エウスカルテル・エウスカディの解散によって契約を失い、数ヶ月にわたって2014年以降の移籍先を探していたサムエル・サンチェス(スペイン)。引退もほのめかせていた北京五輪ロードレース金メダリストが、アメリカのBMCレーシングチームと契約を結んだ。



昨年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ優勝を飾ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)昨年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ優勝を飾ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Riccardo Scanferla
2014年2月2日、BMCレーシングチームがサンチェスと契約を結んだことを発表した。サンチェスはエウスカルテルの解散によって職を失った選手の1人。エウスカルテルとの契約が2015年まで残っていたため、他チームへの移籍交渉開始が遅れていた。

昨年12月にイベント参加のため来日したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)昨年12月にイベント参加のため来日したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Kei Tsuji数週間のうちに移籍先が見つからない場合は、引退も辞さない構えを見せていた35歳のサンチェス。BMCレーシングチームとサンチェスの間に結ばれた契約の詳細は明らかにされていない。タイミングとして、BMCレーシングチームはアレッサンドロ・バッラン(イタリア)を2週間前に解雇したばかりだ。

ステージ10位に入ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)ステージ10位に入ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Kei Tsuji「キャリア最初の契約を結んだルーキーの気分だ。BMCレーシングチームに、とくにUCIワールドツアー有数の強豪に僕を迎え入れてくれたアンディ・リースとジム・オショウィッツに感謝している。チームの中で、若い選手たちに自分の経験を伝えることが出来ればと思う。長年にわたってライバルとして闘ってきたカデル・エヴァンスのことを良く知っているし、これからは彼をサポートしたい」とサンチェスはプレスリリースの中でコメントしている。

サンチェスは2000年のプロ入り以降、一貫してスペイン・バスク地方のエウスカルテルで走ってきた。これまでグランツールには14回(ジロ2回、ツール6回、ブエルタ6回)出場しており、2010年ツールで総合3位、2011年ツールでステージ1勝&山岳賞に輝いている。ブエルタではステージ通算5勝し、2度総合表彰台に登っている。その他、2008年北京五輪ロードレースや2012年ブエルタ・アル・パイスバスコで総合優勝を果たしている。

42歳クリストファー・ホーナー(アメリカ)のランプレ・メリダ移籍が発表された今、残された最後のビッグネームとして注目を集めていたサンチェスの去就。ベテランオールラウンダーの移籍決定に胸を撫で下ろしているファンは多いはずだ。

text:Kei Tsuji

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