7月11日(金)~13日(日)の3日間に渡って、国内唯一のUCI国際トラックレース「ジャパン・トラック・カップ」の第2回大会が「Version2」と題して開催されることが決定した。改めて競技種目を紹介すると共に、今大会の概要をお伝えしよう。



ジャパン・トラック・カップとは

「ジャパン・トラック・カップ」は国内で唯一、世界選手権やワールドカップの出場に必要なUCIポイントが付与される国際トラックレース。今年1月に開催された第1回大会では日本を筆頭にマレーシア、香港、アメリア、スイスなどから98名が参戦し、3グレードあるクラスうちの最上位に当たり、UCIポイントの配分が高い「1クラス」として開催された。今大会でも5カ国以上の参加を募り「1クラス」での開催を目指している。

伊豆ベロドロームを舞台に開催されるジャパン・トラック・カップ伊豆ベロドロームを舞台に開催されるジャパン・トラック・カップ (c)Makoto.AYANO
トップ選手の戦いを間近に見られるのがジャパン・トラック・カップトップ選手の戦いを間近に見られるのがジャパン・トラック・カップ photo:Hideaki Takagiトラックと観客席の距離はとても近いトラックと観客席の距離はとても近い photo:Makoto.AYANO


これまで日本人選手にとって年1回ずつの大陸別選手権と国内選手権、強豪ひしめきあうワールドカップのみに限られていたUCIポイント獲得のチャンスが広がる重要な大会である。実際に第1回大会では多くの日本人選手がポイントを手にした。また、世界選手権大会に参加した国には翌シーズンに国際トラックレースを開催しなくてはならないという義務を果たす大会でもある。仮に開催しない場合には翌年の世界選手権参加の権利を失うため、その参加資格獲得と確保に向けても重要な位置付けとなっている。

会場となる伊豆ベロドロームは2011年10月に誕生した日本で唯一の屋内型の板張り250m走路だ。東西どちらからもアクセスしやすく、当日は伊豆箱根鉄道の修善寺駅からシャトルバスが運行される予定。日本や海外を代表する選手達のスピードと迫力あるレース展開を生で堪能できる貴重な機会である。



ケイリン、スプリント、スクラッチ、ポイントレース、オムニアムの5種目が開催

今大会で開催される種目はケイリン、スプリント、スクラッチ、ポイントレース、オムニアムの計5つで、今大会では男女とエリート/ジュニアのカテゴリーによって実施される種目が異なる。なお、参加選手リストが後日発表される予定だ。

ケイリン(KEIRIN)
「ケイリン」は日本で生まれて発展してきた「競輪」のことを指し、世界選手権はもちろんのこと、オリンピックではシドニー大会から正式種目として採用されている種目だ。先頭を走る選手の風圧によるハンデを解消するため、電動アシスト付き自転車によるペースメーカーを用いたスタート方式が取られている。

ペースメーカーの後ろでは位置取り争いが行われているペースメーカーの後ろでは位置取り争いが行われている photo:Makoto.AYANO昨大会では日本勢が表彰台を独占した男子エリートケイリン昨大会では日本勢が表彰台を独占した男子エリートケイリン photo:Hideaki TAKAGI


ペースメーカーがスタートから5.5周を先導しながら徐々に50km/hまでペースアップし、フィニッシュのおよそ2周半前(250mバンクの場合)で走路を離れる間に、後方では選手たちがベストポジションをキープするための駆け引きを行い、最後の2周回で勝負を決する。距離は2000m(8周)で競われ、今大会では全カテゴリーで実施される。

スプリント(SPRINT)
シンプルながら圧倒的な迫力と駆け引きが面白いスプリントシンプルながら圧倒的な迫力と駆け引きが面白いスプリント photo:Hideaki TAKAGI2〜4名の競技者が笛の合図と共にスタートし、先着した者を勝者とする種目が「スプリント」。屈強な選手達がフルパワーを発揮して疾走するシーンは迫力十分。先行か追走かの駆け引きや、ゴール手前の爆発的なスプリント合戦が大きな見どころだ。今大会で男女のエリートカテゴリーのみで実施。予選では3.5周の最後の200mを計時し、本戦は3周で行われる。

男女のジュニアカテゴリーのみで実施されるスクラッチ男女のジュニアカテゴリーのみで実施されるスクラッチ photo:Makoto.AYANOスクラッチ(SCRATCH)
「スクラッチ」は定められた距離を走りフィニッシュ順位を争う個人種目で、ロードレースと戦術が共通する部分が多い。世界選手権では2002年から正式種目として採用される。今大会では男子ジュニアと女子ジュニアの2カテゴリーで実施される。

ポイントレース(POINT RACE
「ポイントレースは」20名〜30名の選手によって競われる種目で、成績はレース中に設けられている得点周回(10周ごと)に与えられる得点の合計によって順位が決定する。得点配分は1位通過=5点、2位通過=3点、3位通過=2点、4位通過=1点。その他、周回UPした(周回遅れを抜いた)選手には20点が与えられる。得点合計が同じの場合はゴール時の着順で決着。今大会では全カテゴリーで実施される。

オムニアム(OMNIUM)
ロンドンオリンピックでも実施された「オムニアム」は陸上の十種競技の様に複数の種目で構成され、各種目の順位合計の最も少ない競技者が勝利するという種目。一人の競技者が短距離から長距離までこなす必要があり、全てに優れた能力が求められる。今大会では男女のエリートカテゴリーで実施され、2日間で6種目を走る。競技種目は下記の通りだ。

密集度の高いポイントレース密集度の高いポイントレース photo:Makoto.AYANO個の力が試されるタイムトライアル個の力が試されるタイムトライアル photo:Hideaki TAKAGI


①フライングラップ(250m)
②ポイントレース(男子30km、女子20km)
③エリミネーション
④個人パシュート(男子4km、女子3km)
⑤スクラッチ(男子15km、女子10km)
⑥タイムトライアル(男子1km、女子500m)



2014ジャパン・トラック・カップ Version2開催要項
主 催:公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)
開催日:
ジャパン・トラック・カップ I  2014年7月11日(金)
ジャパン・トラック・カップ II  2014年7月12日(土)~13日(日)
会 場:伊豆ベロドローム



text:Yuya.Yamamoto

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