デパンヌ・コクサイデ3日間レース(UCI2.HC)最終日はロードレースと個人タイムトライアルのハーフステージ形式。ロンド・ファン・フラーンデレンで重要なアシストを担うことになるギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝を果たした。



第3aステージ デパンヌで繰り広げられたゴールスプリント第3aステージ デパンヌで繰り広げられたゴールスプリント photo:Tim de Waele


第3aステージ リーダージャージを着て走るヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)第3aステージ リーダージャージを着て走るヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waeleデパンヌ最終日の4月3日、朝から109.7kmのロードレースが、午後から14.3kmの個人タイムトライアルが行なわれた。コースはいずれも北海沿岸の街デパンヌを発着するもの。起伏の少ない平坦コースだ。

第3aステージ 2連勝を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)第3aステージ 2連勝を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleロンド・ファン・フラーンデレンが3日後に迫っていることもあり、この日は総合2位のオスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)やアルノー・デマール(フランス、FDJ.fr)、ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)がスタートせず。

第3bステージ リーダージャージを着て走ったヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)はステージ17位・28秒遅れ第3bステージ リーダージャージを着て走ったヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)はステージ17位・28秒遅れ photo:Tim de Waele午前の第3aステージは序盤からマルティン・マースカント(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)ら5名が逃げたものの、ジャイアント・シマノやオメガファーマ・クイックステップ、ランプレ・メリダ、ロット・ベリソル率いる集団によって残り4kmで吸収される。カウンターアタックも封じ込められ、110名を超える集団によるゴールスプリント勝負に持ち込まれた。

第3bステージ 17分51秒のトップタイムで優勝したマチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)第3bステージ 17分51秒のトップタイムで優勝したマチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール) photo:Tim de Waeleいくつものコーナーやロータリー、中央分離帯を抜けるうち、残り3kmでアンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)を含む10名ほどの落車が発生。ハイスピードを維持したままナーバスな集団がスプリント体勢に入る。残り2kmでランプレ・メリダがジャイアント・シマノから主導権を奪った。

第3bステージ 11秒遅れ・ステージ5位に入ったギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)第3bステージ 11秒遅れ・ステージ5位に入ったギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele残り400mで落車も発生する荒れたスプリントで、出来る限り発射のタイミングを待ったサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が先頭へ。アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)を振り切ったモードロが先着した。

「昨日よりもずっと周りの選手からのマークが厳しかった。チームは責任感をもってレースをコントロールして、最後はチモライにリードアウトされて最終コーナーに突っ込んだ。ラインを読んでスプリントを開始。あとは脚が違いを見せたよ」と、ステージ2連勝を飾ったモードロ。ついにシーズン勝利数をバルベルデとグライペルに並ぶ最多6勝に伸ばした。

ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がリーダージャージを守ったまま迎えた午後の第3bステージ・個人タイムトライアル。コーナーが連続する14.3kmコースでマチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)が最速タイムをマークする。初日にワンツー勝利を飾ったエースが2人揃って途中リタイアする中で、キャノンデールが勝利で締めくくった。

ステージ17位・28秒遅れに終わったステーグマンに代わって、ステージ5位・11秒遅れのファンケイルスブルクが総合首位に。これまでのセミクラシックで積極的な走りを見せていた23歳のファンケイルスブルクがキャリア最大の勝利を手にした。

「チームにはステーグマンやテルプストラがいるので、開幕時に自分の総合成績は考えていなかった」とファンケイルスブルクは打ち明ける。「でも今日は100%の力を出して、自分の力を試してみたかった。当初予定していなかったヘント〜ウェベルヘムに出場してよかったと思う。そこでコンディションの良さを感じて、良いリズムを掴めたんだ。レース後に呼び出されてチームバスから表彰台に向かうのは最高の気分だったよ」。

オメガファーマ・クイックステップは総合トップ5に3名(ファンケイルスブルク、ステーグマン、テルプストラ)を送り込むことに成功。ロンド・ファン・フラーンデレンでトム・ボーネン(ベルギー)を支えるアシストたちの活躍が目立った。

選手コメントはチーム公式サイトより。



表彰台の真ん中に立つギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)表彰台の真ん中に立つギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele


デパンヌ3日間レース2014第3aステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、アンドローニジョカトリ)
4位 ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 ラルフ・マツカ(ドイツ、ネットアップ・エンデューラ)
6位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ニコラ・ルッフォニ(イタリア、バルディアーニCSF)
8位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
9位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
10位 ヨウセフ・レグイグイ(アルジェリア、MTNキュベカ)
2h22'20"












デパンヌ3日間レース2014第3bステージ結果
1位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
2位 ヤン・バルタ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)
3位 ダヴィ・ブシェー(フランス、FDJ.fr)
4位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
5位 ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
7位 クリスティアン・コレン(スロベニア、キャノンデール)
8位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ.fr)
9位 サンデル・コルデール(ベルギー、ファスフットサービス)
10位 ロブ・ルーグ(オランダ、ファスフットサービス)
17'51"
+03"
+06"
+07"
+11"
+13"
+14"
+16"

+25"




個人総合成績
1位 ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
6位 ヴァンサン・ジェローム(フランス、ユーロップカー)
7位 マウロ・フィネット(イタリア、ネーリソットリ)
8位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
9位 ロブ・ルーグ(オランダ、ファスフットサービス)
10位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
11h38'16"
+07"
+08"
+15"
+21"
+25"
+27"
+32"
+33"


ポイント賞
サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)

山岳賞
ティム・デトロヤー(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)

スプリント賞
ステイン・ステールス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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