先日の山岳ステージでも好調さを見せていたナイロ・キンタナが、ツール・ド・サンルイス第4ステージの頂上ゴールで独走優勝を飾った。リーダージャージを着るフィリップ・ガイモンは辛くも総合首位を守っている。
スタートサインに現れたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) (c)www.toursanluis.com4日目を迎えたツール・ド・サンルイス。昨日大集団スプリントが繰り広げられたポトレロからスタートする第4ステージは、1級山岳チェッロ・エル・アマーゴの頂上へと至る166.3kmで争われた。
アタックを試みる (c)www.toursanluis.comスタート後しばらくはアルゼンチン中部の荒涼とした平坦路を駆け抜けるが、後半のおよそ20kmは延々と登りがゴールまで続く、今大会の最難関ステージだ。1級山岳チェッロ・エル・アマーゴは平均勾配こそ第2ステージに登場したミラドール・デル・ポトレロとほぼ同じ7.5%だが、途中平坦が組み込まれているため、勾配部分はおおよそ10%を超えるという厳しいもの。更にセメントで塗り固められた、トラクションを狂わせる荒れた路面がより一層レースを厳しいものとした。
落ち着いて走るメイン集団 (c)www.toursanluis.comこの日アーリーブレイクを決めたのは、ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)や地元南米勢を中心とした5名。このエスケープグループはメイン集団に対して最大7分のアドバンテージをつけ終盤まで逃げ続けた。
ゆりかごポーズでゴールに飛び込むナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)Cor.Vos先行グループを追うメイン集団を牽引したのは、リーダージャージを着用し続けるフィリップ・ガイモン(アメリカ)を擁するガーミン・シャープや、山岳での勝負を狙うモビスター勢だ。
ペースを上げ、60名ほどにまで縮小したメイン集団はチェッロ・エル・アマーゴの直前に控える3級山岳で全ての逃げメンバーを捉えると、ここからクインターナがアタック。唯一ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)がこの動きに追従し、2名は共に山頂を目指して急勾配を駆け上がっていく。
後方からはジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)やミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)らが追走を試みたものの成功せず、先頭ではゴドイを振り切ったクインターナが独走を開始する。
昨年のツール・ド・フランスで山岳賞に輝いたキンタナのペースは他を圧倒し、結局2位以下を大きく引き離して標高1710m地点のゴールへ。生まれてくる子供を祝う、ゆりかごのジェスチャーを見せながらゴールラインを切った。
この結果をもってキンタナは総合2位に浮上。ガイモンは4分15秒の18位でゴールし、大逃げで得た貯金を使い果たしながらも4秒差でリーダージャージを守った。翌第5ステージは19.2kmで行われる個人タイムトライアルであるため、総合争いの上で重要なポイントとなるだろう。
ゴール直後のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)Cor.Vos
ゴールしたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) (c)Cor.Vos
ステージ表彰台に立つナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ら (c)www.toursanluis.com
優勝したナイロ・キンタナのコメント
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)のSRMは49℃を表示 (c)Cor.Vos(第2ステージのゴールである)ミラドール・デル・ポトレロはより短くて勾配も緩く、レースリーダー(ガイモンやアレドンド)はとても上手く登りをこなしていた。でも(今日の)チェッロ・エル・アマーゴは違った。距離はずっと長いし、路面は荒れたセメントで覆われていたんだ。でもそれが、僕が大きなリードを築くことのできた理由。かなりプッシュしたよ。
今日チームメイトは僕のパフォーマンスを信じてくれて、常に僕のフォローをしてくれていたんだ。速いタイミングから集団を牽引し、登りに入ってからも高速を維持して集団を粉々にしたんだ。今日の勝利はチームと、僕の妻と、両親と、それから特に生まれてくる僕の子供に捧げたい。彼女は今日という日を特別なものにしてくれたし、僕に大きな力をくれたんだ。自分のパフォーマンスをとても強く感じたんだ。
リーダージャージを着ることは叶わなかったけれど、明日のTTをうまくこなす必要がある。特にTTの練習をしてきたわけでは無いけれど、ニューバイクはとても速いんだ。明日ガイモンたちガーミン・シャープはとても良いパフォーマンスを見せるはず。チャンスを待って勝機を狙っていきたいと思う。
ツール・ド・サンルイス2014第4ステージ結果
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 4h14'33"
2位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +50"
3位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +1'32"
4位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'39"
5位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +1'45"
6位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア) +2'09"
7位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2'31"
8位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)+2'46"
9位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) +3'04"
10位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ) +3'05"
個人総合成績
1位 フィリップ・ガイモン(アメリカ、ガーミン・シャープ) 16h54'41"
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +04"
3位 マルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア) +1'15"
4位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +1'36"
5位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'45"
6位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'51"
7位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +1'57"
8位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア) +2'18"
9位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2'32"
10位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) +2'47"
山岳賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
新人賞
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
ユナイテッドヘルスケア
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos、www.toursanluis.com




ペースを上げ、60名ほどにまで縮小したメイン集団はチェッロ・エル・アマーゴの直前に控える3級山岳で全ての逃げメンバーを捉えると、ここからクインターナがアタック。唯一ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)がこの動きに追従し、2名は共に山頂を目指して急勾配を駆け上がっていく。
後方からはジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)やミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)らが追走を試みたものの成功せず、先頭ではゴドイを振り切ったクインターナが独走を開始する。
昨年のツール・ド・フランスで山岳賞に輝いたキンタナのペースは他を圧倒し、結局2位以下を大きく引き離して標高1710m地点のゴールへ。生まれてくる子供を祝う、ゆりかごのジェスチャーを見せながらゴールラインを切った。
この結果をもってキンタナは総合2位に浮上。ガイモンは4分15秒の18位でゴールし、大逃げで得た貯金を使い果たしながらも4秒差でリーダージャージを守った。翌第5ステージは19.2kmで行われる個人タイムトライアルであるため、総合争いの上で重要なポイントとなるだろう。



優勝したナイロ・キンタナのコメント

今日チームメイトは僕のパフォーマンスを信じてくれて、常に僕のフォローをしてくれていたんだ。速いタイミングから集団を牽引し、登りに入ってからも高速を維持して集団を粉々にしたんだ。今日の勝利はチームと、僕の妻と、両親と、それから特に生まれてくる僕の子供に捧げたい。彼女は今日という日を特別なものにしてくれたし、僕に大きな力をくれたんだ。自分のパフォーマンスをとても強く感じたんだ。
リーダージャージを着ることは叶わなかったけれど、明日のTTをうまくこなす必要がある。特にTTの練習をしてきたわけでは無いけれど、ニューバイクはとても速いんだ。明日ガイモンたちガーミン・シャープはとても良いパフォーマンスを見せるはず。チャンスを待って勝機を狙っていきたいと思う。
ツール・ド・サンルイス2014第4ステージ結果
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 4h14'33"
2位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +50"
3位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +1'32"
4位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'39"
5位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +1'45"
6位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア) +2'09"
7位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2'31"
8位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)+2'46"
9位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) +3'04"
10位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ) +3'05"
個人総合成績
1位 フィリップ・ガイモン(アメリカ、ガーミン・シャープ) 16h54'41"
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +04"
3位 マルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア) +1'15"
4位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +1'36"
5位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'45"
6位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス) +1'51"
7位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +1'57"
8位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア) +2'18"
9位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2'32"
10位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) +2'47"
山岳賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
新人賞
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
ユナイテッドヘルスケア
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos、www.toursanluis.com