タイで開催中のアジア選手権は個人タイムトライアル種目へ。女子ジュニアで梶原悠未が金メダルを獲得。男子U23)で小石祐馬が銅メダルを獲得した。現地の田中苑子によるレポートで紹介します。


U23男子個人タイムトライアルで銅メダルを獲得した小石祐馬(チャンピオンシステム)U23男子個人タイムトライアルで銅メダルを獲得した小石祐馬(チャンピオンシステム) photo:Sonoko.Tanaka5つ目の金メダル獲得! 表彰台で笑顔で撮影に応じる梶原悠未(筑波大坂戸高校)5つ目の金メダル獲得! 表彰台で笑顔で撮影に応じる梶原悠未(筑波大坂戸高校) photo:Sonoko.Tanaka


タイで開催されているアジア選手権。3日間に渡り開催されたナコンラチャシマ市内でのロードレース種目を終えて、市内から約15km、郊外にある大学の外周路を使った個人タイムトライアル種目が幕を開けた。

2日間の日程で開催される個人タイムトライアル。初日となった13日は午前中にU23男子とジュニア女子。そして休憩を挟んで午後にジュニア男子が開催された。コースは1周回10.9kmの周回コース。道幅は広く、テクニカルなコーナーはないが、緩いアップダウンが連続し、今日は場所によっては風の影響もあったという。

各国のチームテントで選手たちがレース準備をする各国のチームテントで選手たちがレース準備をする photo:Sonoko.Tanaka入念にアップをする小石祐馬(チャンピオンシステム)入念にアップをする小石祐馬(チャンピオンシステム) photo:Sonoko.Tanaka


U23男子個人タイムトライアルでスタートを切る小石祐馬(チャンピオンシステム)U23男子個人タイムトライアルでスタートを切る小石祐馬(チャンピオンシステム) photo:Sonoko.Tanaka
各国のチームカーがスタートラインに揃わなかったため、約4分遅れでドタバタとしながら迎えたU23のスタート。U23は周回コースを3周回する32.7kmで開催され、日本からはロードレース種目で優勝した小石祐馬(チャンピオンシステム)が出走し、力走を見せたが、トップに35秒及ばず結果は3位。「金メダルを2つ持って帰りたかった……」と、本人は悔しさを滲ませるが、自身2つ目のメダルとなる銅メダルを獲得した。

U23個人TTを走る小石祐馬(チャンピオンシステム)U23個人TTを走る小石祐馬(チャンピオンシステム) photo:Sonoko.Tanaka
小石祐馬のコメント
「韓国とイランがダントツで速いと聞いていました。彼らに次ぐ3位は、メダル圏内でまずは良かったと思います。1周ずっと踏んでいかないといけないようなコースで、コーナーや下りがもっとあると良かったです。1周目は良かったんですが、2周回にペースが落ちてしまった。3周回目は前の選手が3人固まって走っていたので、彼らを追い越すことを目標にペースを上げていき、結果的に3周目のタイムが一番良かったです。でも正直、金メダルがほしかったので、悔しいです」



女子ジュニア
スタート前に身体をほぐす梶原悠未(筑波大坂戸高校)スタート前に身体をほぐす梶原悠未(筑波大坂戸高校) photo:Sonoko.Tanaka日本ナショナルチームのテントには蚊取り線香日本ナショナルチームのテントには蚊取り線香 photo:Sonoko.Tanaka


続いて開催された女子ジュニア。日本ナショナルチームは、これまでにトラック競技と合わせて4つの金メダルを獲得している梶原悠未(筑波大坂戸高校)の5冠をめざす戦いだった。
女子ジュニアは1周回、10.9kmでのレースとなり、最終走者の梶原は、スタート直後の下りから順調にグングンと加速していったものの、その後やや失速してしまう。逆にライバルとなるカザフスタンのタチャーナ・ジェネレヴァが、後半にかけてペースアップするという展開で、結果的に10秒の差をつけて、梶原が優勝し、無事に念願の5つ目の金メダルを獲得したものの、「危なかった……」とスタッフたちは胸を撫で下ろす結果となった。とはいえ、今大会出場種目すべてにおいて、金メダルを獲得した梶原の実力は図りしれない。

