスカイは総合トップ10に4名を送り込んでいる。
この日ステージ3位に入ったロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)はSTRAVAにて走行データを公開している。バルデは最後の1級山岳アザリャナス峠を25分12秒かけ、平均17.4km/hで登坂。ステージ6位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)も同様に走行データを公開しており、平均17.3km/h、ケイデンス82rpm、心拍数173bpm、平均390Wだった。
選手コメントはチーム公式サイトより。

ブエルタ・ア・アンダルシア2015第3ステージ
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 4h19’15”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +19”
3位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +1’39”
4位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1’58”
5位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) +2’02”
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +2’05”
7位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ) +2’15”
8位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +2’16”
9位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +2’30”
10位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カハルーラル) +2’42”
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 12h22’55”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +27”
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1’59”
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +2’13”
5位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +2’28”
6位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) +2’30”
7位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ) +3’19”
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング) +3’41”
9位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) +4’10”
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +4’15”
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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