バイオロジカルパスポートの異常値によって暫定的に出場停止処分を受けていたロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)に対し、チェコ五輪委員会は無罪を言い渡した。クロイツィゲルは10月1日にイタリアで開催されたミラノ〜トリノでレースに復帰している。



ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele2011年と2012年のバイオロジカルパスポートの異常な変動に関して適切な説明がなされていないとして、UCI(国際自転車競技連合)が調査を開始したのはツール・ド・フランス開幕直前の6月末のこと。ティンコフ・サクソはクロイツィゲルの主張を支持しながらも、ツールを含めたレーススケジュールのメンバーからクロイツィゲルを外している。

暫定的に出場停止状態にあったクロイツィゲルに対し、チェコ五輪委員会の仲裁委員会は9月末に「ドーピング違反は無い」と結論付け、クロイツィゲルのレース出場にGOサインを出した。これを受けてUCIは声明を出し、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴する可能性について検討するとしている。上訴の期限は10月22日。

クロイツィゲルの復帰を受け、ティンコフ・サクソのファブリツィオ・グイディ監督は「ロマンはレース出場に値する選手であり、彼の復帰を嬉しく思う。ロマンの合流がチームにモチベーションを与え、間違いなくチーム力は強化される」とコメントしている。

母国の五輪委員会から無罪を言い渡されたクロイツィゲルは早速10月1日のミラノ〜トリノに出場し、トップと4分差の64位でレースを終えた。週末のイル・ロンバルディアではアルベルト・コンタドール(スペイン)をアシストすることになるだろう。

text:Kei Tsuji
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