ベルギーを代表するバイクブランド「リドレー」。今回はフルカーボンの普及モデル「オリオン」を取り上げる。ロードレースが国技の国から来た入門バイクは、正統派ロードの血統をもつ乗り味だった。

リドレー・オリオンリドレー・オリオン (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp

地に足のついたカーボンフレーム作り



リドレーの社長ヨキム・アールツ氏はこう言う。「カーボン繊維の質を下げれば、フレームの製造コストを抑えることは簡単にできる。しかし、人間の感覚っていうのは繊細なもので、ベテランのライダーになるとグレードの低いカーボンを使ったフレームを簡単に見抜いてしまうんだ。私たちのような新しいブランドが認知されるためには、とにかく良いモノを作るしかないんだよ。だから、リドレーではそんな手抜きは一切しない」と。

特徴的なT字断面のトップチューブ特徴的なT字断面のトップチューブ プロツアーチームへの供給を開始した勢いに乗って、ちょっと浮かれたビジネスでもしたくなるところだ。しかし、リドレーにそんなところはまったくなく、地に足のついたバイク作りをしている。そんなリドレーは、やはり素晴らしいブランドだと言えるだろう。

トップチューブからシートステーへと続くユニークで流麗なライントップチューブからシートステーへと続くユニークで流麗なライン このオリオンも、そんなリドレーの哲学を反映した実に良いバイクだ。24tカーボンを使用することにより、剛性感は30tカーボンのダモクレスよりもやや押さえ気味。その代わり、抜群の乗り心地の良さを実現している。週末のロングライドを気持ちよく走りたいというサイクリストや初心者、年輩のライダー、街乗り派には、ダモクレスよりもこちらをオススメしたい。

ニューカラー&パターンがクール!



ボトムブラケット周辺は、とてもスッキリしているボトムブラケット周辺は、とてもスッキリしている 趣味のロードバイクの場合、「塗装の美しさ」というのもバイク選びの重要なファクターのひとつ。この点についても、リドレーのバイクに抜かりはない。ベルギー・テッセンデルロにあるリドレー本社には、立派な塗装セクションが設けられており、その技術の高さは誰もが認めるところなのだ。

流行のブラック×ホワイト×レッドがビビッドな901Rカラー流行のブラック×ホワイト×レッドがビビッドな901Rカラー photo:ridleyオリオンの09モデルには、チームカラーを含めたニューカラーが採用され、これも大きな魅力となっている。901Rは2008年のサイレンス・ロットチームカラーをベースとしたもので、流行のブラック×ホワイト×レッドの組み合わせがビビッドだ。

また901RBは落ち着いたブラック×ホワイトで、こちらは大人のライダーに好まれそう。

さて、細かいウンチクはこのくらいにして、さっそくベテランライダーの三上和志さんと佐藤正一さんのインプレッションをお届けしよう!












インプレッション



三上和志(サイクルハウスMIKAMI)


「レーシングバイク入門用として最適」



「レーシングバイク入門用として最適」(三上和志)「レーシングバイク入門用として最適」(三上和志) フレームの剛性感は入門者にも適度で、硬すぎないところが良い。かといって、柔らかすぎるということもなく、レーシングバイクとしての資質はしっかりと備えている。このバイクを一言で表現するとしたら、「おだやかなレーシングバイク」といったところだろう。

さすがリドレーのバイクだけあって、ハンドリングはとても安定している。これならば路面の荒れたところを走っても、緊張感を強いられることもない。さすが、ベルギーのパヴェ(石畳)で鍛えられているだけのことはある。

完成車のアッセンブルも魅力的だ。コンポはデュアルコントロールレバーとディレイラーだけでなく、チェーンホイールからブレーキに至るまでシマノ・105を採用しており、カッチリとした使用感をトータルで楽しむことができる。

また、ステムやシートポスト、ホイールにも高級感のあるモノが採用されており、この価格ならばお買得感は相当に高い。

ロードバイクをスポーツとして楽しみたい人にとって、一台目のロードバイクがオリオンだったら、最高の自転車生活を送ることができるだろう。長くつき合っても、決して物足りなさは感じないはずだ。



佐藤正一(なるしまフレンド)


「初心者でも扱いやすいバランスの取れたフレーム」



「初心者でも扱いやすいバランスの取れたフレーム」(佐藤正一)「初心者でも扱いやすいバランスの取れたフレーム」(佐藤正一) フレームの剛性感には非常に好印象を持った。初心者用として硬すぎず柔らかすぎず、実に絶妙な剛性感を演出しているのだ。とてもバランスのとれたフレームだと思う。

加速感はとても気持ち良い。決して硬いフレームではないのだが、不思議に良く伸びてくれるのである。いわゆる「バネ感の効いた」というヤツだ。

ハンドリングはニュートラルで、ハイスピードのコーナリングでも思い通りのラインをトレースすることができる。フレームがやたら硬くないので、コーナリング中の挙動も路面に吸い付くような感じで良い。

また、ブレーキングも安定している。ハイスピードからのフルブレーキングでもフォークが負けることがなく、グッと止まってくれるのだ。

初心者用として、これ以上まとまっているバイクもあまりないだろう。欲を言えばハンドルバーをショートリーチもチョイスできるようにして欲しいところだが、まあそれは購入者の好みで変えれば(あるいは変えなくても)良い部分ではある。



リドレー・オリオンリドレー・オリオン (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp

スペック


フレーム モノコック製法 ハイモジュラスカーボン 24t
フォーク ハイモジュラスカーボン 24t
ヘッドセット 4ZA・インテグレーテッド
リアディレイラー シマノ・105
フロントディレイラー シマノ・105
ブレーキ シマノ・105
クランク シマノ・105 50×34T(S / 170mm, M / 172.5mm, L / 175mm)
カセットスプロケット スラム・フォース 12-25T
ホイール フルクラム・R7ブラック
タイヤ レースルビーノ
ハンドルバー オーヴァル・R100 OS(S / 400mm, M, L / 420mm)
ステム オーバル・R100 4ボルト(S, M / 100mm, L / 110mm)
バーテープ 4ZA・コルク ブラック
サドル 4ZA・ストラトス
シートポスト オーヴァル・R100 2ボルト
サイズ S / M / L
カラー 901R(チームカラー)、901RB
重量 1200g(フレーム単体)
希望小売価格(税込み) 210,000円(フレームセット)
            303,450円(105完成車)

インプレライダーのプロフィール

三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。
サイクルハウスMIKAMI

佐藤正一(なるしまフレンド)

東京・原宿にあるロードバイク系プロショップ「なるしまフレンド原宿店」店員。身長170cm、体重62kg。日本一のロードバイク販売量を誇るショップの店員だけに、その情報量の豊富さは右に出る者がいない。実業団チーム「なるしまフレンド」のレーサーとしても活躍しており、2008年は実業団石川大会BR-3で3位に食い込む好成績を収めている。
なるしまフレンド


text&edit:仲沢 隆
photo:綾野 真
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