4月12日に行なわれたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第6ステージ・個人タイムトライアルで、世界TT王者のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が貫禄の勝利を飾った。アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が3度目の総合優勝に輝いている。



ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第6ステージブエルタ・アル・パイスバスコ2014第6ステージ image:vueltapaisvasco.diariovasco.comパイスバスコを締めくくるのは25.9kmの個人タイムトライアルだ。2つの山岳を含む起伏に富んだコースをTTバイクで平均40.3km/hで走りきり、38分33秒のトップタイムをマークしたマルティンが優勝した。

「本格的な登りを含むコースは100%自分向きとは言えなかった。そんな中で全力を出し切れたと思う。下りでは100km/hをマークした。雰囲気の良いチームがモチベーションに繋がったよ」と語るマルティン。

その独走力を活かして第2ステージで逃げ切り勝利を飾っており、今大会2勝目(チームは3勝目)で6日間の大会を締めくくった。マルティンの次戦はアルデンヌ・クラシックが予定されている。



世界TT王者トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がステージ優勝世界TT王者トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がステージ優勝 photo:Tim de Waeleリーダージャージを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がステージ2位リーダージャージを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がステージ2位 photo:Tim de Waeleステージ3位に入り、総合2位でレースを終えたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)ステージ3位に入り、総合2位でレースを終えたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele


ステージ8位に終わり、総合5位に順位を下げたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ステージ8位に終わり、総合5位に順位を下げたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleそのマルティンから7秒遅れのステージ2位に入ったのが、最終走者のコンタドールだった。リーダージャージを着て走ったコンタドールは、好走したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)を振り切って総合優勝。2008年と2009年に続く3度目の大会制覇を果たした。

ノーマルバイクで走る新城幸也(ユーロップカー)ノーマルバイクで走る新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa Iijimaステージ3位のクヴィアトコウスキーが総合2位に入り、ステージ5位のジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)が総合3位に。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)はステージ8位に入ったものの、総合2位から総合5位まで順位を下げる結果となった。

新城幸也(ユーロップカー)は「無理に追い込まず、無難に走りきる」という監督からの指示により、TTバイクではなく通常のノーマルバイクで出走。6分03秒遅れのステージ101位という成績を残した。

総合31位でフィニッシュした新城は「2009年以来の2回目の出場で、前回は全く話にならなくて途中リタイアだった。今回もツール・ド・フランスと同じくらい、いやそれ以上に厳しく、激しいレースだったと思う。しかしチーム総合でも上位争いをするくらい良いチームメンバーで、みんなに助けてもらって、自分も上位争いに絡めたので自信になった。今後のレースにつなげていきたい。次のレースが楽しみだ」とコメントする。

新城の次戦は4月16日にベルギーで開催されるブラバンツペイル(UCI1.HC)。その翌日のGPドゥナン(UCI1.1)への出場も予定されている。

選手コメントはチーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。



最終個人TTを制したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)最終個人TTを制したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele総合トップスリーがシャンパンファイト総合トップスリーがシャンパンファイト photo:Tim de Waele


ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第6ステージ結果
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
7位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
9位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
10位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
101位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
38'33"
+07"
+15"
+16"
+35"
+38"
+41"
+1'02"
+1'05"
+1'25"
+6'03"


個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
4位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
5位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
8位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
31位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
21h09'11"
+49"
+1'04"
+1'07"

+1'56"

+2'13"
+2'14"
+2'26"
+20'44"


ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール)

スプリント賞
オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)

チーム総合成績
BMCレーシング

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele