武井亨介(Singha Infinite)によって絞り込まれた7人の先頭集団。逃げと吸収を幾度も繰り返したサバイバルなレースを制したのは、自身初優勝でチーム右京にも所属する湊諒(法政大)だった。



貴重なクラスレスの大会

クラス1+2 スタートクラス1+2 スタート photo:Hideaki TAKAGI
1周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを上げる1周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを上げる photo:Hideaki TAKAGI2周目、前園浩平(Galante NARA)のアタックでできた先頭集団2周目、前園浩平(Galante NARA)のアタックでできた先頭集団 photo:Hideaki TAKAGI



3周目、S/Fラインへ向けてペースを上げる武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)3周目、S/Fラインへ向けてペースを上げる武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team) photo:Hideaki TAKAGI6周目、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)が先頭に6周目、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)が先頭に photo:Hideaki TAKAGI日本学生自転車競技連盟主催の大会でありながら女子やジュニア、実業団の選手たちも参加できるクラスレスの大会が、7月13日に長野県大町市で行われた大町美麻ロードだ。今年で8回目を迎える同大会は今まで単独開催、実業団大会、2日間のステージレースなど行われてきた。インカレロードも2回実施されてきた。今年は昨年同様に、学連主催でワンデイとなっている。コースは丘陵地帯の厳しいアップダウンで実力あるものだけが残れるもの。

武井亨介と與那嶺恵理がクラス1+2に参加

8周目、単独先頭の宮内渉(環太平洋大学)8周目、単独先頭の宮内渉(環太平洋大学) photo:Hideaki TAKAGI学連登録の中上位クラスの1+2には学連選手のほか、実業団や高校生など21人を加えた106人がエントリー。注目は武井亨介(Singha Infinite Pro cycling team)と與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)だ。2人は2週間前の全日本選手権ロードとTTで活躍。武井はロードで11人の逃げ集団を率い、與那嶺は昨年優勝したロードとTTともに2位の成績を残している。女子の與那嶺と、他にエントリーした高校生3人は規程により10周回で降りることとなる。

午前10時に13周163.8kmのレースであるクラス1+2がスタート。宮内渉(環太平洋大)のアタックに始まり北野龍人(立命館大)、武井亨介(Singha Infinite Pro cycling team)らが積極的に走るが集団のまま。7km地点までニュートラル走行だったにもかかわらず19分台の速いペースを維持し、2周目に入り前園浩平(Galante NARA)の仕掛けに宮内、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、北野が反応し佐々木勇輔(早稲田大)らが合流し9人の先頭となったものの吸収され、逃げが形成されない状況が続く。

決定的な逃げが決まらない展開

3周目、伊藤和輝(早稲田大)と新井優樹(明星大)に山本聖吾(イナーメ信濃山形)が合流。メイン集団は湊諒(法政大)、リーダージャージの秋田拓磨(朝日大)、浦佑樹(東京大)らが追走。武井がさらにペースを上げ4周目で逃げを吸収し7人の先頭集団を形成。さらに10人となったがこれもメイン集団が吸収。5周目には中村、相本祥政(法政大)が抜け出すがこれも吸収。6周目に武井が抜け出し中村が合流、さらに佐々木も加わるがメイン集団に吸収。ここから湊が単独で逃げる。



8周目、先頭でカウンターアタックする秋田拓磨(朝日大)8周目、先頭でカウンターアタックする秋田拓磨(朝日大) photo:Hideaki TAKAGI8周目、岡泰誠(筑波大)ら先頭集団8周目、岡泰誠(筑波大)ら先頭集団 photo:Hideaki TAKAGI

8周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを作る先頭集団8周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを作る先頭集団 photo:Hideaki TAKAGI12周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを作る7人の先頭集団12周目、武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)がペースを作る7人の先頭集団 photo:Hideaki TAKAGI



逃げとメイン集団が続くという典型的なレース展開ではないが、決定的な逃げができない分、ペースは速くレース前半までは19分台のラップを刻んでいく。7周目、独走した湊はメイン集団に戻り、代わって宮内が独走する。しかし8周目にその宮内も吸収されカウンターで秋田がアタック。さらに武井がペースを上げて武井、中村、秋田、村上喜昭(TOKYO VENTOS)、鈴木龍(SEKIYA)、岡泰誠(筑波大)の6人の先頭に。しかしこれもメイン集団が吸収するが次第に数を減らし20人ほどに。続く9周目も武井や村上がペースを上げて先頭集団は16人になる。

12周目、先頭集団の村上喜昭(TOKYO VENTOS)ら12周目、先頭集団の村上喜昭(TOKYO VENTOS)ら photo:Hideaki TAKAGI強者だけが残る先頭集団に

