ダミアーノ・クネゴ(イタリア)の獲得と共にUCIプロコンチネンタル登録を目指すと発表したNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ。10月3日夜のプレスリリースはクネゴとチーム双方のコメントが発表され、大門監督は「トップ選手の加入は日本人選手そしてスタッフの育成に大きく貢献してくれるだろう」と語った。



正式契約を終えたダミアーノ・クネゴ。ファルネーゼヴィーニ社CEOのヴァンレンティーノ・ショッティ氏(中央)と、ステファノ・ジュリアーニ監督(左)正式契約を終えたダミアーノ・クネゴ。ファルネーゼヴィーニ社CEOのヴァンレンティーノ・ショッティ氏(中央)と、ステファノ・ジュリアーニ監督(左) (c)NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ
10シーズンを過ごしたランプレを離れ、心機一転UCIプロコンチネンタル登録を目指すNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザで走る事を選んだクネゴ。「新しいチームのもと、新たな役割をもってレース活動をしたいと思い、2年契約という形を選んだ。これまでの経験を若い選手に伝えたり、自分の可能性を再発見することができ、またそれが勝利に繋がるといいと思う。さらに大きなチャレンジをもって、キャリアを重ねていきたい」とコメント。

来季はNIPPOを冠スポンサーにUCIプロコンチネンタル登録を目指すヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ来季はNIPPOを冠スポンサーにUCIプロコンチネンタル登録を目指すヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ photo:Hideaki TAKAGI2003年以来6度参戦して優勝2回、2位2回とジャパンカップと相性の良く、親日家であることから国内でもファンの多く、ジャパンカップ以外の国内レースへの参戦が期待されるクネゴ。しかしながら、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザの大門宏監督はクネゴを国内UCIレースで積極的に走らせる考えはないことを明かす一方で、トップライダーの加入によるチーム力や育成面での活躍に期待を寄せる。

「クネゴには育成役としての活躍を期待したい」とコメントした大門宏監督「クネゴには育成役としての活躍を期待したい」とコメントした大門宏監督 photo:Hideaki.TAKAGI「クネゴは確かに選手としてのクオリティが高いだけでなく、日本でも本国同様に悪いイメージのない素晴らしい選手だが、かと言ってあからさまに日本のレースで走らせることは考えていない。あくまでも本人のコンディションならびに、レースに参加するライバルチームのレベル、日本人選手も含めた所属選手とのバランスも考えてスケジュールを組むのが本来チームのあるべき姿勢だと考えている。少なくともはっきり言っておきたいことは、現状の日本のUCIレースにおいて、彼を勝たせる布陣で臨むことは考えにくい。

株式会社NIPPOは、今後も変わらぬ方針で、日本人選手やスタッフ、自転車競技環境の向上をサポートしていく。クネゴの加入はトップ選手の心構えを学ぶうえで、日本人選手だけでなく、チームが長年続けてきている日本人スタッフの育成にも大きく貢献してくれると願っている」

また、UCIプロコンチネンタルチーム登録を目指す意図を、大門監督は現状を踏まえて下記の様に説明する。

「近年、現在のコンチネンタルチームの体制では、良い条件でレースへの招待を得ることが不可能なため、運営上の限界をすごく感じていた。来季、新体制でステップアップすることで、若い日本人選手にとっても相応しい(主に1クラス)、より多くの世界各国のレースに出場できることになるので、強化活動により弾みが付くことを期待したい。

コンチネンタルからプロコンチネンタルに“昇格”という見方が一般的に多いかと思うが、チームの所在地は日本からイタリアに移行し、チームマネージャーもマーケティング重視のイタリア人が就き、全くの“新生チーム”と認識してもらいたい。 昨今、レース開催地のグローバル化も進み、たとえスポンサーの一翼が日本企業であっても、チームの拠点や国籍は関係なく、日本人選手を走らせる環境には影響はないと思っている。

チー ム名は新しくNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザと、“NIPPO”が前に配置されることになるが、それはファルネーゼヴィーニ社の社長の好意を受け入れた結果。ファルネーゼヴィーニ社としては日本の企業との提携をよりアピールしながらアジアマーケティングでの販路拡大も期待している。もちろん株式会社NIPPOとしても将来を見据え、グローバル化に向けてすでにリサーチを開始しているので、来季、チームがさらに知名度の高い世界各国のレースを転戦することで、世界市場の反応を伺う良い機会だと思っている。」

チームはクネゴ以外にもイタリアの若手有力ライダーや、経験豊富なスタッフの加入によってチーム力を強化しているのは既報の通り。10月18、19日に開催されるジャパンカップが現体制での最終レースとなりそうだ。

(コメント等はNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザのプレスリリースより)。

edit:Yuya.Yamamoto