5つめの金メダル目指して走る梶原悠未(筑波大坂戸高校)5つめの金メダル目指して走る梶原悠未(筑波大坂戸高校) photo:Sonoko.Tanaka
梶原悠未のコメント
「長いようで短いアジア選手権でした。無事に5冠という形で、ジュニア最後のアジア選手権を終えることができて、本当に良かったと思います。始まる前は、直前まで出場種目が決まらなかったこともあって、1枚でも金メダルを持ち帰りたいと思っていました。そして出場種目が決まって、1つずつ金メダルを獲っていくうちに、5冠を獲りたいという気持ちが強くなりました。最終的には出場種目すべてで金メダルが撮れたので、良かったです。

まだまだタイムトライアルにおいて1番大切になる“ペース配分”という課題がクリアできていないので、これから少しずつ強化していきたいと思います。去年も最後にタレてしまい、今年もやっぱり少しタレてしまった。去年ほど大幅なものではなく、去年と比べて成長を感じることができましたが、まだ課題が残ります。世界選手権では表彰台を狙えるように、また、トラックもロードも何でも走れる選手になりたいと思っていますが、短距離のスプリントなど足りないものは多いので、これから頑張っていきたいと思います」

5つ目の金メダルを受け取った梶原悠未(筑波大坂戸高校)5つ目の金メダルを受け取った梶原悠未(筑波大坂戸高校) photo:Sonoko.Tanakaレースを終えた梶原悠未(筑波大坂戸高校)が笑顔を見せるレースを終えた梶原悠未(筑波大坂戸高校)が笑顔を見せる photo:Sonoko.Tanaka




男子ジュニア
ウォーミングアップをするジュニア男子の石上優大(横浜高校)ウォーミングアップをするジュニア男子の石上優大(横浜高校) photo:Sonoko.Tanakaスタートしていく石上優大(横浜高校)スタートしていく石上優大(横浜高校) photo:Sonoko.Tanaka


そして午後に開催された、この日最後のカテゴリー、男子ジュニア(21.8km/2周回)では、石上優大(横浜高校)が6位でゴールした。

石上優大のコメント
男子ジュニア個人TTを走る石上優大(横浜高校)男子ジュニア個人TTを走る石上優大(横浜高校) photo:Sonoko.Tanaka「一見普通に見えるコースですが、風や若干の起伏がありました。下りのスタートで踏んでいきましたが、思った以上に力んでいて、自分では気がつかないうちにオーバーペースになってしまったのだと思います。2周目に入って、前の周よりもペースが落ちてしまいました。抑えようと思いながら走っていましたが、ペース配分がうまくできませんでした。

世界選手権のロードレースで優勝することが目標です。そのために、今年、日本ナショナルチームはネイションズカップ4戦に出場する予定ですが、まずはそこでステージ優勝をしたり、総合順位上位でゴールすることを目標にしています」

大会最終日となる14日は、9時にエリート女子(32.7km/3周回)、11時にエリート男子(43.6km/4周回)が予定されており、日本からは全日本チャンピオンの萩原麻由子(ウィグル・ホンダ)と佐野淳哉(那須ブラーゼン)がそれぞれ出場する予定となっている。

男子アンダー23個人タイムトライアル(32.7km)
1位 PARK Sang Hoon KOR 41分43秒004
2位 KOLAHDOZHAGH Amir IRI 42分03秒649
3位 小石 祐馬(京都・CHAMPION SYSTEM)42分18秒451

女子ジュニア個人タイムトライアル(10.9km)
1位 梶原 悠未(埼玉・筑波大坂戸高校)15分33秒375
2位 GENELEVA Tatyana KAZ 15分43秒585
3位 NGUYEN THI Thu Mai VIE 16分13秒772

男子ジュニア個人タイムトライアル(21.8km)
1位 FUNG Ka Hoo HKG 29分12秒514
2位 MANO Yuttana THA 29分30秒716
3位 GANJKHANLOU Mohammad IRI 29分48秒265
6位 石上 優大(神奈川・横浜高校)30分27秒618

text&photo:Sonoko.Tanaka

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