2月13日から16日までの日程で開催されたツール・メディテラネアン(UCI2.1)で、別府史之(トレックファクトリーレーシング)がシーズンインした。4日間、5ステージで開催された「地中海一周レース」の模様をダイジェストで。
第4ステージ 個人タイムトライアルを走る別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Cor Vos
第1ステージ 地元とも言える南仏でシーズンをスタートさせた別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:www.letourmed.frツール・メディテラネアン(地中海一周レース)は、その名の通り地中海沿岸を舞台にしたステージレース。国境を跨いで地中海を一周するわけではなく、実際はフランスのプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏を中心にしたもの。1974年に創設され、今年で41回目の開催を迎える。
第1ステージ 鎖骨骨折から早くも復活したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:www.letourmed.fr4日間の中に5ステージが詰め込まれており、3日目に63kmの短いロードレースと18.3kmの個人タイムトライアルが行なわれるのが特徴。最終日は南仏を代表するモンファロンの山頂フィニッシュが登場する。
第3ステージ 山岳地帯を行くプロトン photo:www.letourmed.frレースにはAG2Rラモンディアール、FDJ.fr、ユーロップカー、トレックファクトリーレーシング、BMCレーシング、ジャイアント・シマノ、カチューシャといったUCIプロチームを中心に21チームが出場。ツアー・ダウンアンダー開幕前に鎖骨を骨折したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)は、骨折から1ヶ月足らずでレースに復帰した。
第5ステージ ジョニー・フーガーランド(オランダ、アンドローニジョカトリ) photo:Cor Vosレースはジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)による怒濤のスプリント3連勝で幕開けた。一歳年上のマルセル・キッテル(ドイツ)とともに、デゲンコルブは今季もドイツ&ジャイアント・シマノを牽引する存在だ。
総合争いが大きな動きを見せたのは第4ステージ。18.3kmの個人タイムトライアルで勝利したスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)が総合首位に立ち、最終日のモンファロン決戦へ。
平均勾配9%・登坂距離5.4kmの超級山岳モンファロン(ステージ29位ヴェッカネンのSTRAVAデータはこちら)でライバルを振り切ることに成功したのは、総合4位・15秒遅れにつけていたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)だった。ペローは2年連続モンファロンの山頂フィニッシュ制覇。しかしクミングスが11秒差のステージ4位に食い込んだため、総合逆転は起こらなかった。
最終的に4秒差で総合優勝を果たしたクミングスは「完全に自分のリミットを超えていたものの、辛うじて総合首位を守ることが出来てよかった。過去と比べて特別調子が良いわけじゃないけど、これまでは落車や病気で結果を出せていなかった。ようやく成果を出すことが出来て本当に嬉しい」とコメント。ディスカバリーチャンネルやバルロワールド、チームスカイを経て2012年からBMCレーシングに所属する32歳クミングスは、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝経験はあるものの、ステージレース総合優勝はこれが初めて。直前のドバイツアーでは総合2位に入っていた。
南仏でシーズンインした別府史之はスプリンターのファビオ・フェリーネ(イタリア)や、総合を狙うリカルド・ゾイドル(オーストリア)のアシストとして走り、2009年に続く2度目のツール・メディテラネアンを総合105位で初戦を終えている。別府の次戦は3月1日のクラシック・シュダルデッシュ(UCI1.1)の予定だ。
選手コメントはBMCレーシング公式サイトより。
2月13日 第1ステージ アルジェレス・シュル・メール〜モンタニャック 196.3km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 5h34'01"
2位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
3位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
5位 バンジャマン・ジロー(フランス、ラポムマルセイユ)
105位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +1'47"
第1ステージ ゴールスプリントを制したジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Cor Vos
2月14日 第2ステージ カドリヴ〜ルセ 170.6km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 4h16'39"
2位 ヤニック・マルティネ(フランス、ユーロップカー)
3位 アルミンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・セシェ)
4位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5位 ミシェル・クレダー(オランダ、ワンティ・グループグベルト)
129位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +11'16"
第2ステージ 2連勝を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Cor Vos
2月15日 第3ステージ ランブク〜サンレミ・ド・プロヴァンス 63km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 1h18'48"
2位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)
3位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 ジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)
5位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
104位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
第3ステージ ハットトリックを果たしたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Cor Vos
2月15日 第4ステージ サンレミ・ド・プロヴァンス 18.3km(個人TT)
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) 24'27"
2位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング) +04"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング) +10"
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) +15"
5位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +34"
122位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +2'43"
第4ステージ 個人TTで優勝を果たしたスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) photo:www.letourmed.fr
2月16日 第5ステージ バンドル〜トゥーロン 192.7km
1位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) 4h57'53"
2位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +05"
3位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング) +11"
4位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)
5位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ) +17"
63位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +3'23"
第5ステージ 総合優勝に輝いたスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) photo:Cor Vos
個人総合成績
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) 16h31'59"
2位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) +04"
3位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング) +10"
4位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +28"
5位 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・シマノ) +56"
105位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +18'58"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos





