サンルイス名物の1級山岳アルト・デル・アマゴで、再びダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)の登坂力が炸裂。ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)らを振り切って総合リードを広げることに成功した。



ジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む4人のエスケープジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む4人のエスケープ photo:toursanluis.com大会4日目は、ヴィラ・ドロレスからアルト・デル・アマゴ頂上へと至る142.5km。スタート後しばらくは荒涼とした平坦路を駆け抜けるが、3級山岳を下った先、最後の10.5kmは1級山岳アルト・デル・アマゴ頂上(標高1720m、平均勾配7.2%、ラスト1kmは10.7%)へと登坂する。サンルイス名物の難関山岳で、総合上位勢による登坂勝負が繰り広げられた。

アタックを繰り返すナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)アタックを繰り返すナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:toursanluis.comこの日のレースは2日連続の逃げとなるジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む4人のエスケープで幕開ける。最大で7分のリードを稼ぎだした4名は快調にテンポを刻み、残り20km地点で4分差、登坂前の3級山岳通過地点で2分差をキープした。

しかし山岳勝負を前にした集団を振り切るには至らず、アルト・デル・アマゴ登坂開始とほぼ同じくして4名の逃げは幕を閉じる。高速で登坂を開始した集団は一気に縮小し、散発的なアタックが絶えず繰り返される状態となる。

やがて登坂中盤にして先頭はリーダージャージのダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)と、チームメイトのアレックス・ディニス(ブラジル)、そしてナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の3名のみとなり、残り4kmからディアスがアタックを敢行。この動きが決定打となった。



荒涼とした1級山岳アルト・デル・アマゴを駆け上がる荒涼とした1級山岳アルト・デル・アマゴを駆け上がる photo:toursanluis.com
4名に絞られた先頭グループがアルト・デル・アマゴを上る4名に絞られた先頭グループがアルト・デル・アマゴを上る photo:CorVos1級山岳アルト・デル・アマゴで独走するダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)1級山岳アルト・デル・アマゴで独走するダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト) photo:toursanluis.com



先頭でゴールするダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)先頭でゴールするダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト) photo:toursanluis.comキンタナはハイスピードを保ち続けるディアスをフォローできず、一方のディアスは他を圧倒するペースで頂上へと到達。2位以下をおよそ1分引き離し、2013年に続く大会制覇に向けて駒を大きく進めることに成功した。

ステージ表彰台 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)が中央に立つステージ表彰台 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)が中央に立つ photo:toursanluis.com「今自分は人生の中でもベストなコンディションにある。」とはディアス。「心身ともに最高だし、実際に結果も出ている。明日は苦手なタイムトライアルが控えているけれど、(1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネス頂上へとゴールする)土曜日もタイム差を稼げるはずだ。」と総合優勝への自信をのぞかせた。

ディアスに続く2位はチームメイトのディニスが入り、キンタナは54秒遅れのステージ3位でフィニッシュ。総合では1分23秒遅れの4位だが、「今日のライバル達はこの時期としてはとても脚が仕上がっているから、自分の結果を過剰に心配することは無い」とコメントしている。

また、山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)は9分51秒遅れの62位でフィニッシュし、総合順位を54位としている。

ここまで4ステージを終え、ディアスとフェルナンド・ガヴィリア(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)が2勝ずつ。明日の第5ステージはサンルイス市街地で行われる17.4kmの個人タイムトライアルだ。



ツール・ド・サンルイス2015第4ステージ結果
1位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
2位 アレックス・ディニス(ブラジル、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
3位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
4位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
5位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)
6位 ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)
7位 レナルド・メッシネオ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)
10位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
3h29'25"
+52"
+54"
+56"
+1'19"
+1'57"
+2'10

+2'36"
+2'47"


個人総合成績
1位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
2位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
3位 アレックス・ディニス(ブラジル、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
4位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
5位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)
6位 ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
8位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)
9位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
10位 レナルド・メッシネオ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)
16h31'48"
+1'00"
+1'19"
+1'23"
+1'46"
+2'33"
+2'37"
+3'33"
+3'58"
+4'04"


山岳賞
ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)

スプリント賞
レナルド・メッシネオ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)

新人賞
ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)

チーム総合成績
コロンビア

text:So.Isobe
photo:CorVos