Jプロツアー開幕戦・宇都宮クリテリウムを走ったバイクを紹介する後編。今回はCROPS × championsystem、那須ブラーゼン、湘南ベルマーレ、NEILPRYDE - MEN'S CLUB PRO CYCLING、ロヂャースレーシングチームの5チームのバイクを紹介する。



CROPS × championsystem【キャノンデール SUPER SIX EVO HI-MOD】

CROPS × championsystem キャノンデール SUPER SIX EVO HI-MODCROPS × championsystem キャノンデール SUPER SIX EVO HI-MOD photo:So.Isobe
今年からチーム体制を大きく変更したCROPS × championsystem(Cプロジェクト)。メインスポンサーはクロップスに変わったが、使用する機材は継続してキャノンデールのハイエンドレーシングマシン、SUPER SIX EVO HI-MOD。ブラック一色だった2013年と変わり、今年はホワイトとグリーンが加わった。

大村寛のバイクにはステム一体型のプラズマハンドルがアッセンブルされていた大村寛のバイクにはステム一体型のプラズマハンドルがアッセンブルされていた サドルはフィジーク。各モデルを使い分けるサドルはフィジーク。各モデルを使い分ける

ガーミンのヴェクターペダルでパワー計測を行うガーミンのヴェクターペダルでパワー計測を行う SISLクランクセットにチェーンはKMCの新型ハイエンドモデル、X11SISLクランクセットにチェーンはKMCの新型ハイエンドモデル、X11


コンポーネントはSRAMからシマノへとスイッチしており、写真の山本和弘のバイクはワイヤー式の9000系デュラエースと、キャノンデールのSISLクランクセットを組み合わせている。逃げに乗った全日本TT王者、大場政登志はROTORの楕円チェーンリングをセットしていた。チェーンはKMCの新型ハイエンドモデル X11だ。

ホイールは昨年から継続してマヴィックであり、宇都宮クリテリウムではコスミックカーボンSLRを中心に、コスミックカーボンC40も使われていた。ペダルはいいよねっとよりサポートを受けるガーミン・ヴェクター。このデータを同Edge510Jで管理している。ハンドルやシートポストはFSAで統一されており、大村寛のバイクにはステム一体型のプラズマハンドルがアッセンブルされていた。通常のアッセンブルでは車体重量が規定以上に軽過ぎてしまうため、ウェイトを積んで調整しているという。



那須ブラーゼン【BOMA RS-I、VIDE】

那須ブラーゼン BOMA RS-I那須ブラーゼン BOMA RS-I photo:So.Isobe
今年からBOMAに使用機材をスイッチした那須ブラーゼン。高い剛性を求めたVIDE(ヴァイド)を中心として、エースの佐野淳哉は軽量モデルのRS-Iを使用した。ホイールはTH-10C(チューブラー)やTH-13W(クリンチャー)など38mmハイトのホイールに統一されている印象だ。

ブライトンのサイクルコンピュータをメインに、パイオニアのモニターも併用するブライトンのサイクルコンピュータをメインに、パイオニアのモニターも併用する VIDEなど選手の好みに合わせて機材を使用するVIDEなど選手の好みに合わせて機材を使用する

佐野淳哉のバイクには興津螺旋のチタンボルトがセットされていた佐野淳哉のバイクには興津螺旋のチタンボルトがセットされていた パイオニアのパワーメーターを組み込んだFC-7900パイオニアのパワーメーターを組み込んだFC-7900


基本的にコンポーネントはシマノの9000系デュラエースもしくは6800系アルテグラで、写真の佐野淳哉のバイクは9000系をベースにクランクセットを7900系という組み合わせ。サイクルコンピュータはブライトンのサポートを受けており、佐野や清水良行のバイクにはパイオニアのパワーメーターとモニターも使用されていた。各ボルトは興津螺旋の製作するチタンボルトが搭載される。

BOMAのホイールに合わせるタイヤはパナレーサー製で、佐野のバイクはRACE C EVO2で26c。クリンチャーの場合は耐久性に富むRACE D EVO2が多くセットされていたことが特徴だ。バーテープはスパカズを使用。エアロロード「RASOR」はスペアバイクとして一台のみ用意されていた。



湘南ベルマーレ【ジャイアント TCR ADVANCED SL】

湘南ベルマーレ ジャイアント TCR ADVANCED SL湘南ベルマーレ ジャイアント TCR ADVANCED SL photo:So.Isobe
湘南ベルマーレからはエースナンバーを付けた辻善光のバイクをピックアップ。ジャイアントのサポートを受ける中、彼が駆ったのはオールラウンドレーシングマシンの最高峰モデルTCR ADVANCED SL。上1-1/4インチ、下1-1/2インチ径のOverDrive 2ヘッド、MegaDriveなどジャイアントの最新技術がフル投入されたバイクだ。

