オランダのジャイアント・シマノがツール・ド・フランスの出場メンバーを発表した。チームの中枢を担うのはマルセル・キッテル(ドイツ)やジョン・デゲンコルブ(ドイツ)、トム・ドゥムラン(オランダ)ら。すでにジロとブエルタを走っているジ・チェン(中国)が初めてツールのスタートラインに並ぶ。



マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Kei Tsuji「今年は特に有能な選手が多く、セレクションに苦労した」と語るのはチームコーチのルディ・ケムナ氏。今年も「ステージ優勝」という目標を達成するためのスピードあるメンバーを揃えた。

トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waeleエースを担うのは昨年初出場ながらスプリント4勝を飾った26歳のキッテル。今年はジロに出場し、第2ステージと第3ステージで連勝したものの、体調不良によってイタリア移動後すぐにレースを去っている。

ジ・チェン(中国、ジャイアント・シマノ)ジ・チェン(中国、ジャイアント・シマノ) photo:Kei Tsuji平坦なハイスピードスプリントを得意とするキッテルに対し、登りもこなせる瞬発系スプリンターとして名を馳せているデゲンコルブにも注目したい。25歳のデゲンコルブはこれまでジロでステージ1勝、ブエルタでステージ2勝。今年はヘント〜ウェベルヘムで優勝し、パリ〜ルーベで2位に。パリ〜ニースでポイント賞に輝いている。その他、トム・フィーラース(オランダ)やクーン・デコルト(オランダ)をはじめ、スプリンターを支えるリードアウトトレイン要員が揃っている。

ツール・ド・スイスの個人タイムトライアルで2度ステージ2位に入り、総合5位でレースを終えた23歳のトム・ドゥムラン(オランダ)にも注目だ。オランダのタイムトライアルチャンピオンに輝いたばかりのドゥムランは第20ステージで優勝を狙う。

そして史上初めて中国人選手がツールのスタートラインに立つ。2012年のブエルタ・ア・エスパーニャで中国人初グランツール出場を果たし(総合175位完走)、2013年ジロ・デ・イタリアに出場(第6ステージ棄権)した1987年生まれの26歳ジ・チェン。今回のツール出場により、アジア人選手初の全グランツール出場者となる。

ケムナ氏はチェンの出場について以下のように語っている。「2008年に彼をチームに迎え入れてから、長期に渡るプログラムを組んでトップレベルの選手として育成してきた。現在彼はスプリントのフォーメーションにおいて重要なファクターを担う。中国人選手として初めてツールに出場することは彼にとって非常に大きな意味があるだろう。ロードレースのグローバライゼーションにおけるインパクトを楽しみにしている」。

ジャイアント・シマノ ツール出場メンバー
マルセル・キッテル(ドイツ)
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)
ロイ・カーヴァス(オランダ)
ドリス・デヴェナインス(ベルギー)
トム・ドゥムラン(オランダ)
ジ・チェン(中国)
クーン・デコルト(オランダ)
アルバート・ティマー(オランダ)
トム・フィーラース(オランダ)

text:Kei Tsuji