総合争いが大きな動きを見せたのは第4ステージ。18.3kmの個人タイムトライアルで勝利したスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)が総合首位に立ち、最終日のモンファロン決戦へ。
平均勾配9%・登坂距離5.4kmの超級山岳モンファロン(ステージ29位ヴェッカネンのSTRAVAデータはこちら)でライバルを振り切ることに成功したのは、総合4位・15秒遅れにつけていたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)だった。ペローは2年連続モンファロンの山頂フィニッシュ制覇。しかしクミングスが11秒差のステージ4位に食い込んだため、総合逆転は起こらなかった。
最終的に4秒差で総合優勝を果たしたクミングスは「完全に自分のリミットを超えていたものの、辛うじて総合首位を守ることが出来てよかった。過去と比べて特別調子が良いわけじゃないけど、これまでは落車や病気で結果を出せていなかった。ようやく成果を出すことが出来て本当に嬉しい」とコメント。ディスカバリーチャンネルやバルロワールド、チームスカイを経て2012年からBMCレーシングに所属する32歳クミングスは、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝経験はあるものの、ステージレース総合優勝はこれが初めて。直前のドバイツアーでは総合2位に入っていた。
南仏でシーズンインした別府史之はスプリンターのファビオ・フェリーネ(イタリア)や、総合を狙うリカルド・ゾイドル(オーストリア)のアシストとして走り、2009年に続く2度目のツール・メディテラネアンを総合105位で初戦を終えている。別府の次戦は3月1日のクラシック・シュダルデッシュ(UCI1.1)の予定だ。
選手コメントはBMCレーシング公式サイトより。
2月13日 第1ステージ アルジェレス・シュル・メール〜モンタニャック 196.3km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 5h34'01"
2位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
3位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
5位 バンジャマン・ジロー(フランス、ラポムマルセイユ)
105位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +1'47"

2月14日 第2ステージ カドリヴ〜ルセ 170.6km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 4h16'39"
2位 ヤニック・マルティネ(フランス、ユーロップカー)
3位 アルミンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・セシェ)
4位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5位 ミシェル・クレダー(オランダ、ワンティ・グループグベルト)
129位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +11'16"

2月15日 第3ステージ ランブク〜サンレミ・ド・プロヴァンス 63km
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 1h18'48"
2位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)
3位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 ジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)
5位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
104位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)

2月15日 第4ステージ サンレミ・ド・プロヴァンス 18.3km(個人TT)
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) 24'27"
2位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング) +04"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング) +10"
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) +15"
5位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +34"
122位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +2'43"

2月16日 第5ステージ バンドル〜トゥーロン 192.7km
1位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) 4h57'53"
2位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +05"
3位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング) +11"
4位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)
5位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ) +17"
63位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +3'23"

個人総合成績
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング) 16h31'59"
2位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) +04"
3位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング) +10"
4位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ) +28"
5位 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・シマノ) +56"
105位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +18'58"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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