TOKENのT55ホイールにSOYOのUpstreamタイヤを組み合わせるTOKENのT55ホイールにSOYOのUpstreamタイヤを組み合わせる ステムはジャイアント、ハンドルはワンバイエスという組み合わせステムはジャイアント、ハンドルはワンバイエスという組み合わせ

ボトルとケージはカブト製品を使用するボトルとケージはカブト製品を使用する 辻善光は167.5mmのクランクを愛用する辻善光は167.5mmのクランクを愛用する


コンポーネントは9000系デュラエースで、クランク長は167.5mm。ホイールは今年からTOKENにスイッチ。辻のバイクには25mm幅・55mmハイトのT55がアッセンブルされていた他、28mmハイトのT28がアッセンブルされたバイクもあった。組み合わせるタイヤはSOYOのUpstream、サドルはプロロゴ、ボトルケージはOGKで統一されている。

このバイクはスプリンターである辻らしく、下ハンドルで走ることを基本としたポジショニングが行われている。ハンドルは個人的にサポートを受ける東京サンエス製のワンバイエス。この他、選手によってはチームカラーであるグリーンの差し色が入ったバイクや、アルミモデルのTCR SLも用意された。



NEILPRYDE - MEN'S CLUB PRO CYCLING【ニールプライド ZEPHYR】

NEILPRYDE - MENS CLUB PRO CYCLING ニールプライド ZEPHYRNEILPRYDE - MENS CLUB PRO CYCLING ニールプライド ZEPHYR photo:So.Isobe
昨年のインタープロ・シクリズムから体制を大きく変更し、今年新たな船出を切ったNEILPRYDE - MEN'S CLUB 。バイクはもちろん冠スポンサーを務めるニールプライド。バイクは快適性を求めたZEPHYR(ゼファー)やエアロモデルのALIZE(アリーゼ)、2012年までにラインナップされていたディアブロなど個人の好みによって選択されていた。

TNIの軽量ブレーキキャリパーTNIの軽量ブレーキキャリパー SIXTHというブランドのハンドルやステム、シートポスト類を使うSIXTHというブランドのハンドルやステム、シートポスト類を使う

ボトルケージはブラックバーンだボトルケージはブラックバーンだ ホイールはノヴァテック、タイヤはマキシスのサポートを受けるホイールはノヴァテック、タイヤはマキシスのサポートを受ける


写真のバイクは、スペアバイクとして用意されたZEPHYR。コンフォートモデルとしての印象が強い同モデルだが、選手によれば「リアルレーシングスペック」とのこと。コンポーネントはシマノやSRAMなど選手によって違いがある。ホイールはサポートを受けるNOVATEC(SPRINTが中心であった)で統一されており、ハンドル周りやシートポスト、サドルはSIXTHというブランドのものがセットされていた。

ブレーキはトライスポーツが展開するTNIの軽量パーツが取り付けられており、ボトルケージはブラックバーン。タイヤはマキシスのラジアルタイヤ、ラディエール。かなりサイズの大きなバイクであったが、持った際の印象はかなり軽量であった。



ロヂャースレーシングチーム【グラファイトデザイン T800】

ロヂャースレーシングチーム グラファイトデザイン T800ロヂャースレーシングチーム グラファイトデザイン T800 photo:So.Isobe
小室雅成が主宰、埼玉県さいたま市を拠点とした新たなJプロツアーチーム「ロヂャースレーシングチーム」。宇都宮クリテリウムでは初めてチームジャージを披露し、小室雅成の中間スプリント賞&10位など活躍した。ピックアップしたのは中山卓士が駆るバイクだ。

「TEAM PROTO」のレターが入る、チーム仕様のスペシャルカラー「TEAM PROTO」のレターが入る、チーム仕様のスペシャルカラー グラファイトデザインのCLIMB BARと、6 OVALステムの組み合わせグラファイトデザインのCLIMB BARと、6 OVALステムの組み合わせ

タイヤはパナレーサーのRACE A EVO2タイヤはパナレーサーのRACE A EVO2 ボトルやウェアーはサンボルトだボトルやウェアーはサンボルトだ


チームが駆るのは、東レ製カーボンを使用したレーシングバイクであるT800。ホワイトをベースにヘッドチューブ上部にはチームカラーのブルーが差し込まれ、「TEAM PROTO」のレターも。もちろんハンドル周りやシートポスト、ボトルケージもグラファイトデザイン製で統一されている。

コンポーネントは6870系アルテグラDi2をベースに、クランクは9000系デュラエース。フレームがDi2対応していないため、コード類はテープやタイラップを使ってダウンチューブに固定されていた。また中山の個人スポンサーとしてホイールはPowerTapのG3 Smart ENVE System 6.7、タイヤはパナレーサーのRACE A EVO2がセットされていた。

text&photo:So.Isobe