13周目、湊諒(法政大)ら7人の先頭集団13周目、湊諒(法政大)ら7人の先頭集団 photo:Hideaki TAKAGI10周目もペースを作るのは武井。村上、湊、秋田、浦らも加わり終盤の上りで武井がペースアップ。11周目へ入り伸びた先頭集団から武井ら8人が先頭集団を形成。12周目には武井、村上、湊、秋田、片桐善也(日本大)、鈴木、岡の7人に。この7人でゴールへ向かうこととなる。先頭ではおもに武井が、これに村上と湊が加わってペースを作る。最終周回の13周目、上りで村上が上げるが集団は崩れずゴールへ。ラスト600mで片桐がアタック、しかし決まらずラスト500mで武井がアタックしてほか6人がこれを追う。こののちのゴール争いは学生たちの戦いとなり、湊が先頭でゴール。

武井が常にペースを作り、逃げと吸収を幾度も繰り返すサバイバルな展開に。仕掛けた者とこれに反応できたものだけしか完走できない厳しいレースとなった。終盤の先頭集団16人、そして7人はいずれもそれらを繰り返し選ばれた選手たちばかりだ。武井のほか、村上と優勝した湊、シリーズリーダー秋田らの走りが光った。

優勝した湊諒(法政大)

13周目、上りでペースを上げる村上喜昭(TOKYO VENTOS)13周目、上りでペースを上げる村上喜昭(TOKYO VENTOS) photo:Hideaki TAKAGI「レースで勝ったのは初めてなので嬉しいです。今日、チームとしては2年生がアタックしてそれを見守りながら自分は待機の予定でしたが、武井選手など逃がしてくれなくて自分が前に行く走りになりました。次第に集団が小さくなって、淡々と走るという自分の展開に持ち込めたのがよかったのだと思います。今年はチーム右京でフィリピンとイランに出場しましたが、走り方や集団の作り方などそこでの経験は大きいです。その経験を自分だけでなく後輩にもフィードバックしたいです」

レースを主導した武井亨介(Singha Infinite Pro cycling team)

ラスト500m、ペースを上げる武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)ラスト500m、ペースを上げる武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team) photo:Hideaki TAKAGI「いいレースでしたね。コースも過酷で雨でコンディションが悪くてサバイバルになって、力のある選手が残ってという。学生でもしっかりとレースできる選手がいるのがわかりました。オーガナイズもしっかりしているいいレースです。来年もチャレンジしたいですね。個人的には1週間後の全日本選手権MTBを想定して2分、3分の高いパワーを出したり、疲労した状態でパワーを出すトレーニングの意味もありました」

「強い選手だけが残れるようなレース、全日本ロードのようにサバイバルにするのが自分の仕事と思います。強い人が前に残る、強い人が評価されるようなレースにしたいです。今日の法政大、朝日大とヴェントスの3人は凄くいい走りをしていましたね。こういう選手たちがリザルト以外でも評価されるようにしたいですね」



湊諒(法政大)が7人の上りゴールを制する湊諒(法政大)が7人の上りゴールを制する photo:Hideaki TAKAGI
クラス1+2 表彰クラス1+2 表彰 photo:Hideaki TAKAGI自転車歴初優勝の湊諒(法政大)はチーム右京でコンチネンタル登録する自転車歴初優勝の湊諒(法政大)はチーム右京でコンチネンタル登録する photo:Hideaki TAKAGI

大町市のゆるキャラ「おおまぴょん」も雨支度大町市のゆるキャラ「おおまぴょん」も雨支度 photo:Hideaki TAKAGIクラス3 井上渓太(早稲田大)が優勝クラス3 井上渓太(早稲田大)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI


オーガナイザーの遠藤順一氏

「今年でようやく8回目を迎えることができました。スポンサーも多くなり今回から3人以上参加のチームへは宿泊費の補助が出せるようになりました。甲信マツダさんからCX5を出していただき素晴らしい関係車両を走らせることができました。選手や関係者が地元の民宿に泊まる経済効果に加え、生活道路であるコースは県道や市道の改良工事がこのレースをきっかけになされるようになりました」

「今後についてはまず女子とジュニアの強化に繋がるレースをしていきたいですね。今年はジャパンカップへ関係者で視察に行きます。このコースでUCIレースをいつか開催できれば、と構想もしています。来年にはこのコースと、松本市内に新設される競技場(333m)で全国大会も行いたいと考えています」



結果
クラス1+2 163.8km
1位 湊諒(法政大)4時間21分32秒
2位 秋田拓磨(朝日大)
3位 片桐善也(日本大)
4位 鈴木龍(SEKIYA)
5位 武井亨介(Singha Infinite Pro Cycling Team)
6位 岡泰誠(筑波大) 
7位 村上喜昭(TOKYO VENTOS)+1分08秒
8位 吉田悠人(日本大)+4分03秒
9位 広瀬樹(中央大)+4分53秒
10位 浦佑樹(東京大)+6分47秒

クラス3 50.4km
1位 井上渓太(早稲田大)1時間21分16秒
2位 安原大生(中央大)+01秒
3位 岩井和也(大阪産業大)+03秒
4位 関谷聡(立教大)+05秒
5位 岩田宗也(早稲田大)+06秒
6位 橋本壮史(中央大)

photo&text:高木秀彰
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