連日、37度以上の猛暑に見舞われているツアー・オブ・カリフォルニア。第6ステージは獲得標高3,556mに達する山岳ステージ。このステージを制したのは、序盤から逃げたオリカ・グリーンエッジのシャベス。総合順位は首位のウィギンズが終盤にサプライズ的なアタックを仕掛け、2位以下とのタイム差を拡大することに成功した。
荒涼とした山岳地帯を走るメイン集団 (c)CorVos
ツアー・オブ・カリフォルニア2014第6ステージコースプロフィール (c)Tour Of California雨続きのジロ・デ・イタリアとは対照的に、アメリカ西海岸らしく太陽が燦々と降り注ぐツアー・オブ・カリフォルニア。今大会2回目の本格的な山岳ステージにして総合優勝争いを大きく左右する獲得標高3,566mの第6ステージは、サンタクラリタからマウンテンハイの頂上ゴールに至る151.8kmで争われた。
何やらイタズラ中のイェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) (c)CorVosこの日のアタックが決まったのはスタートから29km地点のこと。5日間連続で気温が37度を超えるという過酷なコンディションの中でメイン集団から果敢に飛び出したのはエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)、ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)、ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ベルキン)、クリス・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、シャビエル・メヒアス(スペイン、ノヴォノルディスク)という6名の選手。最大で4分20秒というタイム差をマークし、総合で3分32秒遅れのシャベスは一時バーチャルリーダーとなった。
29km地点から逃げはじめた6名の先頭集団 (c)CorVosその後方では総合首位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス)を擁するチームスカイがメインとなり、総合2位のローハン・デニス(オーストラリア)を擁するガーミン・シャープが協力する形でメイン集団をコントロールした。
勝負はダニエルソン、シャベス、デラクルスの3名に絞られる (c)CorVosしかし、この日は追い風が強く吹き、メイン集団はタイム差を思うように縮めることができず。先頭6名は3分以上のタイムギャップを持って、本格的に勾配がキツくなる残り20kmを迎えた。逃げ集団はメヒアス、ジョーンズ、ボブリッジの順にメンバーを減らしながらも、シャベス、デラクルス、ダニエルソンの実力者達が逃げ切りを決めようと必死にペース保つ。
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)が牽引するメイン集団 (c)CorVos後方ではスカイがウィギンズのためにペースアップを図る。加えてミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング)がこの動きに同調し、メイン集団はさらにハイペースに。この時点でウィギンズはアシストとしてジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)とジョシュア・エドモンソン(イギリス)の2名を残しながらアタックを封じ込めた。
デニスはチームメイトのベン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)とハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)らと共に、ウィギンズの背後に位置取り、アタックのチャンスを伺う。そして、キングがスカイの牙城を崩すべくアタック。しかし、ウィギンズとのタイム差が大きすぎたため、スカイは特に追走せずペースを保ちながらキングをメイン集団へと引きずり戻す。
残り10kmで先頭3名とメイン集団のタイム差は約2分半と逃げ切りの可能性が見えてくる。そしてシャベスがペースアップを図り、ダニエルソンとデラクルスを振り落として独走でゴール。2位にはデラクルス、3位にはダニエルソンと続いた。優勝のシャベスは「とても重要な勝利だ。昨年、大怪我を負った後はプロをやめようかとも思っていたけど、続けていて本当に良かった。まさにアメージングだ。」と喜びを爆発させた。
後方ではキングに替わってアセベドがアタックするもドンブロウスキーによって集団へと戻され、デニスもカウンターアタックを仕掛けることができず。この後、ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)がペースを上げたもののドンブロウスキーにすぐさま吸収された。
ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)を突き放しにかかるエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) (c)CorVos
初々しい表情を浮かべるエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) (c)CorVosメイン集団はそのまま1つのままゴールするかと思われたが、ウィギンズがサプライズ的なスプリントを繰り出し、同郷の若手オールラウンダーであるアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)と共に僅かに抜けだしてゴール。デニスとステティナはウィギンズから2秒の遅れを喫し、タイム差を広げられた形で今大会最後の登り勝負を終えた。
結果、総合はウィギンズがリーダージャージをキープ。30秒差の2位はデニス、1分48秒差の3位には1つ順位を上げた弱冠22歳のローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)がつけている。ポイント賞、山岳賞、新人賞に変動は無かった。
順当に行けば、ウィギンズはほぼリーダージャージを手中に収めているといえる。しかしながら、連日の猛暑の影響もあってか、3日連続で逃げが決まっているのも事実。明日の第7ステージは集団スプリントによるゴールというのが大方の予想であるものの、総合勢によるサプライズ的な動きが発生する可能性もありそうだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2014 第6ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)
新人賞
ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Yuya.Yamamoto
photo:CorVos






デニスはチームメイトのベン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)とハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)らと共に、ウィギンズの背後に位置取り、アタックのチャンスを伺う。そして、キングがスカイの牙城を崩すべくアタック。しかし、ウィギンズとのタイム差が大きすぎたため、スカイは特に追走せずペースを保ちながらキングをメイン集団へと引きずり戻す。
残り10kmで先頭3名とメイン集団のタイム差は約2分半と逃げ切りの可能性が見えてくる。そしてシャベスがペースアップを図り、ダニエルソンとデラクルスを振り落として独走でゴール。2位にはデラクルス、3位にはダニエルソンと続いた。優勝のシャベスは「とても重要な勝利だ。昨年、大怪我を負った後はプロをやめようかとも思っていたけど、続けていて本当に良かった。まさにアメージングだ。」と喜びを爆発させた。
後方ではキングに替わってアセベドがアタックするもドンブロウスキーによって集団へと戻され、デニスもカウンターアタックを仕掛けることができず。この後、ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)がペースを上げたもののドンブロウスキーにすぐさま吸収された。


結果、総合はウィギンズがリーダージャージをキープ。30秒差の2位はデニス、1分48秒差の3位には1つ順位を上げた弱冠22歳のローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)がつけている。ポイント賞、山岳賞、新人賞に変動は無かった。
順当に行けば、ウィギンズはほぼリーダージャージを手中に収めているといえる。しかしながら、連日の猛暑の影響もあってか、3日連続で逃げが決まっているのも事実。明日の第7ステージは集団スプリントによるゴールというのが大方の予想であるものの、総合勢によるサプライズ的な動きが発生する可能性もありそうだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2014 第6ステージ結果
1位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
8位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ベルキン)
9位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、キャノンデール)
10位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
2位 ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
8位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ベルキン)
9位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、キャノンデール)
10位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
4h09'13"
+13"
+41"
+53"
+55"
+1'07"
+1'15"
+1'16"
+13"
+41"
+53"
+55"
+1'07"
+1'15"
+1'16"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
3位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
4位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
5位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)
9位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
10位 ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
3位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
4位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
5位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)
9位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
10位 ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)
22h03'42"
+30"
+1'48"
+2'02"
+2'14"
+2'30"
+2'39"
+3'01"
+3'05"
+3'06"
+30"
+1'48"
+2'02"
+2'14"
+2'30"
+2'39"
+3'01"
+3'05"
+3'06"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)
新人賞
ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Yuya.Yamamoto
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